フィンランドサウナ旅⑥街もサウナも心安らぎ胸躍る @ヘルシンキ

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「アッラス・シー・プール」でととのったら、街歩きをスタート!

「アッラス・シー・プール」はヘルシンキの人気スポットが集中するエリアにあるのですが……サウナ好きにとってはかなりうれしいポイントです。サウナの前後にアクセス良く、さまざまな場所を訪ねることができますから。

まずは対岸にある「マーケット広場」。その名の通り、さまざまなお店が軒を連ねる青空市場で、野菜や果物などもあれば観光客向けのお土産店やカフェなども。

すぐそばには1889年から営業しているというヘルシンキ最古の屋内マーケット「オールド・マーケットホール」もあり、こちらには肉や魚、チーズといった食材を扱うお店もずらり。市場って、地元の方々の暮らしの雰囲気に触れることもできるから、やっぱり楽しいんですよね。


歩いて数分の場所には、古くからのヘルシンキのシンボルといっても過言ではない、絶対に訪れたい場所のひとつ「ヘルシンキ大聖堂」がそびえ立ちます。

真っ白な外壁とグリーンのドームが青空に映えまくり。その美しさには思わず見惚れてしまいます。

中に入れば高い天井にパイプオルガン。内装がシンプルで華美すぎないのはフィンランドっぽい気もします。いいですね……。

建物の前の広場や階段には多くの人が腰掛けて談笑する姿が。祈りの場でもあり、市民の憩いの場にもなっているのかもしれません。

便利なトラムやバスに、うらやましい図書館。フィンランド、本当に豊かな国です

湖水地方やラップランドをはじめ、フィンランド国内各地へ向かう長距離列車の発着地「ヘルシンキ中央駅」も、2018年にオープンした新たな街のランドマーク「ヘルシンキ中央図書館 オーディ」も徒歩圏内。ただ、市内はトラム(路面電車)やバス、地下鉄など公共交通機関がとても便利に運行しているので、それらを使うと、もっとあっという間に移動することができます。

トラムのシートは……路線図!?
本当に細かく市内をカバーしてます
気軽に利用できるシェアサイクルや
電動キックボードのポートも街のあちこちに

さて、その「ヘルシンキ中央図書館 オーディ」も、訪ねてみてとても良かったスポット。なんというか……図書館の概念が変わりました。

まずはその外観の素晴らしさ。巨大すぎて全貌はとても写真では押さえられませんでした。これ(上画像)はごく一部分なんですが……でも、これだけでも気になりませんか? もしよければ「ヘルシンキ oodi」と打ち込んで、画像検索してみてください!

内装のデザインもとてもお洒落で、かつ機能性に優れています。メインフロアの3階には世界中から厳選された10万冊の蔵書がとてもわかりやすく陳列され、利用者は傾斜になったフロア面に直接座ったり、館内のあちこちにあるイスに座ってそれらを読んだり、PCに向かっていたり。


この美しい螺旋階段で2階に降りると、そこには広い談笑用のフリースペースに、市民なら誰でも自由に無料で使える(※要予約)あらゆるジャンルのプロ仕様の機材がズラリ。3Dプリンター、ミシン、裁断機……などなどが所狭しと並んでいます。

また、やはり無料で開放されているゲーミングルームや、ドラムセット、ピアノ、最新機材などもある音楽スタジオで楽しそうにプレイする人々も。


市民の「図書館」であり、「リビングルーム」であり、「スタジオ」「アトリエ」でもあるんですね。くつろげるだけじゃなく、夢や志さえあればクリエイティブなことができる場がすべての人に向けて開かれている。

お金がなくても「第一歩」を踏み出せる。可能性を応援してくれる……。

なんて素敵な場所、そして素敵なお国柄なんでしょうか。

思いたったらすぐに“海上ピクニック”にも! 世界遺産の島で馳せる思い

徒歩やトラムで行かれる地上のスポットだけじゃありません。「アッラス・シー・プール」があるマーケット広場の埠頭からは、世界遺産としても知られる「スオメンリンナ」などヘルシンキ湾に浮かぶ島々を結ぶフェリーや水上バスなども発着しています。

「森と湖の国」と称されるフィンランドは「群島の国」でもあります。大小あわせれば、その数はなんと18万。ヘルシンキ湾内にもおよそ300もの島が存在するそうです。

スオメンリンナはそんな島々の中でも外洋に面したエリアにある、外敵からの「要塞」でもあった島。

マーケット広場から船に乗っておよそ15分。高い壁に囲まれたその島影が見えてきます。この「要塞」が築かれ始めたのは1748年。ロシアに対する守りを固めるため、当時フィンランドを支配していたスウェーデン王の命により、隣り合う6つの島々を結ぶ形で海上の砦が40年の歳月をかけて建設されました。

こんなにも分厚く造られた石壁。

砲台は外洋に“にらみ”をきかせます。

あれは、弾薬庫でしょうか。それとも、あそこに身を隠したのでしょうか。アンティークな雰囲気とともに往時の緊張感みたいなものも少し感じますね。


防御する際に死角ができないよう、島々全体にわたって全長約8キロもの城壁がぐるりと築かれた堅固な要塞島。しかし1809年に、スウェーデンに代わりロシアに支配されると、1917年にロシア革命を経てフィンランドが独立を果たすまでは、今度はロシアの要塞として使用されたそうです。


このフィンランドという国が、2つの大国の間で翻弄されてきた歴史などに思いを馳せられる場所です。一方、現在は美しい緑の中に教会やレストランやカフェなども点在していて、その穏やかな雰囲気に、どこか平和の大切さを感じられる場所でもあります。
1991年に世界文化遺産に登録。世界各国からの観光客のみならず、ヘルシンキ市民もしばしばピクニックなどに訪れる、やはり身近な憩いの地になっているようです。

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