JR九州ホテルブラッサム大分と同じ建物の19〜21階にある「CITY SPA てんくう」。大分県近郊のみならず、全国のサウナファンが行きたいサウナとして名をあげる、高い人気を誇る施設です。そんな「CITY SPA てんくう」をSAUNA BROS.WEBで独占取材させていただきました!
◆高層階ならではの景観…だけではない! 計算された“気持ち良さ”
「CITY SPA てんくう」があるのJR大分駅の改札を出て1分の好立地。さらに、併設されている駐車場も多いので、駐車場を探すストレスなく訪れることができます。
建物についたら、エレベーターに乗り19階へ。ホテルような高級感がある受付。ロッカーの鍵とタオルを受け取ったらひとつ上のフロアにある脱衣所へ向かいます。
脱衣所のロッカーも大きめでうれしいサイズです。男性ロッカーよりも女性ロッカーのほうが少し大きいそうです。こういう細かな気配りが“さすが”です。
脱衣所から浴場にはいると目に飛び込んででくるのがこの景色。撮影時は早朝だったためモヤがかかっていますが、晴天時には遠く、別府湾の向こう側まで見えるそうです。この内湯は天然温泉で、地下700メートルからくみ上げている大深度地熱温泉(古代の植物に由来する炭酸ガスを含んだ深層熱水)」。黄褐色で、湯ざわりにとろみのあるのが特徴です。天然の保湿成分といわれるメタケイ酸が豊富に含まれていることも特徴で、「美肌の湯」とも言われているんです。肌ざわりもよく、湯上りのお肌はツルツルでした♪
さらに奥へ行くと見えてくるのがサウナ室! 本場フィンランド産の香花石を使っている本格サウナです。1段ずつの奥行も広めに設計されており(またまた細かい気配りがうれしい)、あぐらスタイルや体育座りスタイルなど、自分のお気に入りのスタイルでじっくりサウナを楽しむことができます。夜は窓から夜景を眺めながらのサウナも。
男女サウナ室ともに、フィンランド産のサウナストーンを使用。11月は毎週木曜日に氷ロウリュ(じっくりと長い時間蒸気がでる)イベントを開催中。詳しくはホームページでご確認を!
サウナから出たらすぐ横に水風呂(動線完璧です!)。男性は1メートルの深さ、女性は80センチで、肩までしっかり浸かれます。しかも、水風呂の中に座面があるんです! 肩まで浸かるために中腰になったりすること、ありますよね。ここは、座るとちょうど肩のあたりまで水に浸かれる設計。またまたこういう細かなところがグッときてしまいます。しかも水風呂に入りながら高層階からの景色も楽しめます。
サウナ室の向かいにあるのがアロマスチームサウナ。「CITY SPA てんくう」は男女ともにアロマスチームサウナがあります。アロマの香りがする細かなスチームは肌あたりが優しく、とても気持ちいいんです。
男性浴場には内気浴ができるととのい椅子が置いてあります。ここでも十分気持ちがいいのですが、オススメは上の階。
20階から階段をあがると……。
ジャジャーン! この見晴らし! 地上80メートルからの景色を見ながらのぜいたくな外気浴ができます。
目を開けば遠くにみえる海と山の美しい景色が飛び込み、目を閉じればすぐ横を走るJRの規則正しい電車の音が聞こえてきます。そしてほほをなでる大分のさわやかな風……。最高の時間が待っています。
女湯は露天に登る階段の下に湯浴み着が置いてあります。この湯浴み着は、着たままお風呂にも入ることができるので、安心して露天風呂エリアを楽しむことができます。
21階の天空露天風呂には「天然温泉」と「高濃度炭酸泉」の2つのお風呂があります。「高濃度炭酸泉」は「高濃度」とうたっているだけあって、お湯1リットルに炭酸ガスを1000ppm以上も溶け込ませてあり、気泡が細かい! 炭酸泉は炭酸ガスの効果によって血管を拡張する効果があるそう。そのため、血行が促進され、体を芯から温めてくれるだけでなく、高血圧や糖尿病などの予防にもいいと言われています。「CITY SPA てんくう」の高濃度炭酸泉は38度と低めなので、露天風呂からの景色もゆっくりたのしめます。気持ちが良くて、いつまでも入っていたくなってしまいます……。
もうひとつ、21階の天空露天風呂エリアには開閉できるおおきな窓がある「てんくうサイドテラス」があります。夏は窓を開けて、外のさわやかな空気を取り入れ、冬場は暖房がついた採暖室に。外気浴で冷えすぎてしまったときは、ここでいったん休憩するのもアリです。
