日本のプロ野球界きってのサウナ愛好家・千葉ロッテマリーンズの石川歩投手にご登場いただいている当連載。毎月、アスリートならではのサウナの愉しみ方とともに、活用法なども聞いています。<過去の連載はこちらから>
うだるような暑さが続く中、調整とトレーニングを続ける石川さんに、今月もお話を伺います。
猛暑のなかでの調整。マリーンズ投手陣に新たなサウナ部員も誕生(!?)
――今月もよろしくお願いいたします! というか、暑いですねぇ……。
「暑いっす。今日もヤバいくらいにめちゃくちゃ暑いっす」
――こんな日は室内での練習とかにはされないんですか?
「基本は外ですね。もちろんトレーニングのメニューだったり、状況を見て室内でやることもありますけど」
――ただ外に立っているだけでも倒れそうなのに。
「あんまり長い時間は、外にいたくはないですよね(苦笑)。なんか、今年というかここ数年は夏の暑さの感じが変わってきてるような気がします」
――確実に変わってきてますよね。今、熱戦が続いている甲子園でも、真昼の試合開催に疑問の声が上がったりもしてるじゃないですか。
「僕らの頃は、暑いとはいえ、真夏でもどこかちょっと爽やかさみたいなものはあった気がするんです。今の高校球児は本当に大変だなと思います。
それと……この(今、主に練習をしている)浦和球場がある埼玉は、そもそも暑さのレベルがヤバい気もしますよね」
――たしかに。熊谷なんかも猛暑で全国的に有名ですし。やっぱり、ちょっと内陸だからなんでしょうか。
「どうなんですかね。めちゃくちゃ暑いです。まぁ、でも、ひたすら頑張ってはいます。ちょっとずつ出力を上げつつ、様子を見ながら、という感じで。先月と同じで、やっぱりどうしても、ちょっとモヤモヤはしてしまうんですけどね」
――この会話の流れから、スミマセン…………。今月もサウナの話題に行きたいと思うのですが。
「はい。お願いします。あっ、この間、唐川(侑己)と話していて、サウナの話になりました」
――おぉ! 唐川投手もサウナがお好きなんですね!!
「いや、前はあまり好きじゃなかったって言っていたんですよ。それが『最近、行くようになった』って言っていて。『おっ!?』って思いました」
――何があったんでしょう?
「わかんないですけどね。個室サウナとかにたまに行くようになった、って。サウナが苦手って言ってた人が行き始めたって聞いたりすると……なんか嬉しくなっちゃいますよね」
――あ〜、なんかわかります。まさに「おぉっ!?」って感じですよね。
「はい。そうそう、そんな感じです」
――同じピッチャー陣ですから、一緒に行かれることもありそうですね。
「そうですね。彼も僕もいい感じの時にもしタイミングが合えば、ぜひ一緒に行きたいと思いますね」
最近は……1周回って(!?)、こんなサウナで心をととのえてます!!
――石川さんご自身は、最近はいかがですか?
「ちょこちょこ行っています(笑)。最近で言うと、『つぼや』(サウナきさらづ つぼや)とか、『サウナセンター』とかですかね。あとは、神戸に行く用事があって、その時に『クアハウス』(神戸クアハウス)にも行ってきました」
――ほほう、いいですねぇ。いずれも味わい系の施設さんじゃないですか。
「なんだろう。ここのところ、新しくオープンした施設にかなり行っていたんですけど。
そういうところに行って思うのは、もちろん気持ちいいんですけど……『サウナセンター』とかって、やっぱりすごくいいサウナ施設だな、って」
――あぁ、なんかそれも、めちゃくちゃ分かる気がします。
「なんなんでしょうね? 僕も理由はわからないんですけど、あの静かさというか雰囲気というか。つい足が向いてしまうというか」
――はいはい。今ほんとに“共感み”が凄いです。新しい施設にも、満足はされてるんですよね。
「そうです。新しい施設には、すごく満足なんですよ。でも、なんか『サウナセンター』や『つぼや』とかの静かさ、みたいなものが、やっぱりいいなぁ、って」
――何より落ち着くし、安らぐ。
「そうです。あのシンプルな感じに、なんか安心しちゃうんですよね。いろいろ削ぎ落とした感じというか。あとは時間を選べば、お客さんの人数もちょうどいいですし。ガチャガチャもガヤガヤもしていない」
――はい。
「『つぼや』も『サウナセンター』も、僕自身の休みの日に行ったんですけど、昼間の本当にタイミングがいい時間帯だったら、最高ですからね。
施設の作りとしての動線ももちろんいいんですけど、人が少ないと、僕を遮るものが全く何もないというか。サウナ室も水風呂も、イスでの休憩も、ほんとに自分のタイミングなので」
――あぁ、それは大事ですよね。そしてもちろん、施設自体のポテンシャルも素晴らしいですしね。
「そうなんですよ。サウナ室の熱さも、水風呂も、熱さも冷たさもめちゃくちゃいいし、サウナを出たあとに休憩できるフロアも心からゆったりとできて居心地いいですし。ご飯も旨いですからね」
――こう言ってしまうとアレですが、今は、石川さん自身、先ほどおっしゃっていたように、どこかモヤモヤされているということもあります。
「あぁ、そうですね。そういうストレスみたいなものも忘れられたりはしますよね。それもあると思います。すごく行きたい気持ちになった理由として」
「つぼや」「サウナセンター」……やっぱり好きなんです
――実際にいかがでしたか?
