銭湯&サウナの新しいあり方を目指して/東京・錦糸町「黄金湯」②

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錦糸町から新宿へ。黄金湯に匹敵する心地よい空間が、2026年春に爆誕!

最後に記しておきたいのですが、実は都内にもう1軒、黄金湯の姉妹店があります。新宿区にある「金沢浴場」がその銭湯。最寄駅は地下鉄(東京メトロ副都心線/都営大江戸線)の「東新宿」になるのですが、歌舞伎町や新大久保、早稲田エリアにもほど近い小さな路地にたたずんでいます。

こちらも昭和39年(1964)の創業といいますから、やはり古き良き「街の銭湯」です。数年前に一度、長期休業に入ったのですが、朋子さんいわく「浅からぬご縁があった」ことから、’23年から経営を引き継ぐことにしたそうです。

近くにこんな井戸がまだいくつもあるほど、この地域は良質な地下水に恵まれているそうで、お風呂やカラン、シャワーのお湯も水も、とてもやわらかくて気持ちいいのですが……現在は再び営業休止中です。


「やっぱり、配管などの老朽化もあって、今のままでは続けられないかなということで……。ただ、やっぱり銭湯を残していきたいので、地域の常連の皆さんにはご不便をおかけしますが、思い切って大きな改装をすることにしたんです。この6月に営業を休止し、重機を入れて、今は内部をいったんスケルトンにしています」(朋子さん)

これまでは浴槽が3つ(あつ湯、バイブラ風呂、竹垣で囲まれた石張りの浴槽)あるだけのシンプルな浴室でしたが、来年の3月にはフルリノベーションを経て生まれ変わった“シン・金沢浴場”が完成予定。良質な水や湯はそのままに、新たにサウナ設備が加わるという、我々サウナ好きにとっては本当にうれしいリニューアルになります。

「今までの(金沢浴場の)スタイルでも良かったんですが、やっぱりサウナがあった方が私たちらしいですからね(笑)。それと、黄金湯のリニューアルのときも同じ発想だったんですが、銭湯を残して続けていくには、まずはお客さんに来ていただかないといけないので。気持ちのいいサウナを含めて、お客さんに本当に喜んでもらえるお風呂屋さんにしないとダメなんです。
もう、どんな家にもお風呂がある時代ですから。ここに来ることで気持ちがゆったりしたり、豊かになれる……金沢浴場も、あらためてそんな場所にしたいなって思ってるんです」
(朋子さん)

心に秘めたこだわりや利用客への思いなどを、デザイン・設計を依頼した建築家さん(国内外で話題のプロジェクトや大きな商業施設なども手がけている方です。きっと名前を知っている人も多いはず!)にじっくりと伝えたそうです。



これまで錦糸町・押上エリアで続けられてきた、新保さんご夫妻の「新たな銭湯づくり、銭湯サウナづくり」のチャレンジ。

肩肘張ってないけれど気持ちのいい空間のつくり方からはじまり、求められているものを察知して実現したり、“本当に美味しいと思ってもらいたい”というこだわりだったり……ひょっとしたら気付かれないかもしれないほどさりげないけれど、徹底されている「気持ちよく過ごしてもらう」「楽しんでもらう」ための気配りが積み重ねられて、地域の人たちに愛され、遠方や海外からもたくさんの人を引き寄せる場をつくり出していると感じます。

はたしてこの東新宿ではいったいどんな施設が生まれるのでしょうか。


東新宿の空の下にも最高の空間が!
う〜ん、来春の完成が待ちきれません!!

いやぁ。黄金湯、そして姉妹店からは……今後も本当に目が離せません。これからも随時、最新情報を取材&リポートさせていただきたいと思います!


撮影/長谷繁郎、編集部



黄金湯
■住所=東京都墨田区太平4-14-6 ■定休日=毎月第2、第4月曜
■営業時間=(平日および日・祝)前6:00〜9:00、前11:00〜深0:30 (土)前6:00〜9:00、後3:00〜深0:30
※水曜は男女入れ替え
■料金=入浴料(550円)+サウナ料金([平日]男性:550円、女性:350円/[土日祝]男性:600円、女性:400円)
 
※そのほかの情報は公式インスタグラム(@koganeyu1010)、公式X(@koganeyu1)や公式HPをご確認ください

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