日本人の原風景にある自宅でととのう!? 由布院に、夢のような家がありました!

新しい和の暮らしを体験できるモデルハウスが大分県由布院に誕生した、そこにはサウナもあるらしいということで、行ってきました。 

住宅ブランド「Dolive(ドライブ)」が提案する古き良き日本文化を現代版に解釈し直した新しい和のカルチャーを発信するクリエイターたちとコラボレーションしたNIHON NOIE PROJECTのひとつで規格住宅の「NIHON NOIE PROJECT by SOU・SOU」です。 

この住宅を開発したのが、京都の人気テキスタイルブランド「SOU・SOU(ソウソウ)」代表の若林剛之氏、株式会社社外取締役の谷尻誠氏、土井地博氏、Dolive主宰の林哲平氏。 

 昔ながらの”和”のデザインに「SOU・SOU」のポップさがコラボレーションしたNIHON NOIE PROJECT by SOU・SOU。和のテキスタイルを用いた玄関ののれんをくぐり、天窓から空を見上げる。四季の移ろいと”和”に囲まれる日々で住む人の所作も変わっていく。ライフステージに合わせて、家を育てていく、現代のライフスタイルに合う”和”の家ができましたとのこと。 

建築家・起業家の谷尻誠さんは、先日、「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)」で特集され、”混ぜる建築”や”誰のために何のために。施主の意図を考え抜く”などと評された注目の建築家です。 

 おおっ見えてきました! 由布院の高級な温泉旅館が立ち並ぶ一画を抜けた川に面して建っています。 

そもそもなぜモデルハウスを日本有数の温泉地である由布院へ作ったんですか。 

「最も大きな理由は、多くの日本人の心のなかにある『原風景』が、ここにあると感じたから。山や田んぼといった里山の景色に囲まれ、豊かに湧き出す温泉に恵まれている。さらには寺社仏閣など文化を大切にする地域性もある……そんな土地は、意外と全国を探しても見つからないんです。(モデルハウスの立つ場所の近くには、ちょうど川が流れている)川のせせらぎも日本らしい風情のひとつ。なかなか出会えるロケーションではないなと思い、惹かれました。日本の原風景に、日本のスタンダード=”和”の住宅を建てることで日本人の心のなかに眠っている美的感覚を思い起こさせたいんです。このモデルハウスを見たときに感じる”しっくりくる”という感覚を味わってもらいたいです」とのこと。 

たしかに日本昔話に出てきそうな、まさに日本の原風景。初めてきたけれど懐かしい景色にしっくりきます。 

正面に着くと、大きな屋根と石畳。いい色の木の外壁がかっこいい。入口の暖簾がかわいい! 

――NIHON NOIE PROJECT by SU・SOUのポイントを教えてください。 

「一つ目は外観デザイン。大屋根の軒はめいっぱい低く下げ、品の良い空間を作り出しました。先鋭的でありながらどこか懐かしさを感じる“和”のフォルムに。暖簾には『SOU・SOU』のテキスタイルを採用しました」。 

「新しい日本文化の創造」をコンセプトにオリジナルテキスタイルを展開するSOU・SOUの暖簾をくぐるのが毎日楽しそうです。 

「縁側と和室に面した、玄関へつながるアプローチは2つ目のポイントです。大きな梁を見せる天井は、軒先を低く抑えることで品の良い空間を作り出します。 

暖簾をくぐるとある通り庭は、雨の日も 子供たちが遊べそうな広さがあります 

「玄関を介して配置された居間と和室は3つ目のポイント。吹き抜けの天井で開放的な空間。造作のソファは階段へつながるデザインになっています。ソファの張り地も「SOU・SOU」のテキスタイルです。居間と食堂の段差はダイニングチェアとなり、機能性と動線を兼ねています」。 

玄関入っての左手のリビング。低めの家具で統一され、空間が広く感じられ開放感が気持ちいいです。奥のダイニングは、土間仕様になっており、リビングとの段差が椅子というのが新しい。 

「 4つ目のポイントは和室。縁側のあるアプローチに面した窓には雪見障子を立て、軒先の景色とやわらかな光を取り込むようにしています」。 

「そして5つ目のポイントは、通り土間です。風が通り抜ける開放的空間。食堂にそのまま入れる通り土間とし、伝統的な和を意識しています」。 

2階から見た通り土間です。天井の高さがより心地よく感じます。 

どれも考え抜かれて作られているんですね。モダンでありながらも、縁側や土間など昔の日本の家屋の要素を取り入れていて、新しくてオシャレなんだけど、懐かしさも感じられます。 

で…そろそろサウナに入りたいです…。サウナは、川に面した庭にありました。 

左手のガラス張りの小屋がサウナ。茶室のようなサ室。かっこいい! 

