
2022年春に群馬県前橋で1号店(前橋本店)が開業した「毎日サウナ」。薪ストーブのやわらかな熱、ストーブの窓からのぞく燃えさかる炎、薪が爆ぜる音と香ばしい匂い。そしてアウフグース……。
サウナ室ひとつとっても、訪れる利用客の“五感”を徹底的に満足させる姿勢がアツく支持され、翌年12月には早くも2号店が東京・八王子に誕生。ますますその名がサウナ好きの間で轟くように。
そしてこの5月に埼玉・越谷にオープンしたのが、3号店となる「毎日サウナ 越谷店」。ホームページに記されている「あなたの近所に1つ」の言葉どおりの快進撃はサウナ好きを大いに沸かせたが、オープンと前後するようにもうひとつ驚きのビッグニュースももたらされた。
あの「サウナ東京」と「毎日サウナ」がなんと“合併”したという。そして、この「越谷店」には、「前橋本店」「八王子店」の2店舗で培ってきた施設づくりの知見、ノウハウはもちろんのこと、「サウナ東京」との連携の成果も盛り込まれているというのだ。
もう、ワクワクが止まらない! そんな思いを胸に訪れてみると……そこにはちょっとレベチな光景と気持ちよさが!! 6月30日に発売した「SAUNA BROS.vol.10」でもたくさんの写真とともに紹介しているが、この「SAUNA BROS.WEB」でも、その圧巻ぶりをリポートしていこう。
神々しさすら感じるサウナ室&巨大薪ストーブ! 絶妙なアツさをつくり出す新兵器も!

まずは何をおいてもサウナ室について紹介したい。とにかくスゴい! 扉を開いた瞬間、目の前に広がる空間の大きさに圧倒される。2段になった座面は定員35人と言われているが、もう少し……40人くらいは座れそうなほどの広大さ。そして限りなく“ほど良い”調光。雰囲気がもうたまらない。
この広いスペースをくまなくアツい空気で満たすのが巨大な薪ストーブ。大きな「窓」からのぞく炎の揺らめきだけでなく、バルブやノズルが付設されたメカニックなビジュアルにも心くすぐられる。なんというか、神々しさすら感じてしまう。

ベンチに腰を下ろすと、たちまち分厚いアツさに頭から足先まですっぽり包まれる。実はストーブに付設されている装置は、温度と湿度を絶妙に管理する、その名も「スチームジェネレーター」という“新兵器”。ストーブから伸びたノズルから熱い蒸気を総重量660キロという満載のストーンに射出しているのだ。

「『毎日サウナ』は、お客さんとの距離感が近いことが武器だと思っているんです。感想を気楽に話してくださるから、すぐにアップデートして、より良い施設に“成長させてもらえる”というか。今回は、前橋本店や八王子店での経験や、さまざまな要望。そして僕たちの理想を反映して現状での最高到達点を目指したんです。
その中でも最もこだわったものの一つが、このストーブですね。この大きさのサウナ室をつくることになり、これまでも薪ストーブを特注でお願いしてきたケンズメタルワークさんに、あらためてオーダーしました。ケンズメタルワークさん的にも、僕たちとしても……史上最大規模のストーブなんです。
そこにさらに、八王子店で実績のあったスチームジェネレーターを『さらに大きくて強力なものを』とmadsaunistさんに相談して、搭載したんです」(「毎日サウナ」営業支援部長 兼 前橋本店支配人・横山真也さん)


「最高到達点」を目指すこだわりが随所に。空間の美しさもたまらない
パワフルだけどまったく苦しくないーーこの快適なアツさは、ストーブ以外にもさまざまなこだわりが生み出したもの。たとえばそれは余計な熱の放出を許さない「二重扉」。

その一方で、必要以上に湿度が高くならないよう、換気(給気と排気)も計算し尽くされている。炎が燃え盛るストーブの真裏を覗いてみると、フレッシュエアーを取り込む給気孔があり、また、ベンチの下など見えないところに、いくつもの排気孔があるそう。熱気と蒸気がまさに絶妙に、常時、室内を対流しているのだ。

「本当に“最強”と言ってもいいくらいの出力があるストーブなんですよ。だから、本気で薪を焚いたら、この広さでもきっと150℃くらいとかの温度にだって出来ると思います。
ただ、だからこそ、くべる薪の量だったり、くべ方や燃やし方、それとスチームジェネレーターだけに頼り切らない湿度管理などにはめちゃくちゃ気を使ってます。ホントに少しでもうっかり目を離すと、(ストーブが)ヘソを曲げて、あっという間に温度がおかしなことにもなることもあるので。
温度と湿度のバランスは人の出入りによっても変わるので、やっぱり薪ストーブの管理、調整はめちゃくちゃ難しいなって毎日のように思います。ただ、逆にそこが醍醐味でもあるんですけどね。ストーブやサウナ室から離れられるのは10分が限界。本当に、しょっ中、ストーブの前に来ては自分の肌感を信じて調整しています(笑)」(「毎日サウナ」越谷店支配人・佐々木渉さん)

薪ストーブの熱への「毎日サウナ」へのこだわりとともに、ベンチの下に仕込まれた雰囲気のある調光などは「サウナ東京」のスタイリッシュさも感じさせる。
百聞は一見に如かず。とにかくこのサウナ室は、ぜひ自分の体……五感で味わってみてほしい。
