京都銭湯特集/旭湯②京都では珍しい毎日男女入れ替え実施!

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大事なことは家族で相談して決めてきた「家族の絆」

「旭湯」さんでは他にも鏡の形が違っていたり(実は鏡の形と湯船の形が一緒になっています!)、脱衣所に片方だけ身長測定器があったり、それぞれ違いがあります。

壁沿いにあるかまぼこ型の浴槽、鏡もかまぼこ型
浴場真ん中にある四角い浴槽、鏡も四角に

そういった違いも男女入れ替え制のため、両方楽しむことができます。

「毎日入れ替えで、同じ週にしか来られないお客さんがどちらも入れるようにしてるんです。例えば、日曜日にしか来れないお客さんが、次の日曜日に来た時には先週と違う方風呂になっている……お客さんにとって違う楽しみがあるようにしたかったんです」

と語る2代目の洲治さん。「旭湯」さんは2006年に大きく改装しリニューアルしたのですが、その時に入れ替え制も導入したのだそう。リニューアルなどの変化のたびに、家族皆で相談しお客さんの目線で考えお客さんが喜んでくれることを第一にした空間作りを行ってきました。

2代目洲治さんご夫妻と3代目敏博さんご夫婦

「リニューアル時にお客さんにアンケートを取ったんです。それで1番多かった声が、大きい水風呂やサウナ室はそのままが良いってご意見でした。だから水風呂とサウナ室は変えていないんですよ」

家族の皆さんと笑いながら話す3代目の敏博さんを見て、親子間でしっかりと連携が取れ、継承されていることの頼もしさを感じました!

ボイラー室は「親父の仕事を見てきた場所」

「旭湯」さんは、最近3代目・敏博さんを中心にSNSなどにも力を入れており、他の施設なども参考にしながら、更に変化していく兆しを見せています。
敏博さんは27歳の時に「旭湯」を手伝うようになって以来、約20年を現場で過ごし、知識と経験値は既にベテランの域です。裏側にあるボイラー室を案内していただくと、敏博さん楽しそう!  ズラッと並ぶバルブや複雑な機械を見て、筆者にはとても扱えそうにありませんでしたが、敏博さんは熱心に説明してくださいました。

筆者の勝手なイメージで、ボイラー室は「一人前になって初めて足を踏み入れられる場所」というような特別な場所なのかと思っていたのですが、敏博さんには、幼い頃から出入りしていた、慣れ親しんだ場所だったとのことでした。

「表玄関はお客さんが通るところなんで、昔から裏口から入れって言われていたんですよ。裏口の扉がボイラー室の脇にありますし、ボイラーをいじる親父の仕事を見たりしてた場所なんで、僕にとっては小さい頃から慣れ親しんだ場所です」

スタッフとお客さんとで引き継がれる「居心地のよさ」

今回、「旭湯」さんを取材させていただき独特の居心地の良さ、「旭湯」さん特有の雰囲気や空気感のようなものがあるように感じました。その理由は何なのか疑問だったのですが、敏博さんにお話を伺い少し解けたように思います。それは、その場所で生まれ育った人が、施設への思い出や愛情を引き連れて受け継いでいくことで、自然と生まれてくるものなのかもしれません。

「旭湯」さんは常連のご家族やお子様連れが多いそうです。今、子連れで来るお父さんお母さんも、自分の親から「旭湯」での過ごし方を学んでいる人が多いそう。なので、お客さんも一緒になって昔の雰囲気をそのまま受け継ぎ、継承していっているように感じました。蒔田さんのご家族をはじめとした従業員の方々や、「旭湯」さんの常連客によって作られる空気感が、「旭湯」さん独特の居心地の良さ、懐かしさを作り出しているんでしょうね。

筆者がすすめる「旭湯」でのサウナの過ごし方

最後に、前回、紹介し切れなかった「旭湯」さんのサウナの魅力、筆者のおすすめの入り方をお伝えしていきたいと思います。

上の写真からご覧いただける通り「旭湯」さんのサウナ室の椅子は、1段1段が高めです。上の段へ行こうとすると、結構、大股で段を上がることになります。 しかも上の段に上がると結構天井が近いんですよね。熱はへいくので、上の段は体感温度がかなり熱く感じられます。天井にぶつかった熱気が、自分の体に降り注いでくる喜び。是非、上の段で感じてください!(もちろん無理はしないでくださいね)

そして水風呂です! 前回ご紹介したように豊富な地下水をふんだんに使った広い水風呂。

これだけ広い水風呂であれば、手と足を思いっきり広げてひたることができます。それだけでも十分気持ち良いのですが、筆者的には大の字になって手足を振って体にまとわりついた羽衣をぶち破る快感を体験していただきたいです! もちろん、ほかの客さんに迷惑をかけない範囲で。

筆者はいつも「一瞬たりとも羽衣なんて作ってやるもんか!」という意気込みで、頭を湯船の脇に乗せ、バタバタと手足を動かしているんですが、水温18度とは思えない冷たさを感じられます。

京都の地下水のなめらかさ、気持ち良さを、ぜひ体を動かしながら感じてみてくださいね。

3代目の敏博さんを中心に、「旭湯」らしさや雰囲気はそのままに、新しく進化していくことと思いますが、リニューアル時のアンケートでも「そのままが良い!」と変わらず残ったサウナ室、そして水風呂は、大きく変わることなく、「旭湯」さんの生き字引的存在として、これからも在り続けていくことと思います。「旭湯」さんに通いつつ、進化していく道程を一緒に楽しんでいきたいと思います!

現在発売中のSAUNA BROS. vol.7では、美しいな写真とともに「旭湯」の魅力を特集しています。ぜひそちらも併せてご覧ください!

旭湯
■住所:京都府京都市南区唐橋羅城門町20
■営業:平日=後2:30~深0:00 (日曜=前8:00~深0:00)
■定休:月曜
■料金:490円(サウナ込み)

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