心地よさもオモロさも思いも…最高! 「大阪サウナDESSE」

昨年後半あたりから、全国各地で大型のサウナ施設のオープンが続いています。それらの施設を訪ねてみて感じるのは……その「完成度」と「満足度」の高さかもしれません(なんだか「上から目線」っぽく読めてしまうかもしれませんが、けっしてそんなつもりはありません。ただただ、感謝です!!)。

そして「うわっ、スゴいな」という驚きも!(もちろん「いい意味での」ですよ!!)

現在発売中の「SAUNA BROS.vol.6」でも、そうした施設をたくさんの写真とともにリポートさせていただいていますが、今回、あらためて紹介する「大阪サウナ DESSE」(以下、「DESSE」)もそうした施設のひとつ。いや、間違いなく、そうした施設の筆頭ではないかと感じました。

今年4月に大阪の最中心エリア、心斎橋筋にオープンした「DESSE」。なんと大阪メトロ心斎橋駅からわずか2~3分という、好アクセスな立地にあります。

目次

すべての人に格別な体験を!「DESSE」という店名に込めた思い

サウナ施設に限らないけれど、大阪や関西では、従来の常識にはとらわれない思わぬサービスや趣向に唸らされることが多いのですが、この「DESSE」もまさにそう。まずはそれぞれレベルの高い、趣向に富んだ7種ものサウナ室(※貸切、個室を含むと8種)があり、さらにはこれもまたいくつも用意された水風呂もあわせて「これ、オモロイわ」な仕掛けが、館内に満ちあふれています。

その最たるものが、サウナ室から飛び込んで、潜って退出するというなんとも愉快痛快なキンキンの水風呂なんですが……各詳細はのちほどじっくり紹介していきます。

で、この多種多様なサウナ室。大きく2つのエリアに分けて「仕切れる」ように配置されています。読者の皆さんもご存じだと思うのですが、日本の男女のサウナ人口比は圧倒的に男性が多く、伝統的に「サウナに特化した」温浴施設に「男性専用施設が多い」のも安定継続的な経営を考えると実情にそぐったものではあるんですね。

さて、この「DESSE」が2つに仕切れる仕様で、浴室への入口と脱衣室が2つあるのは、女性にも利用してほしいという思いのあらわれ。

実は「DESSE」という店名になっているワードなんですが、「~ですよ」というニュアンスを表す関西弁とともに、エストニア語で “ともに”という(英語でいうところの「WITH」)もあるのだそう。
(※ちなみに「DESSE」のサウナストーブはすべてエストニア製のパワフルなものです)

ニーズを勘案して、週のほとんどの日(現状、原則として木曜以外のほぼ6日間)は「男性デー」になってしまうにしても、木曜を「男女デー」(もしくは「レディースデー」)にしたりと、老若男女の誰しも……この街のすべての人々が、“ともに”、最高の気持ち良さを愉しむにはどうしたらいいか。開業にあたり、まずその発想がベースにあったそうなんです。
(※イレギュラーもあります。来訪時はHP等でご確認を!)

実にナイスでっせ!

快適さを目指してさまざまに工夫された設備ももちろんなのですが、“格別にええもんを、皆が普通に――”というなんともピースフルな姿勢、思いが……サウナ好きとしてはまずはうれしいじゃないですか!

7種の趣きの異なるサウナ室。ここでしかできない体験も!!

それでは、向かって右側……水色ののれんをくぐって、さっそく浴室へと足を踏み入れてみましょう!

広いですね。そして、写真ではわかりづらいかもしれませんが、浴室全体の動線となる通路沿いに、何かしらのかたちで「水」が流れているのがなんとも気持ちいいですね。

ご存じのように、大阪は昔から「水の都」といわれるほど川とともに発展してきた街です。心斎橋という地名も、かつて流れていた長堀川に架けられていた橋が由来。
利用者が、水に沿って点在するサウナ室へ直感的に移動できるだけでなく、この街と“ともに”あるサウナでありたいという思いも伝わってきます。

「川サウナ」では、ここでしか味わえない夢の体験が

さて。まずは最もこの「DESSE」で特徴的なサウナ室である「川サウナ」から行ってみましょうか。上の写真の、ライトで上から照らされた敷石を進んで扉を開くと……。

サウナ室の中、それも2段のベンチ&大きなストーブの目の前に水風呂が!

奥にももう1基、ストーブがあり、それらによって生み出される熱が体を包み込みます。オートロウリュにより湿度もバッチリで、ベンチに腰かけてほどなくすると心地よく発汗してきます!!

