サウナ好き俳優・黒羽麻璃央さんとサウナ施設をめぐる連載「翔ぶ瞬間」(過去の連載はこちらから)。今回、訪れたのは、前回に引き続き東京都港区「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」(2024年10月オープン)内の「CARAPPO(カラッポ)虎ノ門ヒルズ」です。

トレーニング、サウナ、メディテーション(瞑想)が1カ所で体験できる、都内最大級(2000㎡、約600坪)の総合ウェルビーイング施設。「高級ホテルみたい。スポーツジムのイメージとは別ものですね」と黒羽さんも驚いた「CARAPPO」の魅力とは? 今回もサウナと、2つある「TOTONOI ROOM(トトノイ ルーム)」の両方を体験していただきます。
朝から「サウナ」して仕事へ……って最高!

――2024年10月、再開発が進む東京虎ノ門にある「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」5Fに、「CARAPPO 虎ノ門ヒルズ(以下:CARAPPO)」がオープン。日比谷線の虎ノ門ヒルズ駅のA2出口を出たら、人工の滝が目印のエスカレーターを上って虎ノ門ヒルズ5Fへ。すると、高級ホテルと見紛うばかりのエントランス「ENGAWA(エンガワ)」が現れます。そこで受付を済ませたら、いざサウナへ。
「虎ノ門という“オトナたち”が集う場所柄もありますし、施設さんの高級感もありますし、朝から気分が引き締まりますよね。“よし今日もお仕事がんばろう!”ってなると思います」(黒羽さん)
――前回と同じく、マネージャーの岩本孝士さんに館内を案内していただきます。
「『CARAPPO』は禅の考えである“すべては、空(くう)である”にインスピレーションを得て、一から世界観を作り上げました。オンタイムを過ごすビジネス街の中で、唯一オフになれる空間にしたい。完全に心をリセットできて自分のパフォーマンスを取り戻せるような、そういうエネルギーの価値、新しい生活の流れを作りたいと思いました」(岩本さん)

――3月より、これまで会員限定で提供していたプライベートサウナの一般販売が完全予約制でスタート。より多くの人に利用していただけるとのことです。※予約方法は最後に記載
「サクっとジムでトレーニングして、サウナで汗を流して。心身ともに“ととのって”から、お仕事へ……。最高じゃないですか!」(黒羽さん)
――前回もお話ししましたが、「CARAPPO」は世界100ヵ国以上で利用されるTechnogym(テクノジム)社製のマシンを揃えた最先端の設備トレーニングジムをはじめ、男女2種類のサウナと3種類のプライベートサウナ、専門家が監修したマインドフルネスプログラムやヨガプログラムを体験できる施設。仕事の後はもちろん、仕事の前に利用するのもいいですね。
「実際に朝一番でご利用いただいて、そのままオフィスへ向かわれる会員さまも多くいらっしゃいます。本国や取引先の国と時差のあるエクスパット(外資系企業の外国人ワーカー)の会員さまは、お仕事終わりにご利用されていますね。リフレッシュされた後は、文字どおり“からっぽ”=リセットした状態になれると思います」(岩本さん)

20代の後輩くんたちがうらやましい!?
――この原稿が配信されるころには、ミュージカル「昭和元禄落語心中」の公演が終わったころかと思います。
「ヘロヘロになってそうだな~(笑)。30歳を超えてからは“やっぱり違うな”と感じることもあるので、そろそろちゃんとケアしなきゃなと思います」(黒羽さん)
――30代では、どんな違いを感じますか?
「舞台で激しい殺陣とかやると、ちょっと疲れが残るようになりました。現場によっては年長の出演者になることも増えてきたので、周りの20代の後輩くんたちを見ると元気だな、うらやましいなって(笑)」(黒羽さん)
――今の時期の“心身の貯金”が40代、50代という次なるフェーズで生かされるのではないかと。
「そうですよね。仕事柄、時間も不規則ですし、全国各地を飛び回ることが多いので。その点、早朝から短時間でパパッとリセットできる『CARAPPO』さんは魅力的です」(黒羽さん)
――前回、岩本さんのお話にもありましたが、HIITプログラム(高強度インターバルトレーニング)で運動をして、サウナで心を研ぎ澄ませ、瞑想やヨガで自分と向き合って“からっぽ”になる、というのもいいですね。
「朝7時に始めて2時間でトレーニングとサウナを終えてもまだ午前中。仕事のパフォーマンスも上がりそうだし、疲れも残らなさそう。本気で考えようかな?」(黒羽さん)
眠っていた体を揺り起こしてくれる朝の光
――では、予行練習ではないですが、引き続きサウナを体験。今回は黒を基調とした内装がほの暗い男性用サウナ「MU:」に行ってみましょう。
「おおっ、いい感じの照明ですね~。ヒーリング系の音楽も心を落ち着かせます」(黒羽さん)
「『MU:』は座禅の“半眼”をコンセプトにしています。一方の『KU:』は丸く弧を描いたサウナ室内のデザインで仏教の“空(ご縁という意味)”をイメージしました」(岩本さん)
※『KU:』について詳しくは前回の連載を

