老若男女、どんな人でも……ここなら一日中くつろげるはず!
前回記事およびここまでで記してきた通り、この「ゆるうむ」は、サウナ室も浴槽も広々として数や種類も多彩なのですが、浴後に休憩するエリアに関しても、ゆったりとしたスペースが実にたくさん! かつ、さまざまな形態で用意されています。
なかでも、まず最初に特筆しておきたいのが、浴室を出てすぐのところ、更衣室ロッカーのすぐそばにある「小休憩エリア」とでも呼びたくなるスポット。
浴室エリアに外気浴と内気浴ができるスペースが十分にある上に、ここにもこんなスポットが用意されているんです。
浴後にあらためて飲み物を片手にゆっくりと座りたい、なんていう時にも便利ですし、(扇風機もあるので)なんならサウナのルーティーンの合間に水風呂から出てここで体を休めるなんていうことも可能ですよね。
加えて、女性浴室側には(女性側のみなのですが)……更衣室から外の廊下に出る前に、こんなスペースも設けられています。
本格的なリクライニングソファが、こんなにもズラリと!!
浴後に異性の目を気にすることなく、本当にすっぴんのまま、ゆっくりとくつろぐことができるエリアがあるというのは女性にとってうれしいのではないでしょうか?
ちなみに浴後に着用する館内着は、生地が厚くてモコモコふわふわな素材でできた(まるでジェラピケかと思うほどに!)快適なポンチョタイプの上衣とパンツ。これを身につければ、サウナやお風呂であたたまった身体が冷たくなることはなかなかありません。
もちろん、浴室&更衣室エリアを出ても、館内の至るところに身体を休めるスペースがあります。
1階の広いスペースには、やわらかな布素材でできたリクライニングチェアや、親子連れで寝られるほど広いソファベッドに加え、ちょっとした作業ができそうなテーブル席が。
階段横や廊下にも、こんなソファがあったり。
2階は、さらにバラエティーに富んだラインアップです。
いったい何畳あるか分からないほど広く、“ゴロ寝”もしたい放題(?)な、畳敷きの休憩ルーム。
気の合う仲間同士でおしゃべりしたり、作業やちょっとしたミーティングもできる小上がりの部屋(足元は掘りごたつ式)。
さらにさらに。パーテーションで仕切られた“個室感”のあるスペースに……。
1万冊を軽く超えるコミックや雑誌に囲まれた、リビングスペース。
かと思えば、隣との間にちょうどいい間隔をキープしつつ、ハンモックが並んでいたり。
廊下の壁に、こんな小部屋とも呼べそうなボックス席があったり。
ガーデンテラスを望める、陽光の入るエリアには、コンセントが各席に用意されたワーキングスペースがズラっと並んでいます。
ココ、私も何度も利用させていただいています。煮詰まったら、読み込まない程度にマンガ読んだり、サウナに入ったり。気分転換も存分にしちゃっていますが。
「静かに身体を休めるもよし。マンガをじっくり読みふけるも良し。もちろんお仕事をなさってもOKです! 絵本なども用意させていただいて、小さなお子さま用にクッションを敷き詰めたエリアもあります。老若男女、お一人でも、ご家族やご友人同士でも。どんなお客様も、それぞれお好みの場所でお好みの過ごし方をしていただければ嬉しいですね」
「サウナめし」も日々進化中! さらに今春、オリジナルのクラフトビールも登場!!
2階のさまざまな休憩スペースは、それぞれ建物の壁や窓に沿うような配置でレイアウトされています。そしてフロアのセンターにドーンと広がっているのがレストランエリアです。広く、そして席数も……たくさん!
施設名に「SPA&ごはん」と銘打たれている通り、「ごはん」にも力が入っていることは上の写真で見ても、伝わるのではないでしょうか。
五穀米を用いたり野菜がたっぷり載ったプレートは、まるでカフェごはんのようですし、ハーブピクルスのポットがあったりもします。また、茨城・水戸ならではの「ご当地メニュー」というか、変わり種(?)も! 写真左の「納豆とんかつ」なんて他では見たことがありませんが、これが意外にも(と言ったら失礼かもしれませんが)美味しいのです!
ほかにも、もつ鍋や自家製細麺のラーメン、そば、うどんにカレーと、いわゆる「サウナめし」っぽいメニューはオープン時から一通りスタンバイ。さらには、次々に新メニューも開発されていて、訪ねるたびに驚きが待っていたりするので訪問された折には、ぜひ覗いてみてほしいと思います。
ちなみに、オープン後に追加されて(私個人の主観ですが)嬉しかった&美味しかったのが「石焼麻婆豆腐チャーハン」です。
このルックスでお分かりかもしれませんが、アツアツの石焼きボウルに入ったチャーハンに花山椒がピリッと効いた麻婆豆腐をかけると……ロウリュのように「ジュワ〜ッ」と音&風味が広がって、楽しさ&旨さがUPするんです!