十分に体があたたまったら、この場でかけ水をして汗を流し、そのまま目の前の水風呂にダイブしてOK!!  不思議なことに、サウナ室内なのに、ぜんぜんヌルくなっておらず、これがめっちゃ爽快! そして水中に潜って「壁」をくぐり抜けて室外へ出るという……自分がアシカやオットセイになったかのような気分(!?)も味わえます。

サウナ室から、水中を潜って壁をくぐり抜けます!

これは気持ちいい! いやぁ、ここでしかできない格別な体験です!!
(※男女デーでは、男性浴室側になります。※下記「蔵サウナ」も同)

セルフロウリュ、ウィスキングも出来る「川サウナ 蔵」

さて、「川サウナ」と同じ室内に、趣向の異なるサウナエリアがあります。これが「川サウナ 蔵」。ベンチを見ると、座面が広く、また「川サウナ」側と比べると、やや床からの高さもあります(段数は3段。天井も近い!!)。そう、ここはウィスキングの施術も受けられるような構造になっているのです。

ということで、ここの奥にあるストーブにはセルフロウリュも可能。「川サウナ」とはまた少し違ったアツさを体感することができます。あ、もちろん「川サウナ」同様にサウナ室内から水風呂へ、という体験はできちゃいますよ。

水深150センチのシングル水風呂もスタンバイ!!

「川サウナ&川サウナ 蔵」とつながっている水風呂に加えて、深い150センチの水風呂もあります。こちらはなんとシングル(10℃以下)の水温設定!! はしごをつたって水中に入れば、一気にクールダウン出来ちゃいます。

好みや体調によっては、この冷たいほうに先に入って、そのあと、広い水風呂に移るなんていう、サイコーの冷々交代浴を味わうことも可能ということです!

広い“休憩エリア”と一体になった「庭サウナ」では歓談OK!!

「DESSE」では7つのサウナ室ごとに、利用者同士の“会話”について「厳禁」だったり、「小声なら許容」だったりとルールが決められています。それぞれ扉の横の表示ボードに記されているのですが、「歓談OK」とされているのがこの「庭サウナ」。

コロナ禍もあって、ここ数年は“黙浴”が多くの施設で推奨されてきましたが、元来、(人に迷惑をかけない範囲で)さまざまなことを語り合うというのも、サウナのひとつのあり方です。

施設側で場所を決めてルールを提示してくれるのは、みんなが“ともに”楽しむにはありがたいかも!

セルフロウリュのできるストーブに対して、座面が、ちょっと“囲む”ような形状になっているのも、やや温度がマイルドなのも……互いが向き合ったり、少し長い時間を過ごすことも出来るようにと考えてのこと。

この「庭サウナ」は広い休憩エリア(たくさんのイスや空調からの微風なども完備)と一体になったスペースなので、ゆったりと心を安らげ、和むことが出来る空間になっています。
(※男女デーでは、男性浴室側)

高温&高湿で、自分に向き合う=没入できる「森サウナ」

7つのサウナ室のうち、最もストイック=アツいのがこの「森サウナ」。

常時90℃オーバーの温度設定のストーブ&ストーンにはオートロウリュが行われ、さらにいい香り(=森の匂い。アルテミスの薬草を使っているとのこと!)のスチームが噴き出す装置も! とにかく体感温度はホントにアチアチ!!

ベンチ上段は天井との距離も近く、室内全体も光量が抑えられ、まさに森の中にいるかのような静けさ。目の前の植物を眺めながら高温高湿な中で、いつしか集中して自分と向き合うことのできるサウナ室です。もちろん、このサ室は会話禁止。というか、暗さと高温、湿度のあるしっとりしたこの空間では……誰もしゃべらないですね。

このサウナ室のすぐ横には専用の信楽焼の特注壺型水風呂もあり、じっくりと腰を据えて熱&自分に没入できます。
(※男女デーでは、男性浴室側)

瞑想的な「水面(みなも)サウナ」は、いつまでも居られてしまう心地よさ

サウナ室の横幅いっぱいに、床とも一体になった構造の、人体工学に基づいた緩やかな曲線のベンチがしつらえられています。

人体工学に基づいた、“気持ちいい角度”の背もたれ

ほぼ仰向けで寝そべる体勢でこのベンチに体を預け、窓外を見上げると、その名のとおり、隣接する水風呂から反射した水面の揺らめきが天井で揺れ動き、とても幻想的。

トップライトの光が水面にあたって……
波紋の煌めきが天井で揺れるさまは、なんだかエモくて実にいいっす

薄暗さ、オートロウリュによる絶妙な湿度と相まって、ずっと入っていられる、メディテーション効果のような心地よさがあるサウナ室です。
(※男女デーでは、女性浴室側になります)

