一般公開NG。ボートレーサー御用達、平和島宿舎のサウナに潜入!

SAUNA BROS.WEBの連載でもおなじみプロ野球・千葉ロッテマリーンズの石川歩投手やフィギュアスケーターの友野一希選手など、サウナ好きアスリートは大勢いらっしゃいますが、所属する選手のほとんどがサウナのお世話になっているのでは……と言われているスポーツが、公営競技のひとつであるボートレース。それにしても、一体なぜ……?

そこで取材班は、その秘密に迫るべく2023年10月に新築されたボートレース平和島(東京都大田区)の選手宿舎に、特別な許可を得て潜入。一般には知られることのない宿舎の内部、ボートレースの舞台裏を取材させていただきました。

目次

選手宿舎での過酷な生活とは?

「水上のテーマパーク」などと呼ばれ、近年は女子会やデートスポットとしても人気のボートレース場。今回おじゃました平和島をはじめ、東京都内には3カ所(ほか江戸川、多摩川)、全国には合わせて24カ所ものボートレース場があります。

ボートレースは、同じく公営競技で土日開催のみの中央競馬とは異なり、平日を含めた4~6日間の連続開催が原則(荒天などの理由で中止・順延があれば、それ以上の日数)。レースに出場する選手は、開催日前日に行われる前日検査(通称“前検”)からレース場に入ります(原則12時までに到着、ナイター開催の場合は16時)、身体検査や持ち物チェックを受け、開催期間の終了までレース場と宿舎で過ごします。

なお、公共交通機関のダイヤの乱れがない限り、前検への遅刻は1秒でも許されません。万が一間に合わなかった場合は褒賞懲戒審議会にかけられ、レースへの出場停止などの重い処分を科せられることに……。

今回、案内してくれた日本モーターボート競走会の方によれば「公営競技は公正・安全が何よりも優先されるため、選手は厳しい管理のもとに置かれます。スマートフォンやパソコンなどの通信機器を管理担当に預け、宿舎からの外出はもちろん、家族との連絡も緊急時などを除いて禁止されています」とのこと。

つまりは、外部との接触が禁じられたなか、前検日を含めた5~7日間は、レース場と宿舎を往復するだけのストイックな生活が続くわけです。また、「万全の状態でレースに臨めるよう、選手は厳しく自分を律しています。開催期間中は、体力はもちろん、精神的にもハードな毎日が続きます」(以下、すべて競走会)。

レース開催中は外部との接触が一切、断たれる公営競技。厳しくツラそうな毎日ですが、公平を期するため、そして、不正防止のためにはやむを得ませんね。

楽しいハズの食事なのに実は……

「ボートレース平和島では、夏季(5月から8月)を除けば16時30分くらいが最終レースとなります(夏季は1時間繰り下げ)。レース終了後、選手は宿舎に帰り、消灯となる22時まで、食事・入浴および自由時間となります」。

普段は滅多に入ることのできない選手宿舎は、建材の匂いがほのかに香るくらい真新しく、どこも清潔で、ちょっとしたビジネスホテルのような雰囲気。

「畳敷きの大部屋だった旧選手宿舎から、共同の居間が付いた半個室の3人または4人部屋となりました。旧宿舎とは違ってプライベートが守られているため、選手もリラックスできているようです」。

続けて案内された食堂は、ざっと40名からが座れる広さ。入口には朝・昼・夕の開催期間中のメニューが貼られていました。

ちなみに、取材をしたとある1日のメニューは、夕食のメインが牛肉の塩だれ炒め。大皿が、サゴシの中華風蒲焼、豚肉と野菜のトマトカレー煮。サイドメニューがナムル3種盛り、筑前煮、カニクリームコロッケなど、激しいレースを終えた後であるからか、肉・野菜が中心のリカバリーに適したメニューがズラリ。

昼食は、Aランチ・豆腐ハンバーグ柚子胡椒おろしソース、Bランチ・ビビンバのほか、味噌バター風味コーンラーメン、ジャージャー麺風。レース中だけに、連日ともすぐにエネルギーに変わる炭水化物が多めのメニューが並びます。すべてに、カロリーと栄養素も書かれているところはさすが。

すべては体重調整にかかっている

しかし、管理された宿舎での生活では食事が唯一の楽しみなのかと思いきや、実は違い……バリエーションに富んだメニューを平らげる選手は意外に少ないそう。

「ボートレースは選手の体重が勝敗を大きく左右します。男性レーサーは52㎏、女性レーサーは47㎏という最低体重があるため、みんな計量値ギリギリの体重で出走したいわけです。どの選手も、体重調整には神経を使っています」。

ボートレーサーは成績上位からA1・A2・B1・B2の4つの級に分けられていて、級が上がるほどグレードも賞金も高いレース(SG・GⅠ・GⅡ ・GⅢ・一般戦の順)に出場することができるため、体重調整を怠るわけにはいきません。前検日から、すでに戦いは始まっているのです。

後半では、「選手の体重調整に欠かせない」という大浴場へ。平和島新選手宿舎ご自慢のサウナを拝見します。

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