日本のプロ野球界きってのサウナ愛好家・千葉ロッテマリーンズの石川歩投手にご登場いただいている当連載。毎月、アスリートならではのサウナの愉しみ方を伺っています。
WBCで3大会ぶりに侍ジャパンが世界一に輝き、日本中の野球熱が高まっている2023年春。万全のコンディションで1軍に合流すべく、石川投手も現在ペースをあげてさらなる調整を進めているそうですが、グラウンドを出るといつもの笑顔で取材に対応してくれました!
毎シーズン、“開幕”は緊張。はたして今季は?
――今月もよろしくお願いします!
「お願いします! あ、このタオルとハットもありがとうございます。使わせてもらいます」
――是非! 今回の取材の掲載は、おそらく開幕4カード目とか5カード目あたりになると思うのですが。いよいよシーズンも始まりました。
「今日の時点……毎年のことですけど、開幕直後って、チームもまだ全員が完全に本調子ではなくて。探りながらやっている選手もいるとは思うんですが、それでもみんながんばってくれていますよね。僕も1日でも早く合流したいとがんばってはいますが。まぁ、イイ感じで調整は出来てきていると思います」
――はい。待っていますが、シーズンは長いですからね。じっくりととのえていただければと。
「そうですね。合流後はシーズンを通じて貢献できるように、今は無理に焦らず、浦和で着実にがんばっています」
――石川選手にとっても、シーズンの最初の登板って、やはり特別な感じだったりしますか?
「やっぱり緊張はめちゃくちゃします。きっと今シーズンも、そこは変わらないでしょうね。できるだけ平常心で、とは思って臨みますけど」
――マウンドでは終始クールというかポーカーフェイスなので、観ている側としてはそれは分かりづらいですが。
「いや、緊張していますよ、僕だって(笑)。それはどんなピッチャーもバッターも同じだと思います。やっていくうちにペースをつかみ、試合を重ねていってどんどん個人としてもチームとしても、さらにかみ合ってくる。そういう感じでシーズンは進んでいくので、もちろん1試合1試合が大事ですけど、5月の連休が終わったあたりだったり、交流戦が終わったくらいのときにどんな調子か。どの順位にいるか、みたいなことが重要かなと個人的には思っています」
今月は……水風呂が“王者”クラスの施設を体感!
――さて、今月ですが、また新しいサウナを開拓していただいたようで。このお写真は?
「これは新橋の『ライオンサウナ』さん(「ライオンサウナ新橋」)ですね。いやぁ、強烈でしたね。ずっと気にはなっていたんですが、僕個人としては、かなり良かったです」
――今年のサウナの日(3月7日)にオープンしたんですよね。強烈というのはどのあたりが百獣の王=ライオンでした?
「個人的に気になっていたのは水風呂なんですよ。すごく冷たいと聞いていて。行ってみたら、まったく噂通りでした。水風呂がライオンでしたね(笑)。」
――ということは、ものすごく水風呂が冷たい?
「2つあって、1つは18℃くらいのマイルドな水温なんですが、もう1つのほうが6℃台とかで」
――すごいですね。シングル(水温1ケタ)の水風呂の施設も増えてきましたが、6℃台というのは!
「最高でしたね。その水温に見合うように、サウナ室も相当な感じのセッティングで」
――やはりアチアチということですか?
「サウナ室も2つあって、1つはセルフロウリュができて温度もほどよい設定の、普通に気持ちいいサウナ室なんですけど……。もう1つの方が僕的にはめちゃくちゃイイ感じでした。ベンチが4段くらいあるタワースタイルのサウナ室で、そっちはオートロウリュなんですよ」
――4段のタワーサウナは、なかなかですね。今回も石川さんは……。
「そうですね、一番上に座りました」
――ブレないですね(笑)。
「そうですね(笑)。どんなにアツくても、一番上が空いていたら、とりあえず迷わずそこを目指します。今回も、入った瞬間に『あ、ロウリュ(の蒸気と熱)が来たらヤバそう』って思ったんですけど(笑)。まぁ、そこはちょっとドキドキしながら様子を見てみよう、と」
――で、ロウリュの瞬間はいかがでしたか?
「割とすごかったですね。オートロウリュでサウナストーブにかかる水量もかなり多かったような気もします。『やっぱりヤバかった!』って思いながら熱せられて、耐えていました(笑)」
――(笑)。耐えて耐えて、そしてシングルの超キンキンな水風呂。
「いやぁ、良かったですね。そのあとの休憩も外気浴ができるスペースもあって。新橋の駅のすぐそばなのに」
――めっちゃ街のど真ん中じゃないですか。
「そうなんですよ。すごいサウナがまた出来ちゃったなって思いました」
――もう1つのサウナ室についても教えてください。
「そっちは割と室内も暗めで、じっくり静かに入るタイプのサウナ室でしたね」
――先程、セルフロウリュができるとおっしゃっていましたが……。
「できますし、やりました(笑)。砂時計の砂が落ちきるのを待って」
――あ、水をかけたら砂時計をクルっと回すシステムですね。ストーブ上の石が水のかけ過ぎで冷えないよう、ちゃんとインターバルを作るために。
「そうです。あのスタイルは安心ですよね。あまりセルフロウリュに慣れていない人でも分かりやすいですし。今回は時間があまりなくて、それぞれのサウナ室で1セットずつしか出来なかったですけど、次はもっとじっくり堪能したいなって思いました」
――相当に気に入られたみたいですね。ちなみに、時間があったら石川さん的にはどんな過ごし方が理想でしたか?
「1セット目はセルフロウリュのほうでまず体をじっくりあたためて、2セット目はタワーのほうですね」
――仕上げの3セット目は?