見た目おだやかな和空間は、意外にもアッツアツ!「茶室サウナ」

その名のとおり、茶室を彷彿とさせる小上がりの畳がなんとも居心地良いサウナ室。扉を開くと、思っていた以上に奥行きのある空間が広がっています。

温度設定はやや高温で、茶葉が入った石皿へのオートロウリュや土壁の効果もあってか、湿度も絶妙。ちょっとした小部屋のようなスポットでも、かなりのアツアツぶりが堪能できて……一気に発汗させられます。
(※男女デーでは、女性浴室側)

ウィスキング対応できるサウナ室がもうひとつ!「はなれサウナ」

セルフロウリュによる蒸気のまわりも良く、混み具合を見計らいながら寝そべってみると……めちゃくちゃ気持ち良い! 実は「茶室サウナ」と同じ構造物のなかに設けられている別室=「離れ」ということで、このネーミングなんだそうです!
(※男女デーでは、女性浴室側)

どんな人にも「最高!」を!! 熱い思いはまだまだ進化し続ける

いやぁ、スゴいです! まるで「サウナのテーマパーク」です。いや、新しい発想も随所にあるので、「サウナの展示場」と言ってもいいかもしれませんね。
大きく2つに仕切られるそれぞれのエリアともに、随所に休憩用のスペース、イスも点在していますし、カランやシャワーの数も広さも十分。
前述したように動線も快適で、また「欲しい」と熱望する人も多い、あたたかいお湯の浴槽も揃っています。これは、本当にサウナが好きな人が、研究し尽くして、考え抜いて、そして楽しみながら造ったサウナ施設なんじゃないかなと……。

ここまで7つのサウナ室をみてきましたが、やはり先述したように、これに加えて個室になっている貸切サウナがあります。「結びサウナ」と名付けられたそのスペースは、同じフロアですが、サウナ室だけでなく、脱衣ロッカーや水風呂、飲食もできる休憩エリアまで、すべてが独立した完全プライベートエリアです。

気の合う仲間同士や、家族、カップルでの貸切だったり、ちょっとしたミーティングなど、さまざまな利用が可能なんですが(定員は最大6名)、ぜひ写真をじっくり見てください!

サウナ室の入口を含めて、段差がまったくありません。そうなんです、車いすのまま入れる完全バリアフリー仕様なんですよね……。
ハンディキャップがある人を含め、やはり、すべての人に対して開かれたサウナ施設なんだと気づいて、ちょっと胸がキュンとなりました。実にあったかいじゃないですか!

フロントや休憩スペースもスッキリとしたレイアウト。浴後の休憩やちょっとした作業も可能なエリアも用意されています。

オリジナルのクラフトビール等のドリンクのほか、サウナ後の味覚にぴったりのスパイシーな「カレーおでん」や、その出汁をご飯&豆富にかけた「豆富飯」も絶品!

ふと周囲を見渡すと、フロントでたくさん展開されているグッズや館内のあちこちに、この「DESSE」のコンセプトである「最高…!」「WONDERFUL NORMAL」(=日常の中の格別さ)という文字がデザインされ、躍っています。

さまざまなサウナに触れて、さらに新たな独創性をプラスされた「大阪サウナ DESSE」。こだわりも、ここにしかないオモロさも、利用客一人一人への思いも……すべてがめちゃアツなんじゃないでしょうか。

この熱い思いがあれば、きっと「DESSE」はこれからも進化を続けるはずです。

まさに「最高…!」の時間と空間。東京住まいの身としては……次に訪問する機会を得られたら、十分に余裕を持って来たいと心から思ってしまったのでした。

※現在発売中の「SAUNA BROS.vol.6」では、さらに多彩な写真とともに「大阪サウナ DESSE」の魅力を特集。ぜひそちらも併せてご覧ください!!

大阪サウナDESSE
■住所:大阪府大阪市中央区南船場3-6−18-4F
■営業日・営業時間:[通常]月~水および金~日=男性デー。前11:00~翌前9:00/木=男女デー(※レディースデーの場合あり)前11:00~深0:00 ※営業案内はHP等で要確認 ■料金:1時間=1,500
■料金:1時間=1,500円、2時間=2,600円、フリー=3,700円

撮影=長谷繁郎

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