「いやぁ、やっぱり良かったですよね。あの……『つぼや』は、パワーアップしていたんですよ」
――あ、そうですよね。噂に聞いたんですが、サウナ室が……。
「はい。オートロウリュになってました。それ以外は多分、どこも変わっていないと思うんですけど、ストーブのあたりでちょっとライトが点いたなと思ったら、サウナストーンに水がかかり始めて……!
あの熱いサウナ室が、さらにアッツアツで。僕、ちょっと上(上段)に座っていられませんでした」
――それはスゴい熱いってことですよね。どこでも無敵の石川さんなのに。
「いやいや、そんなことはナイっすけど(笑)。でも、多分、温度設定は前と同じくらいだと思うんですよね。そこにロウリュですから。
最初は普通に上に座ってたんですけど、コレは無理だと、1段目に降りました(笑)」
――ヤバいですね。あそこって、110℃とか120℃くらいじゃないですか。
「はい。余裕でそのくらいはあります。何度も言うけど、めっちゃくちゃ熱かったです(笑)。
でも、地元の方だと思うんですけど、上に座ってる方もいて。すげぇなって(笑)」
――もうその方たちは、猛者ですね。恐るべし、木更津。
「ですよね。でも、上には居られなかったけど、めちゃくちゃ最高でした。
水風呂も相変わらず気持ちよかったですし、ご飯もサウナに入る前に頼んでおいて、届くタイミングまでじっくりとサウナを楽しみましたし」
――ちょうど1時間くらいですかね。いいタイミングで届けてくれるのもうれしいですよね。「つぼや」さんは。
「やさしいですよね。そういう心配りもやっぱりいいし、そもそもあの最高のサウナを、まだまださらに改良してくれようというところもありがたいなって思いますよね。本当に最高です。
たぶん4〜5時間くらい、いたんじゃないですかね」
――満喫というか、完全に「回復」できますよね。いろんなものが。
「はい。『つぼや』さんには、そもそも1日がかりっていう覚悟で行きますけど、その価値は全然あると思うんですよ。今回も本当にスッキリできました。やっぱり来てよかったな、って」
――そして、この写真は……コレは「サウナセンター」さんですね。
「あぁ、そうですね。コレは『燻製カレー』と『目玉焼き』です、食堂の(笑)」
――旨いですよね。僕は生姜焼きとかハムエッグとかを頼みがちですけど。ミーハーなので。
「いや、僕も頼みますよ。そのどっちも好きですけど、この時はこのオーダーでした。
最近、『サウナセンター』は何回かちょこちょこ行っていて。やっぱり平日の昼間とかで時間ができた時に」
――改めてお聞きしますが、いかがでしたか?
