事前に言われなければ、この不思議な「造形物」がサウナなんて、誰も思わないのでは? 

瀬戸内海に浮かぶ「現代アートの聖地」とも呼ばれる直島に、2022年10月にオープンした、この「巻き貝」状の衝撃的なサウナへ行ってきました!

このサウナ、一体、何で造られていると思いますか。そして、その体感は――? 

12月20日に発売した「SAUNA BROS.vol.5」にもたくさんの写真とともに特集記事を掲載していますが、その体験リポートをあらためて公開します!

◆アートの島の海沿いに見えてきたのは……巨大な「巻き貝」!

今回、私たちは本州=岡山側から直島へ向かいました(四国=香川側からも行くことができます)。 

JR岡山駅から40分ほど車を走らせ、宇野港に到着(バスや電車=公共交通機関でも1時間ほど)。そこからフェリーで約20分ほど潮風を浴びながら洋上を進み、直島の宮浦港に着いたら……もうこの「SANA MANE」までは徒歩でも10分足らずです!

海沿いの道を進み、少し遠くからそのフォルムを目にしても、すぐ目の前で見上げても(近寄るとかなり巨大なことにビックリします!)、やっぱりサウナにはとても思えないんですよね。

思わず見上げる大きさ! 空がキレイです!!

まず、何でできているかですが……。遠くから見て、土のようにも籐のようにも見えるその「壁」は、なんと木! 板を重ねて作られていました!

1200枚もの合板素材を約5000ほどのピースにカットし、それを少しずつズラすように層状に積み重ねることで、このような美しい「うねり」が生まれているんだそうです。陽光を浴びて陰影が生まれ、時々刻々、さまざまな表情を見せてくれます。う~ん、美しい。

その名も「SAZAE」と名付けられたこのサウナ。設計を担当したのは隈研吾建築都市設計事務所。ご自身もサウナ好きで知られる同事務所のクマタイチさんが手掛けられたそうで、なるほど、このアートな島にふさわしい外観にも納得です。建築物としても、めちゃくちゃ面白いですし、中が一体どうなっているのかも気になります。

と、ここでスタッフさんから、サウナの監修をされたのはあの「TTNE」だともうかがい、さらに期待が高まります! もう……すぐにでも入りたい気分に!!

◆高い天井から降りそそぐ、やわらかな光と熱

らせん状の入口を直観的に(吸い込まれるように)進みます

ゆるやかにつま先上がりになっていく、らせん状のスロープを進み室内に入ると、そこもまた不思議な空間でした。天井というか巻き貝状の頂点に設けられた天窓から陽光が差し込んでくるんですね。この光量が絶妙! 少し目を閉じていると……次の瞬間には、壁の光の当たり具合が微妙に異なっていたりして。なんともいえない「異世界」感がたまりません!!

不思議な空間が、そこにはありました!

独創的な素材と工法ですから、お尻の下も背中があたる部分も絶妙にカーヴィーなラインを描いてくれています。そう、体に心地よくフィットするんですね。「あ、ここがジャストポイントかも!」なんて、ベストポジションを探り当てるのもめちゃくちゃ楽しいです。

この「ウネウネ」が体にキモチイイんです!!

目の前に鎮座するのはHARVIA製のストーブ。よく見てみると、山積みのサウナストーンに側面からオートロウリュが射出! 5~6分に1回ほどと頻度も多いからでしょうか、室温は75~80℃ほどに設定されているそうですが、湿度が十分で、マイルドだけどしっかりとした熱がやさしく体を包み込みます。

側面からのオートロウリュ。目にも楽しいです

腰を落ち着け、目を瞑ること数分。いやぁ、あたたかい熱がひっきりなしに体を撫でてくれているような気がします。実際に……心地よい汗がすぐに出てきました! 実は、この心地よい体感には理由がありました!

なんと、巻き貝の頂上=天窓の付近に換気口と熱を押し下げるシステムを仕込んでいるそうなのです。

光とあたたかさが、まさに……降りそそいできます!!

高い天井から降りてくるのは、陽光だけではありませんでした! そう、やわらかな熱もゆっくり静かに押し下げられてくるんですね。

入口はガラスの二重扉のため、広い空間に満ちた熱は外に逃げることなく室内を循環します。

やわらかな厚手の布サウナマットを層状の「壁」に引っかけ、絶妙な曲線に体を預けていたら……あっという間に時間が経っていました。でも、まだまだここに居られるし汗をかいていられますね。

日没後は、座面下からほどよい光量の間接照明が煌めきます

この室内の光のうつろいや、天井からの風の流れ方などは、幾度もテストと試行錯誤を重ねて作り上げられたそう。その言葉に思わず強く頷いていました。

いやぁ……未知なる体感ですが、とにかく最高の居心地です!