サウナ好き俳優・黒羽麻璃央さんとサウナ施設をめぐる連載「翔ぶ瞬間」。(過去の連載はこちらから!)今回は、連載スタート以来初めてとなるゲストをお招きして、文字通りあつ〜いサウナ&トークを。
気になるゲストは本宮泰風さん! 俳優としては大先輩ながらサウナは「ほぼ初心者」という本宮さんに、黒羽さんが楽しみ方を伝授します。大の銭湯好きではあるものの、もっぱら「風呂専門」、「サウナの“ととのう”って眉唾なんだよね」と語る本宮さんですが果たして…!?
連載初となるゲスト、本宮さんをお迎え
――2013年のスタート以来、シリーズ累計80作品を超える大ヒット任侠ドラマ「日本統一」で主人公の一人、氷室蓮司を演じ続けてきた本宮さんが、連載初のゲストとなります!
黒羽「そうです、初めてお呼びするゲストが本宮さんなんです」
本宮「あ、そうなの? それはそれは、光栄です」
――お二人は、4月12日より公開される「日本統一」の10周年を記念した映画『氷室蓮司』で共演。黒羽さんは、今回、台湾を舞台に奮闘する氷室をサポートする篠原将人役です。
黒羽「氷室さんに昔お世話になった元チンピラの役で、これまで僕が演じてきたどの役とも違いますし、飄々としたキャラクターが新鮮に映ると思います」
――試写を拝見しましたが、誘拐された息子を救うべく台湾へ飛んだ氷室と台湾マフィアによるヒリヒリとする攻防が続く中で、いい感じに緩和剤的な役割を果たしていました。
本宮「麻璃央の出演が決まってから作った役なんですよ。おっしゃる通り、上手く作品の雰囲気を和ませてくれたと思います」
黒羽「ありがとうございます! どうにか本宮さんの力になりたいと思って撮影に参加したのでうれしいですね。僕が出ている作品を観てくださった上で役を作っていただいて。ほかにも、野球のお仕事(黒羽さんがプロデュースする野球×エンターテインメント、『ACTORS☆LEAGUE』)をやっているんですけど、その試合もわざわざ観に来てくださったり。しかも、それを後から人づてに聞いたので、グッとくるものがありました」
本宮「(「日本統一」 シリーズの)プロデューサーも兼ねているためキャスティングにもかかわっているんですが、常々いい役者だなと思っていたんですよ」
――黒羽さんの作品を観た上で、本人には告げずに、こっそりと試合も観に行く。寡黙だけど義に厚い氷室そのままじゃないですか!
本宮「(笑)、いやいや、そんな。ローバジェットの作品は人との繋がりが大事ですから、できる限りのことはしようと思っただけです。麻璃央が出ている作品を観て、こんなふうな芝居ができるんだ。じゃあ、こういう役で…と役をイメージして。映像では人となりまで分からないので、試合を観に行ったんです」
――逆に、黒羽さんは本宮さんにどんなイメージを?
本宮「ロクなもんじゃないだろ?(笑)」
黒羽「いえ、そんなことないですけど…お会いするまでのイメージは、いかつい人…かな? 今まで僕の人生ではかかわらせていただいたことのないような……」
本宮「まあ、そうだろうな。ていうか、めちゃくちゃ言葉選んでないか?」
黒羽「(汗!)いや、なんと言いますか…ひと言で表すなら“漢”ですね。漢字の漢で“オトコ”!」
本宮「分かった、分かった(笑)。ありがとう」
黒羽「でも、その後、撮影で初めてご一緒して、そことのギャップにやられましたね。主役で出番も多いのに、常に周りを気づかわれている優しい人柄とか。甘いものがお好きなところとか。ポケットから何を取り出すのかな……と身構えたら、グミが出てくるところとか(笑)」
本宮「あとハイチュウね」
黒羽「野球の話になると子どもに戻る、野球小僧なところも、いい意味でのギャップでした」
――野球といえば、本宮さんも野球好きで、ご自身のチームもお持ちですよね?
本宮「今年からウチのチームに麻璃央が加入することが決まりました」
――お、ドライチ(ドラフト1位)ですね!
黒羽「期待の星っスね!」
本宮「別に指名したわけじゃないですけど、“今度遊びに来る?”くらいの感じです」
黒羽「野球好きという共通点のほかにも、いろんな好みが似ていて。食の好みも似てましたよね? 台湾のロケでも『これ、おいしいですね!』って僕が言うと、本宮さんもお好きだったり。お互い香草類とかは苦手だったり」
本宮「二人とも酒を飲まないところも同じ」
黒羽「コーラばかり飲まれてましたよね?」
本宮「コーラ、大好きなんだよ。冷蔵庫で切らしたことがないくらい」
サウナの魅力を黒羽さんが伝授することに
――今回はサウナのお話もお聞きしたいのですが、マネージャーさんの情報によりますと、本宮さんは普段そんなにサウナに入られないとか?
