小さな街のホテルにもこんな素敵なサウナ、そして思わぬ初体験が
この集中連載も、もう8回目。今さらですが、フィンランドの素晴らしいところは、どんな街のどんなホテルへ行っても、(ほぼ)絶対にしっかりとしたサウナがあることです。
フォルッサでの宿泊先のホテルにも、それはもう立派なサウナ室がありました。

まぁ、日本のホテルでいうところの「大浴場」にあたるわけではあるのですが、この規模のサウナ室が、人口1万7,000人のけっして大きくはない街の3階建てのホテルにあるんです。さすがは本場の国ですよね!
汗流しのシャワーはもちろんのこと、

こちらのジャグジーバスにはお湯ではなくなんと水が張ってあって(その日だけかもしれませんが……!)、ロウリュで心身ともにごきげんになった「これ、水風呂じゃん!」と、私たち一行が感激したのは言うまでもありません。

棚なんかも、かなりカッコよくて。やはりフィンランドという国のセンスの良さ、ポテンシャルの高さに驚かされます。

そして旅の醍醐味と言えば、これまで見たことがないものに出会うことですが……このホテルでも、そうした出会いがありました!
なんとエレベーターが、“自分の手で開閉するドア”タイプの扉でした!

写真ではちょっとわかりづらいでしょうか? 思わず映像も撮ってしまったので、よろしければぜひご覧ください!!
フォルッサの「HOTEL FABRIK」。とても楽しかったです。
ユヴァスキュラのホテルにも、素晴らしいサウナがありました

郊外の街のホテルの記憶といえば……湖水地方の街ユヴァスキュラの「HOTEL ALBA」のサウナも素晴らしかったです。

湖のほとりに佇むホテルなのですが、共用のサウナ室の窓からも静かな湖面やその奥に広がる森を眺めることができ、なんとも穏やかな蒸され時間を楽しむことができます。

もちろん、すぐにその湖にかかる桟橋&デッキに出ることもでき、涼やかな風を浴びながらの外気浴休憩が可能。

何事も「自己責任」の国、フィンランドですから……おそらく湖面に入ってもいいのではないかと思います。
こんなに大きな個別サウナ室付きの客室もあって、やはり全室がレイクビュー。

どのサウナ室もストーブはもちろんのこと、ロウリュ用の桶やラドルなど、ほとんどのアイテムがHARVIA製。なんと共用サウナ室のドアやベンチに至るまでHARVIAのプレートが付いていました。


いやはや、すごいなHARVIA。ベンチも手掛けてるんだ!
調べてみたら、HARVIAの本社はユヴァスキュラにあるんですね!!
世界最大のストーブメーカーのお膝元にある、この隠れ家的ホテルサウナも、もしお近くまで行かれるた際には……ぜひ訪れてみては?
「世界サウナ首都」タンペレで、心地よい風に吹かれつつ再訪を決意!

フィンランド第3の都市にして、フィンランドサウナ協会が「世界サウナ首都」宣言をしたことでも知られるタンペレ。同国内に現存する最古の公衆サウナ「ラヤポルッティ・サウナ」に、「カウピンオヤ・サウナ」「クーマ・サウナ」といった新旧のサウナ施設の名は皆さんも耳にしたことがあるのでは?
実は今回は旅程の都合などもあって、そうしたタンペレ市内の施設への訪問を泣く泣くあきらめたのですが、逆に旅程の都合もあって、長居はできないものの同市に1泊するチャンスが飛び込んできまして。
そこで数あるホテルの中でも「Lapland Hotels Arena」にお邪魔することになったんです。やったぜ!
同ホテルをチョイスした理由はさまざまあるのですが、決め手の一つは高層ホテルのルーフトップ(屋上)に、湖水のきらめく街を見渡せる男女別の共用サウナがあること。

そのサウナ室がこちらです(男性用)。強力な特大ikiストーブがセンターに鎮座し、ロウリュの回り方も実にパワフル。

陽光とともに、思う存分その蒸気を浴びたら、外に出てクールダウンします。
エコファーンのチェアに身をゆだねると、爽やかな涼風が体の火照りを静かに取り払ってくれますね。

共用サウナのみならず、個別にサウナが用意された部屋も多数用意されていて、ラグジュアリーな空間に居ながらサウナ浴を愉しむなんていうぜいたくも味わうことができてしまいます。

部屋にあるサウナ。なんてデラックス!

こんな立派なサウナが……!
もしまたフィンランドに来ることができたなら……いや、絶対に再び来たいけれど、そのときにはタンペレに腰を据えて滞在しよう! そして再度、このホテルも“拠点”として利用したい! そんな思いを強く抱いてしまったのでした。
おまけ:スーパーマーケットや街のレストランで感じたフィンランドあれこれ

最後に、というか、おまけ的にフィンランドの街で気づいたことや感じたことをいくつか記してみたいと思います。
ノーBGM
サウナ室は、どこの施設も無音でいわゆるBGMなどは一切なし。それは前情報として知っていましたし、フィンランドのサウナは何より「会話を楽しむ社交の場」でもあるので驚きなどはなかったのですが、街の中の店舗や公共の場所でもBGMがほぼ無かったような気がします。
個人を尊重するお国柄がこういう部分にもあらわれているのかな、なんて思いました。文化の違いって本当に面白いですね。でも、個人的には悪くないなと感じました!
マーケットにて①
異国での楽しみの一つが、地元のスーパーマーケット巡りという方、いらっしゃいませんか? フィンランドでは「Kスーパーマーケット」と「Sスーパーマーケット」というチェーンが人気のようで、とくにヘルシンキでは本当にこの2軒の看板をよく見ました(というか、それ以外は見なかった気もします)。それにしても、フィンランドではいろんなモノやコトがシンプルですが、店名が一文字違うだけ(あるいは店名が一文字だけともいえる!?)って……これはシンプルが過ぎませんか?

マーケットにて②
そんなスーパーの店内では、まずソーセージの数と種類に驚きました! また、近くの棚にあったミートボールもやっぱり気になっちゃいましたね。マッカラ!

野菜の種類や売り場スペースの感じは、パッと見たところ日本とあまり変わらないかもしれません。いや、日本の方が種類は多いかなぁ? ただ、よくよく観察するとハーブなんかは「苗」の形で売っていたりして、それは面白かったですね。

一番の違いは、パッキングされたもの以外は、どれも量り売りのようです。必要なだけカゴに入れたり、横に設置されているビニール袋に入れたりして精算するスタイル。実に合理的で、いいですよねぇ。

ソウルフード
サーモンやジャガイモの料理、とくにサーモンのスープは、たいていのレストランで頼めるようですね。そして、それぞれお店ごとに特徴があり、毎食のようにオーダーしても全然飽きません!(個人の感想です。もちろん人によってお好みや差はあるでしょうが)


パン系では、シナモンロールや黒パンが有名ですが、おそらく誰もがハマってしまうのがカレリアパイ。ミルク粥っぽいお米を包んだパンで、ちょっとした“ごちそうパン”なんだそうですが……とにかくめっちゃ美味でハマること間違いなしです(個人の感想です)。こちらもホテルやお店ごとにちょっとずつ味や形状が異なってるのも興味深く、毎朝のように食べまくっていました。

ちょっとずつ違うけれど、どれも美味い。ソウルフードというか「国民食」的な存在って、きっとどこの国でもそういうものなんでしょうね。ラーメンとかカレーもそうじゃないですか。
撮影/佐藤佑一、編集部