――サウナ室の奥には、ピラミッドを思わせる特殊な形状のストーブが鎮座。温度は朝イチの取材だったため85℃ほど(通常は90℃)。背板とベンチ下に設置されたLED照明の光が四方に伸びています。
「この光の感じは初めて。“未来”、“次世代のサウナ”って感じですね。『KU:』もそうでしたが、室内はわりとカラカラめ。温度もちょうどいいです」(黒羽さん)
「ストーブは『KU:』と同様に職人さんによる手作り。ベンチの下から光がもれる演出は、半眼の際にうっすら目に入る日光を表現しています。情報をそぎ落とした空間で、ご自身に向き合っていただければ」(岩本さん)

――「KU:」と同じく20分毎のオートロウリュも。
「僕の場合、サウナは12分、10分、8分の3セットみたいな入り方なので、20分に1度という設定もちょうどいいです。朝から蒸されるって気持ちいい!」(黒羽さん)

――水風呂の説明は前回の連載をご覧いただくとしまして、クールダウン後は、2つある「TOTONOI ROOM(トトノイ ルーム)」で休憩を。
「禅の言葉“山是山、水是水”からインスピレーションを受けました。苔庭をイメージした『SAN』、水紋に癒される『SUI』でリラックス。すべてリセットして、次のお仕事に向かっていただきたいです」(岩本さん)



――“山是山、水是水”とは、山は山の本分を全うし、水は水の本分を全うしており、互いにそのまねはできず、また誰もまねを求めていない。だからこそ美しく調和がとれていることを表しています。まずはTOTONOI ROOM「SAN」の感想は?
「石でできたベンチの背もたれの角度が絶妙で、ひんやりした空調も気持ちよかったです。微かに差し込んでくる本当の朝日のような照明は、眠っていた体を揺り起こしてくれました」(黒羽さん)

――「SUI」はいかがでした?
「『SUI』はリクライニングするイス(Lafuma製)の寝心地が抜群! どちらの部屋も目をつぶったら自然の中にいるような、そんな錯覚を覚えましたね」(黒羽さん)
「屋内のスパ空間でありながら自然の中にあるように感じていただけるよう、空調設備による快適な温度と風を作り出し、R-LIVE社の音響空間デザインシステムによる自然音の演出を行っています」(岩本さん)
「水を溜めた壺の水面に天井から落ちてきたしずくがはねて、その波紋が壁に照らし出される……って演出がすごく心地よかった。甲乙つけがたいんですけど、個人の感想としては『SUI』が好みでした」(黒羽さん)。
「先のR-LIVEは、人間の聴覚の限界を超える高周波音を含むハイレゾ音質で、木々のざわめきや鳥の声、川のせせらぎを再現します。最先端技術と自然の融合で、心と体が真に調和するひとときをお楽しみください」(岩本さん)
体をケアしつつ、心もリフレッシュしたいです
――ほかにも、冒頭でも触れたサウナ・冷水シャワー・パウダールームの機能を完備する個室サウナも3室を完備。誰にも邪魔されず、自分自身と向き合うためにぴったりな空間となっています。
「ありがたいことに昨年から今年と、忙しくさせてもらって、そういう自分と向き合う時間って大事だなと感じるんですよ。とはいえ、待っていても何も始まらない。能動的に自分から動かないといけないなと。体をケアしつつ、心もリフレッシュしていきたいです」(黒羽さん)