本宮「そうですね。街の銭湯が大好きでよく行くんですけど、もっぱら風呂専門で」
――意外ですよね。「日本統一」シリーズに出演されていた白竜さんしかり、俳優さんにはサウナ好きが多い印象がありますが。
本宮「白竜さんはサウナ、お好きですよね。しょっちゅう行かれてますもんね」
黒羽「本宮さんは普段、どこに行かれるんですか?」
本宮「銭湯、スーパー銭湯、どこでも行くけど、学芸大の『(サウナ&スポーツジム&カプセル)ミナミ』とか高井戸の『美しの湯』とか。『美しの湯』では片桐竜次さん(※『相棒』の内村刑事部長役で有名)とよく会うね。あそこはスポーツジムもあるから、会員になってる役者が結構いるんだよ」
黒羽「『美しの湯』はサウナ室も内風呂も広いので、僕もたまに行きます」
本宮「天然温泉だから泉質もいいんだよね」
黒羽「『美しの湯』ではサウナに入られないんですか?」
本宮「入って年に1、2回くらいかな……どんなところがいいの、サウナって?」
黒羽「月並みな答えですけど、頭も身体もすっきりするところが一番の魅力だと思います。頭をリセットして身体をリフレッシュする。僕の場合は、単純に汗をかくのが好きっていうところもありますね」
本宮「すっきりね……。みんなそれ言うじゃない? でも俺、サウナ入ると逆に疲れちゃうんだよね」
黒羽「水風呂は入られますか?」
本宮「いや、入らない。心臓に悪い気がして」
黒羽「施設もよりますけど、今はそんなに冷たくない水風呂もあるんで大丈夫だと思いますよ」
――本日の撮影にご協力いただきました東京は墨田区、「押上温泉 大黒湯」さんのサウナは90℃、水風呂は20℃と、どちらも入りやすい温度です。
本宮「20℃って初めての人でも入りやすいの?」
黒羽「そうですね。冷たいところはキンキンですけど、大黒湯さんは割りあい入りやすいと思います。あと、こちらは水風呂の後の外気浴。庭に外の風を浴びられるテラスがあるので、今日はととのいましょう!」
本宮「俺、そのサウナ好きの人が言う“ととのう”も眉唾なんだよな~。どんな感じがととのった状態なの?」
黒羽「なんて言うか……言葉では上手く表現できないですけど、ポワ~ンといい感じになって。あ、あと、サウナプレゼンとしては、ととのった後のご飯が異常にうまいです!」
本宮「ホント?」
黒羽「ホントっス! 俺を信じてください。何もする気がなくなるくらい気持ちよくさせます」
本宮「何もする気がなくなったらダメじゃん! 俺、今日、次も仕事あるし」
黒羽「“もう、ここで寝た~い!”ってなると思ますよ。さ、さっそく入りましょう!!」
本宮「ホントかな~」
黒羽「せっかくの貸し切りですから、まずはサウナの前に、お風呂に入りましょう!」
そしてお風呂へ
撮影中「じゃあ背中流してやるよ」と本宮さんが言えば、ゴシゴシとタオルで擦られながら「僕の方が後輩なのに、どういう顔していいか分かんないっス~!(笑)」と黒羽さん。ご覧になっていただければ分かりますが、映画『氷室蓮司』の世界そのままのような子弟関係がそこにありました!
次回はは「僕に任せてください!」と張り切る黒羽さんにいざなわれて、本宮さんがサウナに。人生で初めてととのうことができるのか……お楽しみに!
黒羽麻璃央(くろば・まりお)
‘93年7月6日生まれ。宮城県出身。
俳優。映画、ドラマ、舞台など幅広く活動。ミュージカル・ピカレスク「LUPIN~カリオストロ伯爵夫人の秘密~」(ボマーニャン役)や、「ゆりあ先生の赤い糸」(テレビ朝日)、’24年1月26日公開「劇場版 君と世界が終わる日にFINAL」(加地裕也役)に出演。ミュージカル『刀剣乱舞』~陸奥一蓮~(三日月宗近役)、人気任侠シリーズ「日本統一」10周年記念作品第一弾『氷室蓮司』(篠原将人役)への出演が控えている。
本宮泰風(もとみや・やすかぜ)
‘72 年 2 月 7 日生まれ。東京都出身。
俳優。ドラマ、映画で活躍。’94 年に俳優デビュー。主な出演作ドラマは「S-最後の警官-」、「駐在刑事」、「麒麟がくる」、「警視庁ゼロ係 ~生活安全課なんでも相談室~SEASON5」、「ちむどんどん」など、映画では「アウトレイジ 最終章」、「ベイビーわるきゅーれ」、「バイプレイヤーズ~もしも 100 人の名脇役が映画を作ったら~」、「静かな
るドン」、「など。2024 年は主演映画「氷室蓮司」のほか、「鬼平犯科帳 血闘」に出演。
『氷室蓮司』
4月12日(金)より東京・新宿バルト9ほか全国で順次公開
「弱きを助け、強きを挫く」をテーマに、不良少年だった氷室蓮司(本宮泰風)、田村悠人(山口祥行)が所属する侠和会で、日本から抗争をなくすべく極道界の頂点を目指すサクセスストーリー「日本統一」のシリーズ10周年記念作品第1弾。今まで描かれて来なかった、氷室の父親としての側面にフィーチャー。舞台を台湾に移し、誘拐された息子の行方を氷室が追う。
監督・脚本/辻裕之
出演/本宮泰風
黒羽麻璃央 劉致妤 吳昆達 大谷主水 應朗丰
松本若菜 本田広登 喜矢武豊 具志堅用高
山口祥行 ほか
(ⅽ)2024「氷室蓮司」制作委員会
撮影協力
押上温泉 大黒湯
住所:東京都墨田区横川3-12-14
営業:平日=後3:00~翌前10:00、土曜=後2:00~翌前10:00、日祝=後1:00~翌前10:00 定休=火曜
料金:大人=520円、中学生=420円、小学生=200円、幼児=100円、サウナ:平日+300円、土日祝+330円
撮影/カノウリョウマ
ヘアメーク/梅原麻衣子(GiGGLE)
取材・文/橋本達典