フィンランドサウナ旅③極北の…まさに聖地「スモークサウナの村」

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守りたくなる魅力と、それを実行するサウナ愛。どちらにも感謝と敬意を!

実は今回、私たちは、施設のご好意もあって平日に特別にお邪魔させていただいたのですが(本当に、本当にkiitosです!)、こちらは本来、夏季(5〜9月)の土曜日が営業日。記してきたように、棟によっては7〜8時間の準備が必要なことから、午後4時にオープンになります。

その時間になると、たくさんの人が思い思いに、それぞれお目当てのスモークサウナを覗いては楽しみ、また次のスモークサウナに移っていくそう。その様は、まるでRPGのようなんだとか。

ちょっと想像して、とても愉快でピースフルな気持ちになりました。と同時に、この施設を運営、継続しておられるサイヤさんら「フィンランドサウナ文化協会」の皆さんに感謝と畏敬の念を抱かざるを得ません。


実はこの「サウナ ヴィレッジ」は、全土からの移築や修繕にかかる費用も、管理、準備する人員も、わずか15ユーロの入場料のほかはすべて寄付とボランティアで賄っているそう。

「もちろん簡単なことではありません。でも、フィンランド人にとってサウナは自分の生活の一部というか、『当たり前のもの』ですし、それと同時に『最も大切なもの』でもあるのです。

そして、フィンランドのサウナの重要な概念は『みんなでシェアするもの』だということ。古来よりサウナは、家族はもちろんのこと、性別や年代、立場なども全く関係なく、みんなが集って同じベンチに座って、同じ蒸気を浴びる場所だったんですね。

そうした素晴らしい文化や伝統を失わずに、ずっとシェアしていく……そのままのかたちで伝えていくことは、チャレンジングだけど、絶対に必要なこと。これからも誇りを持って続けていきたいと思っています」(サイヤさん)。

ふと見ると、新たなスモークサウナの移築作業を笑顔で行っているスタッフさんたちの姿がありました。1軒の移築に、短くておよそ3〜4カ月ほどはかかるそうです。

スモークサウナの魅力。そしてそれを「生きたかたち」で守り、伝えてくれる人たちの思いに、あらためて心まで……すっかりあたたまったのでした。

サイヤさん(右)と、やはり施設を手伝っていらっしゃる
こばやしあやなさん(左)にご案内いただきました! キートス♪

撮影/佐藤佑一、編集部

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