最大人数13人のコンパクトな施設ながら、2つのサウナ室に、2つの水風呂、休憩スペースもしっかり確保された名古屋の超狭小サウナ「SAUNA.」(サウナドット)。施設全体をご案内した第1回に続く今回は、設備の細かい点までチェックしてお伝えします。コンパクトな敷地にはぎゅっと詰め込まれた工夫の数々が……。サウナ愛がひしひしと伝わってくる、サウナ好きへの配慮が感じられる点をクローズアップ! 独自の魅力に迫ります。
人をメロメロにするサウナ室「ヘロヘロ」とは
ケロ材が使用された受付と清潔感のあるロッカールームを抜けると浴室へ。シャワースペースでしっかり身を清めて、いざサウナ室! すぐそこにあるドアが第1サウナ室「ヘロヘロ」への入り口です。段違いに並ぶこのサウナストーブこそが、サウナ室の名前の由来になったHelo(ヘロ)の電気式ヒーター。ヘロヘロに足を踏み入れると、左手にサウナストーブ、右手に2段のベンチと両側にそびえ立っています。
Helo(ヘロ)はフィンランドのサウナメーカーで、1950年代にMetos(メトス)からの依頼でサウナヒーターを供給したことがサウナ事業の始まり。その後、Heloのブランドでサウナヒーターの販売を展開。社名はHeloからTylöHeloとなり、22年にはSauna360 Group Oyに。Metosが日本総代理店としてHeloブランドのサウナストーブを販売しています。
第1サウナ室「ヘロヘロ」に設置されているサウナストーブはHeloの電気式サウナヒーター・ROCHE(ロシェ)。100kgものストーンがぎっしりと積み上げられています。熱気の対流を計算し、サウナ室内にくまなく熱が行きわたるように、高さ違いで2基を設置。
サウナ室の温度設定は96℃。毎時00分と30分に交互のストーブでオートロウリュが行われます。たっぷりのサウナストーンの1個1個がしっかり熱を帯びているため、室内は常に一定の温度に保たれていて、オートロウリュではぐわっと体感温度が上がる快感がたまりません。オートロウリュで噴出される水を漏らさずに、しっかりとサウナストーンが受け切れるように噴出口の高さを調整。サウナストーブを設置した当初は位置が高すぎて、水が周囲に散らばることもあったため、設置工事をやり直し。トライ&エラーの末に、ベストな高さを決めたんだとか。
オーダーメードの長いすは背もたれの角度と高さが絶妙
サウナ室のベンチは2段で、サウナストーブの対面に。熱気を真正面から受け止めることができます。熱めが好きなサウナ好きが満足できるはず。座って蒸されるだけでなく、サウナ室の奥にはロフトがあり、上段と下段でからだを伸ばしてくつろげるようになっています。
ロフトの上段はベッドのよう。木の枕を設置。寝そべることで、足の先までじっくりと温めることができます。全身均等に熱さが行きわたる感覚が味わえます。
下段には、からだを横たえつつも、真横になるわけではなく、座っているのともまた違う、絶妙な角度になっている木製の長いすが。オーダーメードで、ベストな背もたれの角度、座面の高さを計算して仕上げたという唯一無二の椅子。周りの空気全体が熱せられていて、全身がじわじわと温まり、熱を帯びてくるような肌心地がします。
ロフトからは、ガラス越しに第2サウナ室が見え、中の様子がうかがえます。それが第2サウナ室「ケロパッチ」。出入口は第1サウナ室の中にあります。「ヘロヘロ」から「ケロパッチ」へ。サウナ室からサウナ室に移動する、これが限られたスペースを有効活用できるよう工夫された「SAUNA.」の特徴であるサウナ・イン・サウナなのです。