「まぁ、最高ですよね(笑)」
――ですね。
「まずサウナ室は……僕は最上段に座るんですけど、やっぱりいい熱さですよね。天井の近さもいいですし。あの空間、やっぱりいいですよね。
水風呂も少し浅いけど、相当に冷たいじゃないですか。あのサウナ室の熱さからの、あの水風呂。本当に気持ちいいです。いつもめっちゃ平べったくなって(笑)、気持ち良くなってます」
――はい(笑)。
「あと最近は、あの風鈴がめちゃくちゃいいな、って。水風呂のすぐそばの、休憩用のベンチ横に吊るされている」
――あぁ、いいですよね。チリンチリ〜ン♪、って。
「はい。めっちゃくちゃ良かったです。ビジュアル的にも耳に届く音としても。なんだか本当に安らぐんですよ。最近は、3セットしたら、そのうち2セットは必ずあの風鈴の横で休憩してますね。もう1セットはペンギンルーム(クールダウンのための冷たい部屋)って感じで」
――「つぼや」さんと「サウナセンター」。共通してるのは安心感とかやさしい雰囲気ですよね。
「そうですね。『サウナセンター』でいえば、さりげなく麦茶とか塩とかも置いてくれているじゃないですか。アレもめちゃくちゃ好きなんですよ。他の施設でサービスしてくれるデトックスウォーターとかも嫌いじゃないですけど……あの冷たい麦茶が一番好きかもしれないです」
――やさしさ、シンプルさ。それと言い方は難しいけど……ちょうどいい親しみやすさ? も心地よさの秘密かもしれないですね。
「それですね。まさに、そこらへんにホッとさせられるっていうのはありますよね」
野球をやっていて良かった(!?) 「神戸クアハウス」との出会い
――そして、こちらは「神戸クアハウス」の写真ですね。
「はい。本当につい最近なんですけど、メンテナンスで神戸へ行ったんですね。三宮まで出て、少しじかんがあったので、『神戸サウナ』(「神戸サウナ&スパ」)に行こうかなって思って、向かったんです」
――はい。
「そうしたら、目の前を高校球児だと思うんですけど、そのチームの子たちが歩いていて。たぶんコーチや監督らしき人もいたんですが、その団体が『神戸サウナ』へ入って行ったんです」
――やばいじゃないですか(笑)。面が割れてるかもしれない。
「なんとなく、ちょっと『う〜ん』と。考えすぎかもしれないけど、たしかに野球をやっている人たちだと、その可能性はなくもないな、とも思いまして、今日はやめておこうかな、と……。それで『神戸クアハウス』に行ったんです」
――いや、たぶん知られています!
「でも、良かったです。実は『神戸クアハウス』には行ったことがなかったので」
――エッ、そうなんですか? 意外です!
「なんか、『神戸サウナ』も好きなので、神戸に行った時はついいつもそっちに行っていたんですよね。もちろん、『クアハウス』も気にはなっていたんですが」
――“良かったです”ということは……気に入られましたね。
「いやぁ、すごい良かったです。まずは館内に入った瞬間から、あの雰囲気も好きだし、足元の絨毯がめっちゃ柔らかくて『いいなぁ』って思わされて」
――はい。「神戸クアハウス」も、「つぼや」「サウナセンター」と同じ匂いというか、味わい系の施設ですね。ほっとする安心感。親しみやすい癒し系。
「ですよね。ロッカールームの雰囲気も、浴室全体の感じやサウナ室も、完全に僕の好みでしたし、何よりあの水風呂がたまらなくて……。なんですかね、あの、肌にまとわりついてくる水質。めちゃくちゃ気持ち良くて。ずっと入ってました」
――どの感想も完全同意です。あの水質は……たぶん嫌いっていう人は世の中に一人もいないと思います!
「サウナ室の熱さも、そんなに温度が高いわけではないけど、なんだかちょうどいい感じの熱さで。湿度もそこそこあるじゃないですか。気持ちよかったですし、サウナ室の前面がガラスで、あの水風呂が見えるのもすごくいいなって。
それで、十分にあたたまって、あの水風呂に全身を浸かる。あの水風呂に入っているだけで、休憩すら出来るんじゃないかなって思いました。まぁ、近くにイスもたくさんあったし、屋上の露天スペースで外気浴もできたので、ちゃんと休憩もしましたけど(笑)。もう何回も何回も繰り返しました。
あとは、サウナ室に座っていたらマット交換のタイミングにぶつかって。座っていた方が一斉に立ち上がって、スタッフの方と見事に連携して手際良く作業されてるのも、ちょっと感動しましたね。僕も、初めてだったので最初は出遅れたけど、見よう見まねでお手伝いさせてもらいました(笑)」
――あぁ、それも「味わい系」施設あるあるですよね。常連さんとスタッフのいい感じの関係性というか。
「いやぁ、本当にあらゆる感じで気に入ってしまって。帰りにも寄りたいなって思ったくらいで。結局、新幹線の時間もあって行かれなかったですけど、またすぐにでも行きたいくらいです。次に神戸に行った時は、たぶん『神戸サウナ』と『クアハウス』で迷うんじゃないかな(笑)」
――あはは、それもめちゃくちゃ分かります! でも今回は高校生たちに感謝かもしれないですね。
「マジでそうです。あのチームのおかげで、『クアハウス』を知れたので(笑)。
やっぱり、気持ち良くてやさしいサウナ施設は最高です。新しいところも好きだけど、そういう店に行くことでまたさらに、老舗の施設のいいところを再発見できた気もしますね」
1988年4月11日生まれ。富山県出身。右投右打。滑川高から中部大、東京ガスを経て、2013年ドラフト1位で千葉ロッテに入団。2014年に新人王。2016年に最優秀防御率のタイトルを獲得。ストレート、シンカー、カーブ、スライダー、フォーク等多彩な球種と精緻な制球力を武器に活躍。