ご近所から見えるので水着は必須です! 

谷尻誠氏、造園家・グリーンディレクターの齋藤太一氏、プロジェクトマネージャーの馬屋原竜氏が立ち上げた「DAICHI」が監修。ととのえ親方こと松尾大氏、ととのえ師匠こと秋山大輔氏も同社サウナチームに参加しています。 

――そもそも”日本の家”にサウナって、嬉しいのですが、どうしてそのような考えにいたったんですか? 

「今回のプロジェクトコンセプトは、『古き良き日本文化を現代版に解釈し直した“新しい和のカルチャー”を発信するクリエ イター達とコラボレーションし、ヒト・モノ・コトから「日本を愉しむ暮らし」を 発信するプロジェクト』です。 これらは全て「和」というキーワードでつながっています。谷尻さんが参画するDAICHIが作るサウナは「茶室のようなサウナ」というコンセプトで和とつながっていきます。NIHON NOIE PROJECT by SOU・SOUが持っているコンセプトと和をコンセプトにしたサウナが合致し、設置することになりました。また、日本屈指の温泉地、由布院という土地柄の影響ももちろん大きいです」。 

 サ室を設計された谷尻さん、こだわったポイントを教えてください。 

「かつて武士は刀を置き身分を忘れて茶を楽しみました。茶には作法と呼ばれる一連の流れがあり、洗練された空間体験を演出します。サウナも空間への向き合い方は一緒です。年齢も職業も関係なくみんな真っ裸で汗をかく。ならば、茶の空間のように洗練された作法を通して、より深いサウナによる精神体験(ととのう)が味わえるのではないだろうかと考えました。千利休がつくったといわれる国宝の茶室『待庵』の広さは2畳。それと同様の小間とし、壁は杉皮貼りで屋根は銅板葺きとしました。伝統的な茶室への敬意でもあり、ログハウス系の多いサウナの新しい形の提案でもあります。茶の世界で茶器が大事にされるように、使う道具の肌触りや寸法、素材にこだわり、感度が上がった身体で深く味わえるようオーロラの炎が見えるストーブや、木製の『トトノエベンチ』も開発しています。 

にじり口をくぐり、室内に入れば窓からは豊かな自然が切り取られ、炎の揺らめきや薪の爆ぜる音、掛けヴィヒタの森の香りを感じ、五感で豊かな時間を味わえる。サ室で汗をかいた後は川へと飛び込み、クールダウンした後は森が生み出す新鮮な空気を全身で味わい自然の豊かさを堪能するサ法があります」。 

サ法…大事ですね、胸に刻みます。お話を伺っているとサウナへの深い思いと愛を感じます。やはり谷尻さんご自身、サウナ好きなんですか? 

「サウナに目覚めたのは3年前、ととのえ親方に楽しさを伝授され、あっという間にのめり込みました。キャンプへ行く時は常にテントサウナを持参し、今でも週3、4回はサウナに入っています。そんな経験とサウナ愛を存分に生かしたのが〈サ室〉です」。 
やはり…サウナが相当お好きですね。 

とお話している間にサ室も温まったようなんで、そろそろ入らせていただきます。

中に入ると、薪サウナ特有の優しい温かさに包まれます。下からうっすら風が、屋根と壁の間にもスキマがあり、これは…大丈夫かと心配いましたが、換気も必要ですね。 

「薪ストーブのサウナのため安全面を配慮して適切な換気を設置しました。隙間はあっても十分温まる設計です」 

ロウリュも自分のペースで遠慮なくできて、心地いいサウナ独り占めの幸福
広い窓から由布院の景色を見ながら、幸せなひと時。テレビも何もいらない。

ただただ自然に包まれる。鳥のさえずりや、川のせせらぎが最高の音を奏でます。 

しばし、夢の中へトリップ。 

小さなボディでなかなか強力なDAICHI監修のサウナストーブはゆったりしっかり薪の優しい熱でゆっくりじんわり温まります。しっかりと汗が吹き出してきました。 

気付かぬうちに玉の汗がでてきました
いい汗をかいたところで、目の前の水風呂にかけ水をしてから、ドブン

青い空、広がる田園風景、おいしい空気。初めて来たけど懐かしい。幸せだ~。

その後縁側で休憩するオジサンが一人。これが家だったらなぁと考えているようで、たぶんなにも考えていない。頭の中には真っ白。

この素敵な家に、このサウナがあって、毎日、里山の四季を感じられたら最高すぎる。もはや天国ですね。施設や銭湯のサウナが大好きですが、ソロサウナの極みの一つなのは間違いないです。

撮影/長谷繁郎

https://nihon-noie.dolive.media/

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