――4月11日に映画「ゴーストキラー」も公開。アクションシーンも多かったとのことなので、心身のケア・リフレッシュは大切ですね。
「舞台で殺陣はやってきたものの、今作のような素手のアクション、肉弾戦はほぼ初めてだったので正直、不安もありました。舞台の上演中だったこともあって、アクションの稽古を始めたのは撮影に入る5日前だったんですよ! 自分でもよくやれたなあって」(黒羽さん)
――たったの5日!? アクションの練習でケガでもしたら舞台に差し支えるとはいえ、タイトなスケジュール。
「それでも周りのみなさんに助けられながら何とか形になったことは嬉しかったですし、自信にもなりましたね。まあ、撮影・編集チームの力によって“あれ? 案外イケてるな……”って錯覚しちゃったところもあるんですけど(笑)、足を引っ張らない程度にはできたと思います」(黒羽さん)

――髙石あかりさん演じる殺し屋の霊に憑りつかれた女子大生が、その並外れた戦闘能力を自分の力にして戦う、日米共同制作のアクションエンターテインメント。「ベイビーわるきゅーれ」シリーズのアクション監督を務めた園村健介がメガホンを取り、黒羽さんはふみかに憑りつく元殺し屋の霊・工藤(三元雅芸)の同僚・影原役。公開を前にした今の感想は?
「三元さんはアクションのスペシャリストなので、胸をお借りしました。髙石さんも本当にすごくて、2人のアクションに圧倒されます。園村監督の作品だけあって物語もめちゃくちゃ面白いので、ぜひご覧いただきたいです」(黒羽さん)
――映画鑑賞後はサウナに入って、回想してほしいですね。
「それいいですね! ぜひぜひみなさん、“あそこのシーンよかったな”、“あのアクションすごかったな”って振り返ってみてください」(黒羽さん)
黒羽麻璃央
1993年7月6日生まれ。宮城県出身。
2010年に第23回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストにて準グランプリ受賞。2012年にミュージカル「テニスの王子様」で俳優デビュー。2015年から刀ミュこと「ミュージカル『刀剣乱舞』」シリーズに三日月宗近役で出演。ほかミュージカル「ロミオ&ジュリエット」ロミオ役 / マーキューシオ役、「エリザベート」ルイジ・ルキーニ、「昭和元禄落語心中」与太郎役を演じた。舞台以外にも2024年は「焼いてるふたり ~交際0日 結婚から恋をはじめよう~」(読売テレビほか)で主演。ほか「マル秘の密子さん」(日本テレビ系)などドラマや映画に出演し幅広いメディアで活躍。4月11日より公開の日米共同制作の映画「ゴーストキラー」(東京・新宿バルト9ほか)にも出演の他、6月30日開催の「ACTOR☆LEAGUE in Baseball 2025」(神宮球場)、7月29・30日に東京ドームにてミュージカル「刀剣乱舞」目出度歌誉花舞 十周年祝賀祭に三日月宗近役で出演予定。
CARAPPO虎ノ門ヒルズ
■住所:東京都港区虎ノ門2-6-3 虎ノ門ヒルズステーションタワー5F
■営業時間:月曜日~金曜日=7:00~23:00、土日祝日=9:00~21:00 休館日=毎月第2、第4日曜日
■料金:入会金33,000円、月会費36,000円(タオルレンタル・HIITスタジオ利用・メディテーションスタジオ利用含む)プライベートサウナ(個室)/70分4,400円、90分5,940円(会員限定) ※ヒルズ系列に入居しているオフィステナント企業の従業員限定価格あり 詳しくは公式HP(https://www.carappo-official.com/)をご覧ください
<プライベートサウナ一般販売(予約制)>
・通常営業時間内:月曜日~金曜日/7:00~23:00、土日祝日/9:00~21:00(第2・4日曜日休館)
・料金 5,500円(入室は1名のみ)
・時間 90分(退室が遅れた場合は、10分につき超過料金1,100円)
※問い合わせ:虎ノ門ヒルズ 「CARAPPO」toranomon@sportsoasis.jp
撮影/佐藤佑一
文/橋本達典