フィンランドサウナ旅⑦自由で楽しくエコ。おとぎの国のような森へ

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どんな形状だって、どんな材質だって……サウナは造れる!

ツリーハウスサウナから降りてみると、そこにはこんなサウナ室が。この材質は……いわゆるビニールハウスですかね?

「ポリ塩化ビニールを使った、テントみたいな、いわゆるビニールハウスさ。透明だから『スウィンギング・サウナ』同様、外の景観も見られる上に、こっちはほら、屋根も透明だから空も見えれば星だって仰げるんだ(笑)。
サウナはどんな材質で造ったっていいんだよ。テントのサウナだって布じゃないか。熱はちゃんとこもるし、保温力だって意外にもかなりしっかりあるからね。
なお、このサウナ室の最もいいところは、すごく早く安く造れるところさ。1週間足らず……たった数日で造ったんだ!(笑)」(ミッコさん)

なんと、あるとき思いつきで、この中でジャガイモを育ててみたこともあるんだとか。いやはや、面白くて無邪気。会話していてもとにかく笑顔が絶えないご夫婦です。



ほかにも、とてもコンパクトなサウナ小屋が木陰にひっそりあると思ったら
「実は敷地内を移動できるように、下にタイヤが付いてるんだよ。この庭の中の、自分の好きな場所でサウナに入りたいときに便利なモバイルサウナさ。これが一番小さいサウナ室だから、一番アツく出来るのも実はこのモバイルサウナ。背中を丸めて出てくるから『背中サウナ』って呼んでるんだ」(ミッコさん)


さらには究極のエコ(!?)なサウナ小屋も発見!

「このサウナ小屋のストーブは、『木質ペレット』を燃やすタイプなんだ。木工場で出た端材や樹皮などの木から出た“木のゴミ”を細かく粉砕したうえで圧縮してつくった再生燃料さ。
ほら、このボックスから自動的にストーブの中に落ちて、くべられていくんだ。無駄がないだろ。こういうことも重要だと思っているんだ」(ミッコさん)

ハイ、これがペレットです

まだまだアイデアは尽きない。サウナはやっぱり素晴らしいもの

全部で7種のサウナ室。そしてやはりお手製のガッシングシャワーなど、見て回るだけでも実にワクワク。存分にサウナを楽しんだあとには、メインハウスの中で、リーナさんが腕によりをかけた料理を味わうことも! サーモンや肉料理、焼き目のついたチーズ……。家庭料理のようなやさしくほのぼのとした味わいは、一日の終わりをほっこりと締めてくれます。

サーモンスープやカレリアパイなども
めっちゃウマし!

「実はまだまだ他にも新たなサウナのアイデアは常に思い浮かんでいるけれど(笑)、ちょっと実現するのはストップしているんだ。リクエストされればサウナ室をあたためなくてはならないけれど、これ以上増えてしまうと、現実的に、運営がとても大変になってしまうからね(笑)。
ただ、来てくれた人が驚いたり、楽しんでくれるのはとてもうれしいから、そこがとても悩ましいところなんです」(ミッコさん)



「サウナは、やっぱりとても素晴らしいもの」と語るご夫妻。だからこそ、心の底から楽しんでもらい、いろんな不調をなくしてほしいのだ、と。

心も体もすっかりほぐすことができて、いつの間にか自分にも、人にも、自然にもやさしくなっている……。変にこだわったり飾ったりすることなく、ただ純粋に、ピュアに楽しくなれる。笑顔も幸せもそして大切な環境も“循環”する場所。


この国のサウナの、なんとも素敵な、かつ奥深い一面をあらためて思い知らされるーー。そんな気にさせられた施設でした。


撮影/佐藤佑一、編集部

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