
フィンランドリーグ初のフットボーラーとして活躍中の田中亜土夢選手からSAUNA BROS.編集部へ一報が! 「是非、世界最大級の『ウインターサウナカーニバル』を、SAUNA BROS.さんでもリポートしたいんです」ということで、実現しました。田中選手の熱い思いと詳細な分析を堪能してください!
サウナの国フィンランドで世界最大のサウナのお祭りがついに開催されました!
外気温-20℃以下の中、湖畔に集まった35のサウナをホッピング。狂気とも言えるこのカーニバルに参加した人たちは、フィンランドの中でも生粋のサウナ愛好家たち。サウナを集合場所に集まった参加者との時間は、フィンランド人の優しさとサウナに対する熱狂で包まれていた。
氷点下の街が熱気に包まれた2日間。ポータブルサウナが小都市イカーリネンに大集合

場所はフィンランド南西部に位置するイカーリネンという人口約7000名の小さな街にあるIkaalinen Spa & Resort(以下、イカーリネン スパ アンド リゾート) 。1月30日と31日に開催した「冬のサウナカーニバル」の来場者は500人を超え、国内各地から35のポータブルサウナが大集結。スモークサウナも含むホテルのサウナは10室もあり、合わせるとサウナだけで45個! にのぼった。
これだけのサウナの数は世界最大級だ。そしてこのイベントではおそらくフィンランドではじめて、アウフグースがプログラムに組み込まれた。-20度を下回る寒さの中、フィンランドの小さな街がサウナの熱気と湯気でホカホカに温まった2日間となった。
イカーリネン スパ アンド リゾートはサウナ界隈の方々には有名なフィンランドのサウナ首都でお馴染みのタンペレから更に約45分北西に車を走らせた先にある。まさにフィンランドらしい美しい湖畔に位置する大型のホテルだ。2025年にフィンランドではじめてアウフグースが体験できる新エリア「UTU」がオープンした。アウフギーサーが常駐するはじめてのフィンランドのサウナ施設だろう。1月末の週末、フィンランドのサウナ界に新しい風を起こしているイカーリネンで、初めてのサウナの祭り、世界最大級「ウインターサウナカーニバル」が盛大に行われた。

真っ白な煙の下にサウナハットが大集合。サンダルと水着で極寒を遊び尽くす
湖畔に並べられた35個のポータブルサウナはお祭りを彩り、来場者を高揚感に包み込んだ。-20度を下回る中、各ポータブルサウナから真っ白な煙がモクモクと空へ伸びていく。そしてその周りを体に煙を纏った人々が交差し、凍った湖に身を委ねる。ここに集った人々は、間違いなく狂気のサウナ好き。普通なら、素肌が空気に触れるだけで痛みを感じる程の本気のフィンランドの冬に、サンダルと水着で歩き回り、極め付けにアヴァントを楽しんでしまうのだから。そしてフィンランドでは珍しくここに集ったサウナラヴァー達の多くはサウナハットを被っていた。フィンランドでサウナハットはあまり目にする事がない。その為、公衆サウナでもなかなか会うことのないもう一段上のサウナラヴァー達のコミュニティーに入ったような感覚だった。シンプルに最高だった。全てが本当に楽しかった。外気が-20度以下になると、外にいるよりもアヴァントの水の中の方が温かく感じる。

国内各所からポータブルサウナのオーナーが集結し、その数35! 湖畔に並ぶ個性的なポータブルサウナは見ているだけでも楽しいのだが、扉の先の空間創りも各オーナーのこだわりに溢れている。サウナを介してオーナーの人柄に触れるという、想像以上に楽しいサウナホッピングとなった。ドアのないポータブルサウナ、馬を運ぶトレーラーを改装したサウナ、更にはフィンランドのサマーコテージの定番外付けのトイレをサウナにアレンジしたものまであった。何でもサウナに出来るんだからサウナって面白い。








冬のフィンランドのサウナといえば凍った湖のアヴァントだが、このお祭りの楽しみはもうひとつあった。馬車に乗って湖の上を爆走する。これが絶景と共にぜいたくな、忘れられない体験のひとつになったことはいうまでもない。
世界王者と地元パフォーマーが魅せた「アウフグース」の世界

もうひとつのこのお祭りの見どころはアウフグースだ。今回は2014年の世界チャンピオンも来場し、パフォーマンスが行われた。オーストリアから来た彼のパフォーマンスはフィンランドに関するストーリーが組まれ、起承転結でまとめられており、集まったフィンランド人を楽しませ、盛り上げた。外国人がフィンランドネタをやる面白さ。さすが世界チャンピオン、絶妙なパフォーマンスであった。彼らのパフォーマンスは盛り上がり、楽しむ「動」に対して、イカーリネンに所属する彼らのパフォーマンスはしなやかな強さと美しさを表現する「静」。僕は彼らの美しさ、世界観の心地よさに惚れている。パフォーマー達の後ろには全面ガラス張りの先に凍てつくフィンランドの自然美が広がる。同じ空間にもかかわらず、「動」と「静」という対照的な世界を経験でき、満足度の高い時間となった。そして、人が生み出す世界観やその空間を共にする人々との掛け合いは、僕自身、非常に勉強になった。



2027年にはイカーリネンの「冬のサウナカーニバル」で会いましょう!
このお祭りはどこを切り取っても「どローカル!」。街全体が多国籍な首都ヘルシンキとは、人の空気感がまったく違い、ヘルシンキに住む僕の友人達も驚くようなフィンランドのどローカル文化を存分に体験することができたようだ。
首都と地方はまったく違う。フィンランドに旅するだけでは経験できないローカルな人々との時間は唯一無二だと思うし、最大の魅力だ。人々の集いの中心にサウナがある。人との出会いも、異次元の自然体験も、冬のサウナカーニバルだからなし得ること。





日本の白馬村のように、イカーリネンに日本からたくさんの人がサウナカーニバルを求めて集う。楽しいじゃないか。ホテルオーナーが「来年はギネスの認定員を呼びたくて、連絡を取り合っているんだよ」と言っていたので、もしかすると来年はギネス認定の当事者になるかもしれない。2027年の1月29日と30日、サウナ好きの皆さん、フィンランドのウインターサウナカーニバルで会いましょう。未だかつて経験したことない世界がここには広がっています。

【田中亜土夢(たなか・あとむ】

1987年10月4日生まれ。新潟県出身。Jリーグで活躍した後、フィンランドのトップリーグで初の日本人選手として活躍。現在は、KTP(Kotkan Työväen Palloilijat)所属。背番号は37。幸せの国、サウナの国フィンランドの魅力を伝えるためウェブメディア「MOI SAUNA」を立ち上げる。Xはコチラ!
取材・文=田中亜土夢









