霊峰富士の不思議な溶岩パワーを体感/スゴイサウナ赤坂店①

サウナ室の定員は20人。熱気がダクトを通ってストーブの下に送られ、循環する仕組みになってい

ここは東京、赤坂。サウナ激戦区に誕生した「スゴイサウナ赤坂店」。富士山の溶岩石を用いたマグマスパ式サウナの不思議なパワーを、SAUNA BROS. vol.8「夏に行こう!新規&リニューアルの注目サウナ」でご紹介しました。しかし、この施設の魅力はそれだけではありません。掘り下げてみれば、ひと味違うと感じさせられる視点がたくさん。際立つオリジナリティ、細部にまで宿るホスピタリティは感動レベル。その魅力を2回にわたってお伝えします。前編となる今回は施設を細かくご案内。いやぁー、サウナって実に奥が深いですね。

目次

サウナストーブに富士山の溶岩石が山盛り

ヒーターエレメントのすぐ近くにセラミック製サウナストーン「KERKES(ケルケスストーン)」を置き、まわりに富士山の溶岩石が積み重ねられている

ちょっと大げさじゃないの? そう思えるネーミング。実はすこし猜疑心を抱いていました。行ってみるまでは……。ですが訪れて、話を聞いてみれば「そうなんだ!」「だからなのか!!」と。驚き、感心、納得の連続でした。目からうろこがぽろぽろ落ちて、結果的には口走っていました「スゴイですね」と。楽しい、気持ちよい、それだけではないのです。サウナ室はもちろん、施設全体の各所に工夫が施されていて、それぞれにしっかり意味があります。そんな「スゴイサウナ赤坂店」を全解剖。霊峰富士の神秘的なパワーを感じる施設の細部にまで迫ります。

サウナストーブにはMETOSのikiを採用

サウナ室の熱源は、誌面でご紹介した通り、室温65℃、湿度60%、育成光線60℃の黄金比を目指したマグマスパ式サウナ。高くない温度設定ながらも、深部体温がしっかり上がり、発汗が促されます。サウナストーブはメトスのikiが2基並んで設置されていて、ケーシングには富士山の溶岩石が山盛り。10分ごとのオートロウリュで、サウナストーブの溶岩石がミネラルを含んだ蒸気を噴出します。ちなみに、この溶岩石のストーンは1個だけで約1,500円するそう。壁には富士山の溶岩石の板が貼られています。ベンチの座面も同じで、敷かれたタオルをめくれば溶岩石が。サウナと岩盤浴を合体させたようなつくりになっていて、輻射熱が全身を包み込み、体全体がムラなく温まります。

「深部体温を1℃上げる」がコンセプト

湿度を保つために、スタッフがこまめに壁に水を掛けている

スタッフによる壁への水かけがこまめに行われているのは、サウナ室のベストな湿度を保ち、黄金比に近づけるため。3段になったベンチ横には温湿度計が設置されていて、温度・湿度は1段目62℃・60%、2段目65℃・55%、3段目68℃・50%となっています。調べてみたところ、日本で多いのは80~100℃のサウナ。昔ながらのドライサウナは温度90~100℃で湿度は10%以下。ガス式の遠赤外線サウナに多く見られ、本当にカラカラです。一方、フィンランド式サウナと呼ばれるサウナは温度70~90℃で湿度20~30%。湿度も体感温度に比例するので、ロウリュすると蒸気が発生して急激に湿度が上がるため、熱く感じるわけです。ミストサウナやスチームサウナは温度40~60℃で湿度はほぼ100%。空気中にこれ以上水蒸気は含められないという状態です。

オートロウリュは10分に1回。溶岩石が吸い込んだ水が、熱い蒸気となって吹き出され

体の内部の温度「深部体温」が38℃を超えれば免疫力を含めた自然治癒力が高まるといわれます。調べているなかで見つけたアメリカ保健福祉省の研究結果でも、深部体温が上がりやすいのは比較的低温で湿度が高いサウナで、温度60℃・湿度60%が理想的なバランスとして示されていました。スゴイサウナが売りにする「富士山で見つけた、人類を温める黄金比」との温度差は5℃。さらにもう一歩踏み込んで温度が高くなっていると考えられます。というのも、広報部長の萱場弘盛さんによると、スゴイサウナとは、日本に昔から伝わる湯治の文化を令和に伝え、深部体温を1℃上げることをコンセプトとする温浴施設。「健康」をかなり意識しているのです。

実際にサウナ室に入ると、すぐに体がぽかぽかして、発汗し始めます。本当にあっという間。驚きました。体が芯から温まるとはこういうことかと実感できるのです。筆者は普段、サウナ室に10~12分入りますが、スゴイサウナでは5~6分で同じくらい体が温まったと感じられました。普通は5~6分では体の表面、つまりは肌が熱くなるだけで、そこからが本番というか、本格的に蒸されて汗をかく時間帯なのですが、半分の時間で満足できたのです。奥に寝サウナができるスペースがあるのも、うれしい点でした。

水風呂では富士山の伏流水を再現

富士山の天然ろ過機能と鉱石層を再現してミネラルを含む柔らかな水を作り出しています

時間短縮ができるのは洗体スペースも。シャンプー、トリートメント、ボディソープ、フェイスウォッシュがオールインワンの全身洗浄料が置かれています。そのおかげで通常5~6分かかる洗体も、3分ほどで済ませられます。シャワーはRefa(リファ)。洗い場は4つあり、壁、パーテーションも富士山の溶岩石。なんともぜいたくです。

