幾何学的サウナ室の後に富士山&山中湖絶景ビューで浸る/CYCL

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建築美とアロマの香り。五感を刺激しまくる富士山の溶岩下サウナ

初めて訪問した施設のサウナ室へ入る前の心のたかぶりは、何にも代え難いものがあります。これが正面から見た、サウナ室へと続く扉。どこを切り撮っても、本当にかっこいい……!

いざ、サウナ室へ。広い……。いい香り……。ほの暗さがたまらない……。すぐに、五感が刺激されまくります。センターには、セルフロウリュが可能な「HARVIA」製の高出力ストーブが。四角ではなく円柱の形が、まろやかな雰囲気を作り出しています。

さっと見渡すと、2段ある。どこに座ろうかな。やはり最初は、一番上の角へ。座面の奥行きが広くとられているため、いろいろな体制で座ってみることができるのもぜいたくな気分になります。広さ的には3段設計も可能だったそうですが、ゆったりと座るために、あえて2段としたんだとか。

「CYCL」は、フィンランドのサウナに魅せられたオーナーが、サウナを交流の場と捉えるカルチャーに共感し、「会話を楽しむ」というコンセプトで作られています。ストーブを囲んで、ぽつりぽつり、会話をしながらのサウニング。たまりません。

とはいえ、ちょうどいい距離感もキープされているため、ひとりの世界に没頭することもできます。男女混浴のためサウナ室内のほのかな暗さもちゃんと計算されており、顔やボディラインがほぼ見えないようになっているのも、うれしい配慮です。

目から入ってくる建築の美しさも、すばらしい。見上げた天井に織りなされる多角形の模様は、2階の展望ラウンジへとつながっています。ちなみに2階の展望ラウンジは富士山の形を模しており、その直下は富士山の溶岩=サウナ室という意味合いもあるとか。なるほど、おもしろい。多角形が規則的なのか、不規則的なのか、そんなことを考えながら、じんわりと蒸されていきます。

セットごとにいろいろと座る場所を変えて、その場所ならではの趣を楽しむのも、サウナのオツな楽しみかた。天井の形状が不規則であるため、座る場所によっての温度の体感も変わります。一番熱いのが、吸気口があるため空気がまわりやすい右奥の2段目だそう。1段目にも座ってみましたが、しっかりと温まります。ちなみに扉側の場所だと、扉の奥の外気浴スペースから見える富士山の姿がちらり!

サウナ室内には、12分計も砂時計もありません。自分の心地よさだけを頼りに、温まります。この写真に見えるのは、温度計。温度はだいたい85〜90℃に設定されているそうです。実際に入った体感は、それよりも少し熱いと感じるほど。それは、しっかりと湿度があるから。サウナ室を構成するヒバの木が呼吸をしているため、どんどん熱を吸い、湿度が高くなるそうです。まさに「生きているサ室」。ヒバの香りが充満して、なんとも心地よくなります。

湿度が欲しいな……と感じたら、まわりに一言声がけをしてセルフロウリュを。

ジュワーッというロウリュ音と、滴るしずく。「CYCL」では採光もデザインの一部と捉えられているんだろうなあ、と思わず感心してしまうぐらい、アロマ水が美しく照らされます。エモい。

じわじわと蒸されていきます。ああ、幸せ。ここに来てよかった……。なんてことを考えながら、感じるままに、思うままに。

富士の天然水をオーバーフローで頭の先から足先まで感じる幸せ

じっくりと蒸されたら、お待ちかねの水風呂へ。この瞬間が、サ活のハイライト。楽しみな時間があちこちに散りばめているからこそ、サウナってやめられません。「CYCL」はコンパクトに作られている分、導線も抜群です。

サウナ室を出たら、男性は左側ののれんを、女性は右側ののれんをくぐって、水風呂へGO。サウナ室は男女共有でも、水風呂やシャワーは男女別というのに、うれしい配慮を感じます。汗を流し、地下から汲み上げた掛け流しの天然水がふんだんに供給された水風呂に、ドボン。

ただでさえフルに入っているので、もちろん体を預けるとオーバーフロー。ジャバジャバと流れる水流や水温が、火照った体に心地よく響きます。水深120cmと深く、頭のてっぺんまで心おきなく、潜りました。全身で感じられる水風呂って、最高。

「CYCL」ではまだ真冬を迎えていないため、もしかしたら真冬はシングルも期待できるかも、とのこと! 天然水なので、もちろん飲むことだってできます。ペットボトルや水筒の持ち込みも、OKだそう。

温度が低めでも、天然水だけにキーンとした痛みは全然ありません。真夏に川で遊んでいるような気持ちよさ! 体に羽衣をまとうまで、ふぅーっと深呼吸しながら、じんわりと冷やします。ゆらゆらと揺れる水面にも癒やされつつ、しっかりとクールダウンしたところで、よし、外気浴へ。

富士山が目前に迫ってくる。こんなととのい体験は初めてだ

サウナ室前にミネラルウォーターが常備されているので、ここで水分補給をしてから休憩スペースへ。外気浴もできますが、ここの長ベンチでも休むことができます。

最近思うのですが、そよ風を浴びながらの外気浴にまさるものはない……と思いながら内気浴をしてみると、意外にその良さに気づくことがあります。内気浴は、目や耳から得る情報量が少ない分、より自分と向き合うことができる気がするんです。サウナとは、人それぞれ、そのときそれぞれの、楽しみかたがあります。その楽しみを見いだすという意味でも、固定観念にとらわれず、いろいろな場所で休憩してみる、ということを試みてみるのも、おもしろいかも。

ウォーターサーバーひとつとっても、ミニマルなデザイン。「CYCL」のブランディングが徹底されているのが、こういった細かい部分に見てとることができます。もちろん水は、富士山の地下水から汲み上げた湧水。まるで食堂の形が分かるように、すっと体に入ってきます。この水分補給も、サ活中に幸せを感じられる瞬間のひとつです。

休憩用の椅子に座ったら、ちゃんと流せるようにシャワーも絶妙な位置に設置されています。こういった「かゆい所に手が届く」設備が、オーナーのサウナ好きが伝わってくるポイントだったりするんですよね。

休憩スペースは男女それぞれ水風呂の奥にあり、すだれで仕切られており、男女で分けられています。ただ、外でつながっているので、カップルで来た場合などは、隣同志の椅子で休憩するのもアリ。

インフィニティーチェアーで、宇宙に飛んでしまいましょう。ああ、気持ちいい……。幸せ……。ととのいの時間は、どんなサウナでももちろん味わえる幸せなのですが、「CYCL」の特徴は、なんといっても目の前に富士山が広がっていること! この景色を味わえるサウナは、唯一無二です。

半目を開けて、富士山を遠目に眺める。富士山って壮大だな、日々のちっぽけな悩みなんてどうってことないな、なんてことを考えながら。富士山って、どうしてこんなに左右対称なんだろう……という、ぶっとんだ思考になっていくのも気持ちよく受け入れつつ、至高の時間を満喫します。

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