同様に、海鮮あんかけを“ロウリュ”する「石焼海鮮あんかけチャーハン」というのもあって、こちらも次回はチャレンジしてみたいな、なんて。
いずれにしても、石焼きボウルの中が、白いごはんではなく、チャーハンというのも、サウナ好きの嗜好をかなり奥深く研究してもらっているような気がして、うれしくなってしまうんですよね。
「通常メニューももちろん美味しいものを増やしていきたいと思っていますが、季節ごとに、それぞれ旬の素材を生かしたものをご提供したりもしたいと思っています。
ほかにも、イベント的に、地域の人気飲食店の方に来ていただいて調理していただいたり、茨城や水戸ならではの美味しいものをたくさん楽しんでいただく。そんな場にできたらとも考えています」
“やりたいことはたくさんあるんです”と優しく微笑む小河原さん。その言葉どおり、施設全体で次々にアップデートが繰り返されている「ゆるうむ」。飲食のサービスに関しても、この春、また大きなチャレンジが予定されているそうです。
「これはオープンには間に合わなかったんですが、サウナやお風呂の後に美味しく飲んでもらえるクラフトビールをつくって、お出ししたいなと思っていたんです。それで、ブルワリー(醸造所)の準備を、進めていました。
現在、ご提供に向けて、引き続き最終準備しているところになります。近日中に実際に製造を始められれば……おそらく4月には楽しんでいただけるようになると思うんですよね」
長く愛される施設でありたい。そのためにも皆さんと一緒に施設をつくっていきたい
つくづく感じるのが、わずか3カ月前にオープンした施設とは思えないほどの、ハード・ソフト両面の“進化”ぶり。上述したレストランでのメニュー考案もそうですし、給水器の設置や、熱いサウナ室の床面の対策といった細かな改善。加えて、サウナ室でのアウフグース、ウィスキングなどのサービスやトリートメントの始動なども……。
“心から楽しんでもらいたい、くつろぎの時間を過ごしてほしいーー”。“そのためには、何をすればいいかーー”。
利用者への、そんな一念がここまで伝わってくる施設には、こちらも通いたくなってしまうというものです。
「来ていただいた方に、少しでも“癒された”と感じていただけたら、と思いながらの毎日だったんですが、あっという間に3カ月が過ぎました。初めのうちはサウナ室の温度や湿度の設定にも試行錯誤を繰り返しましたが、お客様のご意見を聞いたり、一生懸命勉強して最近ようやく少し安定してきたかなと思ってはいるのですが(笑)。
あの大きなタワーサウナをはじめ、以前の施設から良いものは引き継ぎ、生かしつつ、時代のニーズにあった新しいアイデアや心地よさはどんどん取り入れていければと。
『皆さんにとって、心身ともにゆっくり休める場でありたい』ということ。そして『皆さんに長く愛される施設でありたい』。その2つをこれからも大切に、スタッフ一同、前に進んでいきたいと思っています。そのためにも、これからも、お客様とのコミュニケーションを大切にして、一緒にいい施設、いいサウナをつくりあげられたらいいなと思っています」
さて。
「ゆるうむ」という施設名には、いくつもの“思い”が込められているそうです。
記してきたように、心身の健康や美に有用な「ボタニカル(植物)」を大きなコンセプトの一つとして掲げている「ゆるうむ」ですが水戸を代表する植物=梅(プラム)のフィンランド語が「Luumu」。
その“るうむ”という響きと、“湯”を組み合わせた言葉。さらには、身体や心を緩ませる=“ゆるむ”という語感や、お風呂をイメージさせる“湯 ROOM”といった造語など、さまざまな言葉が複合した屋号なんだそうです。
実にピッタリかつ素敵な名前を持ち、あたたかさと“進化”を提供し続けてくれているこの施設さん。
やっぱり、しばらくはちょっと目が離せないな(もちろんいい意味で)……そう思わせてくれるサウナ屋さんの一つなのです。
SPA&ごはん ゆるうむ
住所:茨城県水戸市小吹町2624-1
営業時間:年中無休、前10:00〜翌前9:00(※深1:00〜5:00はサウナ休止)
料金:ゆるうむコース(時間制限なし。特典付き)[大人]平日=1,780円 土日祝=1,880円 [小人]平日780円 土日祝880円 / ほか120分コース、90分コース、60分コース、朝風呂コース等、各種コースあり(※深1:00〜5:00利用時は深夜料金追加。平日=+2,000円 土日祝=+2,200円)。※本文では触れられませんでしたが、「宿泊棟」にも、個別のサウナ室があります
撮影/長谷繁郎