シャワーを浴びるときも、富士山の溶岩石に三方を囲まれて……
「TELESA(テレサ)」の全身シャンプーで洗体の時間を短縮

霊峰富士の蒸気に蒸された後のお楽しみ、水風呂も湯船は富士山の溶岩石。麦飯石、水晶、トルマリン、セラミック、木炭のほか、数十種類の天然鉱石層を再現した人工ろ過機能で、富士山の伏流水を再現しています。ph値は7.1とほぼ中性の弱アルカリ性寄り。柔らかな肌当たりです。

ろ過装置の天然鉱石層を水が通っていく様子をガラス越しに見ることができます
バイブラは手動で作動できる

水風呂は5~6人入れる広さ。水温は17℃の設定で、バイブラのスイッチが付いています。より強い冷感を味わいたいなら、好みでスイッチをオン。バイブラが作動して体感温度を下げられます。反対に、冷たい水風呂は苦手、だけどバイブラが作動中……という場合もご安心を。浴槽の一角にバイブラによる水のゆらぎが届かない場所があるのです。17℃以下の冷たさを感じたい人も、17℃のままで楽しみたい人も、同時に入れる工夫が凝らされています。

Lafma(ラフマ)のデッキチェア。わざわざ取り寄せて設置したそう

サウナ、水風呂の後の休憩のために設置されているイスは、すべてLafma(ラフマ)のデッキチェア。コンパクトながら、しっかり足を伸ばしてくつろげます。休憩エリアに6脚、浴室に2脚、あわせて8脚。これだけの数は同じLafmaでもリクライニングチェアだったら置けないはずで、スペースが有効活用されていることがうかがえます。

だまし絵のような視覚効果で不思議な感覚に

休憩エリアの壁はモノクロームのグラデーション。職人手作りの和紙が立体的に加工され、夜の海を連想させるような濃紺に、白い波しぶきが描かれているように見え、デッキチェアに横たわってぼんやり眺めていると、動いて変化しているような錯覚に陥ります。

深部体温を上げて、自然治癒力を高める「現代の湯治場」

温浴槽の湯舟の深さにまでこだわりが……

洗体→サウナ→水風呂→休憩。その一連の流れにおいて、しっかり満足できる仕掛けが施されているスゴイサウナ。温浴槽があることも大きなポイントといえます。こちらも湯船は富士山の溶岩石。水風呂にはバイブラのスイッチがありましたが、温浴槽はジェットバス。腰や背中をピンポイントでマッサージできます。深さは40cmで水風呂の60cmよりも浅くしてあります。水圧で心臓を圧迫することなく、ゆったりとお湯に浸かることを意識した配慮だそう。この温浴槽の湯舟もスゴイサウナの大きなこだわりのひとつ。日本に古くからに伝わる湯治の文化を令和の今に伝えるうえで欠かせない設備だといいます。

ジェットバスの水流で腰や背中のマッサージも

気持ちよい、楽しい、居心地がよい。美容によい、リラックスできる。それだけにとどまらず、深部体温を上げて、自然治癒力を高める。それがテーマ。かなり真剣に「健康」を意識している施設なのです。体質を改善するためには定期的に入浴を繰り返すのが効果的で、萱場さんによると72時間、つまり3日おきでの利用が理想のペースといいます。そしてアプリ会員向けに自社開発したスゴイサウナアプリは、ゆくゆくは医療分野と連携して、睡眠データなどを可視化するなど、健康管理に役立つ機能の搭載を考えているそうです。

麦茶、スポーツドリンクが飲み放題になるドリンクバーはプラス500円で利用可。冷水は無料

料金はアプリ会員が60分2,500円でアプリ会員費が月550円、一般会員が60分3,500円。どちらもタオル(大・小セット)、水着付き。アプリ会員になって利用するのがお得です。60分では時間が足りないと思えるかもしれませんが、案外そうでもありません。洗体はさっと済ませられ、サウナは短い時間でしっかり満足できる入り心地。さらにいえば脱衣所に髪の乾きが早いRefa(リファ)のドライヤーがあるなど、1時間できちんと完結できるようになっていると感じました。さっと入って、温活して、ぱっと帰れる。むしろ日常的に通うのにぴったりの施設といえるかもしれません。

ドライヤーはRefa(リファ)。化粧水や乳液は高保湿スキンケアシリーズの「NULLSIST(ナルシスト)」が用意されてい

この至るところに工夫が凝らされたスゴイサウナ。どのようにして誕生し、これからどう展開していくのか。8月には女性専用の東麻布店がオープンしますが、その先の計画も含めて次回、株式会社スゴイサウナの広報部長・萱場さんのインタビューでお伝えします。ぜひSAUNA BROS. vol.8とともにお楽しみください。

スゴイサウナ 赤坂店
住所:東京都港区赤坂4-2—12 エスセナーリオ赤坂WEST111
営業時間:前11:00~翌朝8:00 定休=第3月曜
料金:60分3,500円(タオル大小・水着付き)、アプリ会員は60分2,500円。延長=10分ごと250円
※8月8日にスゴイサウナ 東麻布店(女性専用)がオープンします!

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