銭湯&サウナの新しいあり方を目指して/東京・錦糸町「黄金湯」②

サウナに入ったあとに(ことに、めちゃくちゃ気持ち良いサウナ浴を過ごしたあとには尚更のこと)、皆さん、こんなことを思ったことがあるはずです。

「あ〜、気持ち良すぎて、なんかお腹へっちゃったなぁ……」

「ふぅ〜。もうこのまま寝ちゃいたい!」

さて。この夏発行の「SAUNA BROS.vol.10」で掲載した、「銭湯サウナ」の巻頭大特集。サウナ付き銭湯の数が圧倒的に多い東京など都市圏が多くはなりましたが、全国の気持ちいい銭湯サウナ、ほっとする銭湯サウナを37軒、掲載させていただいています。
その最初のページを飾っていただいているのが、東京・錦糸町の「黄金湯」。創業からおよそ1世紀近く、近隣の人々をあたため続けてきた老舗銭湯は、2020年夏にサウナを軸にした大幅なリノベーションを敢行し、リニューアルオープン。以降もさらなるアップデート(設備などのハード面も、サービスなどのソフト面も)を繰り返し、いまなお“従来の銭湯サウナ”の常識をはるかに超えた進化を続けています。

その最たるものが、サウナ後、入浴後にそのまま泊まれたり、素材やレシピから徹底的にこだわった美味しいごはんを食べられるといった、浴後のチルタイムを快適に過ごせるスペースを浴室の階上に設けてくれていることではないでしょうか。

前回記事(←未読の方はぜひあわせてお読みください)では、サウナ室や水風呂など入浴設備を中心に魅力をあらためて紹介しましたが、この記事では、黄金湯ならではの浴後の楽しみ……「サウナ好き・銭湯好きに徹底的に寄り添ったサービス」についてリポートしましょう。

目次

サウナでゆるんだ心身がさらにうるおう。緑あふれるチルな空間へ

大きな引き戸を開いて入館する黄金湯。入浴やサウナの利用時はまず靴やサンダルを脱いで下足箱に入れますが、実はフロントの脇に、履きもののまま上れる階段があります。そう、ここが階上への入口。浴後にさらなるうるおいの時間を過ごせる場所がこの先に広がっています!

階段を上り、2階に出るとこんな光景が! 奥に小さく見える窓が、フードやドリンクを注文すると作ってくれる「コガネキッチン」のカウンター。向かって左手の室内スペースが、それらを食べたり飲んだり話したり……ゆっくりのんびり過ごすことができる「ラウンジ」です。

それにしても、グリーンが視界に入るとやっぱり気持ちが安らぎますね。いっぱいに茂っているローズマリー。

アガベにアロエに、シンボルツリー的なオリーブ。

ビカクシダなんかもあちらこちらにハンギングされています。

どれも、冬でも葉が青々としている常緑の植物たち。きっと意図してセレクトされているんでしょう。
いじられ過ぎず、ほど良くワイルドだけど、しっかりと手入れされたエバーグリーン。う〜ん。いいですねぇ。気分が落ち着く一方で、いつの間にか元気がもらえる気がします。

黄色いレトロな冷蔵庫がまた、この空間の雰囲気にしっくりハマってます。見ているとますます気持ちがゆるんで、サウナを出た直後よりも、なんだかさらにお腹がへってくる気がするから不思議なものです(笑)。


ラウンジの雰囲気もいいんですよね。階下同様の、コンクリート打ちっぱなしのシンプルさ。一見、無機質ですが、バルコニーガーデンの緑が視界に入ると、空間全体の開放感が一気にアップする気が。そして、かえってどこかあたたかみ、やさしさを感じたりもするからこれまた不思議。

キッチンで頼んだものを飲食できるだけでなく、宿泊者はチェックアウトまでこのスペースで過ごすことも可能。ときにはイベントなどもここで開催されます。

気持ちよかったサウナからの「延長タイム」に、こんな空間でのんびり&まったりとできるシアワセ。ぜひ体感していただきたいです。

「このまま寝たい」「朝ウナもしたい」……そんな望みにも応えます

ほんのちょっとだけ時を戻して……2階のドアを開いたところで左に曲がってみると、そこにあるのがサウナ後にそのまま泊まれるドミトリースタイルの「お部屋」。そう「黄金湯 お宿」です。

和タイプ=畳敷きの小上がりにふんわりとした布団が用意されたスペースと、洋タイプ=シモンズベッドが置かれたスペースの2つのパターンがあります。

見るからに着心地のいい館内着に、タオル類なども用意されているから、身ひとつで来ちゃうも良し。逆に、畳の下(ベッドの下)に広い空間が用意されているので、キャリーなどの大きな荷物があっても安心です。

設備としてはシンプルというか限りなくミニマルですが、電源コンセントやUSBの充電口などはしっかり完備。小さなデスクもあるので、黄金湯でのリフレッシュ後に不意にやる気が出たら、ちょっとした作業がこの「お部屋」内で出来ちゃうのもうれしいですね。

通常午後4時からのチェックイン(※季節、時季により異なる場合あり。予約時にご確認を)以降は、チェックアウトまで階下の黄金湯のお風呂にもサウナにも入り放題。この「お宿」がオープンした’22年3月からは、黄金湯の午前6時からの早朝営業もスタートしたので、いわゆる「朝湯」「朝サウナ」ももちろん楽しめます(朝営業は午前9時まで。「お宿」のチェックアウトは午前10時まで)。

黄金湯では毎週水曜は男湯と女湯が入れ替えになります。ということは、火曜日にチェックインして水曜にチェックアウト、もしくは水曜日にチェックインして木曜にチェックアウトすれば……男湯の大きな「麦飯石オートロウリュサウナ」と女湯の「セルフロウリュサウナ」の両方を夜と翌朝にかけて体験できちゃうのもうれしいですね!

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