◆リラックスとデトックスのヒーリンスパ
入浴料金にプラス400円で利用することが出来るヒーリングスパ(中学生以上)があります。エリア内は、専用ウェアを着用して楽しみます。まず向かったのが右手一番奥にあるドアの前。「専用ウェアを着て横になるのだから、いわゆる岩盤浴があるんですよね」と思ってトビラを空けたらびっくり! サウナストーンがある! というか、ストーブがあるの!? それも2台!! 私の思っていた岩盤浴とはまるで違っていました。
「ここ、ほとんどサウナだ……」と、思ったら、ちゃんと書いてありました「中温サウナ」と。木造としては九州最大級のサウナ室で、温度は60度前後に保たれており、木の香りのほかに、アロマのいい香りも。ここでサウナヨガのイベントを行うこともあるそうです。
さっそく横になってみるとじっくり包み込むように体が温かくなり、5分で汗がでてきました。10分…15分…汗で着衣がすっかりしっとりしたところで隣りの「クールスパ」へ移動します。
ヒュゥゥゥー。入った途端に冷たい風に吹きつけられ、一気に体を冷やされます。汗に冷風があたり、15度という表示よりも涼しく感じます。私が入った時は人がおらず貸切状態だったので、立ち上がって前面、後面、両サイドと、まんべんなく体に冷風にあてて楽しみました。見た目も涼しく、しっかりクールダウンできました。
「クールスパ」のあとは少し休憩。(つい「あたためる→冷やす→外気浴」のサウナの流れをしたくなってしまいます……)。このヒーリングスパの廊下にはリラックスチェアが数多く設置されており、外のうつろいゆく景色を眺めながらのんびりと過ごすことができます。
廊下を進むとひときわ目を引くラグジュアリーなソファがありました。そのまわりには新書、小説、コミック、雑誌……たくさんの本が置いてあります。さまざまなジャンルの本があるので、背表紙のタイトルを見ているだけでも楽しめます。
さらに進むと一番奥にあるのが「てんくうラウンジ」です。各チェア、オットマンとサイドチェストつき。タブレットの貸し出しサービスもあり、大分の絶景をながめながら、自分だけの時間を過ごすことができます。友達や家族と訪れたときにも、こういう場所があると助かりますね。
「てんくうラウンジ」を出てヒーリングスパの最後に向かったのは岩盤浴の「アロマソルトスパ」。ほんのり温かくて幻想的な室内。タオルを敷いて横になります。すると……地面からゆっくりやさしい温かさが伝わってきて、じっくり体をあたためてくれます。しばらく横になっていると、足の指先までしっかりぽかぽかに。やがてじんわり汗も出始め、デトックス効果が期待できます。
◆「ななつ星」を手掛けた日本を代表する水戸岡鋭治のデザイン
これまで施設の中を紹介してきましたが、どこを見ても落ち着いた洗練されたデザインでした。実は「CITY SPA てんくう」は、JR九州「ななつ星」や、西九州新幹線「かもめ」を手掛けた水戸岡鋭治氏がデザインをしています。水戸岡氏といえば、和洋・新旧を折衷した重厚さと、組子細工のデザインが特徴です。「CITY SPA てんくう」内にも水戸岡氏の特徴あるデザインが散りばめられているので、それらを見つけるのもまた、楽しみのひとつになりますよ。
取材をしてみて、サウナ好きから「行って良かった」「行ってみたい」という声が多い理由がわかりました。施設が好立地で高層階だから景色がいいというだけでなく、全体を通して漂うラグジュアリー感、設備のよさ、さらにこまかな気配り(これが大事!)があちらこちらに施されていました。洗礼されつつも、利用者への心遣いが散りばめられている……。遠方から訪れても「わざわざ来てよかった」と思わせてくれる、期待を裏切らない施設でした。また大分へ行きたい!
【CITY SPA てんくう】
■住所:大分県大分市要町1番14号JR大分駅直結 JRおおいたシティ19F-21F
■電話:097-513-2641
■営業時間:前11:00~深0:00(ヒーリングプラン最終受付 後11:00、入浴ブラン 後11:30)/JR九州ホテルブラッサム大分宿泊利用者専用時間 前6:00~9:30
■料金:ヒーリングプラン2,000円(中学生以上) 入浴プラン1,600円(小人900円) 特別料金有
※詳しくは公式ホームページをご確認ください
撮影/岡本武志 取材・文/編集部