「それ以降は、たぶんずっとタワーの方ですかね。でも、3セットじゃ終わらないかもしれないです(笑)。あ、水風呂はたぶん、どっちのサウナ室のあともシングルの方に入ると思います」
気になる注目施設が全国に爆誕! 次なるターゲットは……?
――そして、こちらの写真は渋谷の「サウナ道場」ですね。前回、「行きたい」とおっしゃっていましたが、流石の有言実行ですね。
「やはり気になっていたので。こちらも水風呂がシングルで。8℃とか9℃くらいで。サウナ室も同様にオートロウリュがかなり熱くて、店名どおり、“道場”感がありました(笑)」
――こちらも石川さん好みというか、サウナ好きのツボをかなり押さえてくれた施設さんですね。
「本当にそう思います。最近オープンするところは、本当にいい施設が多いなって感じがするんですよね。以前というか……ちょっと前に出来たところって、サウナ室と水風呂のバランスが微妙だったりするところもあったんですけど、そういう点で本当に気持ちいい施設が次々に出来てきている気がします。
『あ~、きっとサウナが好きな人が造ったんだな』って思える施設がどんどん増えているのは本当にうれしいですね」
――分かります。サウナ好きにとっては、毎回どこへ行くか選択肢が増えて、うれしい悲鳴状態ですね(笑)。
「でも、今後もまだまだ気になる施設のオープンが続きますよね?」
――たとえばどこが気になっていますか? 前回は赤坂の「SaunaTokyo」(サウナ東京)さん、銀座の「コリドーの湯」などを挙げられていましたが。
「その2軒もそうですし、西麻布の『テルマー湯』(「サウナ・スパ テルマー湯 西麻布」)とか。あとは心斎橋に4月にできるという『大阪サウナDESSE』っていうサウナも気になってるんですよ」
――店名も大阪っぽいですよね。
「なんか、スゴそうなんですよね。いろんな種類のサウナ室もあるっぽくって」
――いやぁ、さすがというか、チェックに抜かりがないですね。大阪って!
「いやいや、遠征で行く機会はもちろんありますから(笑)。やっぱり情報としてはチェックしちゃいますよね」
――ということは、他の遠征先についても……?
「そうですね。やっぱり気にはなっちゃいますよね。仙台にも『スパメッツァ仙台』がオープンするらしい、とか(※)、もちろんファイターズの新球場『エスコンフィールド』にできたサウナも気になりますし」
(※)「竜泉寺の湯 仙台泉店」がリブランドして「スパメッツァ仙台 竜泉寺の湯」として今春オープン
――あはは! すごい。めっちゃありますね。気になるサウナ。
「エスコンフィールドは球場としてもすごく綺麗なんで、試合が楽しみでもありますしね。ちょっとホームランが出やすい、みたいな話も聞くので、そこはイヤですけど(笑)。でも、試合が終わった後とかに球場を見ながら入れたりしたら最高じゃないかな、って」
――たしかに。では、ファイターズの選手でサウナ好きの清宮(幸太郎)選手とかに聞いてみては??
「いやいや(笑)。でも、ちょっと気になるので、実際に行くことになったらちょっと調べてみようかな」
“マリーンズサウナ部”に若手新戦力、そしてあの大物が新加入!?
――さて、新シーズンとなり、マリーンズでも有望な若手選手が次々に登場しています。
「そうですね。野手でも投手でも、いい選手が出てきていますね」
――「サウナ好き」という点では、“新戦力”はいかがですか?
「あ、増えてると思います。前からいいピッチャーなんですけど、今季は僕は種市(篤暉)が本当に凄い球を投げてるなと思っていて。この調子で勝ちをどうどん自分で掴み取っていけば、すごく成長するんじゃないかなと思ってるんです。
で、その種市もサウナ好きなんですが、高知で『グリンピア』(「SAUNAグリンピア」)へ行ったらしいんですが、そのときに鈴木(昭汰)も連れて行ったというか、一緒に行ったらしくて。鈴木もかなりハマっているらしいです」
――先輩投手が後輩投手を連れていく……。石川さんと他の投手との関係性が引き継がれている感じですね。
「僕は連れて行く、っていうわけではないですよ。『行くけど、一緒に行く?』って聞くだけです(笑)」
――マリーンズサウナ部のそういうところ、すごくいいですよね。
「そうですかね(笑)。でも、鈴木は新橋の『ライオンサウナ』にももう何回か行ったって聞きましたし、ガチになったかもしれないですね。あ、そうだ。澤村(拓一)もサウナ好きになってました。先日も赤坂の『金の亀』(「生姜サウナ 金の亀」)へ2日連続で行ったそうです!」
――以前は好きではなかったんですか?
「どうなんですかね? でも、彼がメジャーへ行く前はサウナの話をしたことがなかったんですが、今年のキャンプのときに『いいサウナ、教えて』みたく聞かれて。『金の亀』も含めていくつか名前を挙げたら、早速行って、気に入ったらしくて(笑)」
――石川さんが教えてるし(笑)。でも、先ほど石川さんがおっしゃったように、本当にここ1~2年で気持ちいいサウナ施設が増えたということの証明みたいなことかもしれませんね。
「あ~。なるほど。そうなのかなぁ」
――日本のサウナが進化しているのは事実だと思います。
「それはそうですよね。これからも、そうやっていい施設が増えてくれたら、本当にうれしいです。さっき言い忘れましたけど……もちろん千葉にも気になる施設がどんどん出来ているので、そういったお店も機会があればどんどん行きたいですね」
――はい。遠征先でもホームでも……全国の良施設の発掘と情報を、ぜひ今季も教えてください。
1988年4月11日生まれ。富山県出身。右投右打。滑川高から中部大、東京ガスを経て、2013年ドラフト1位で千葉ロッテに入団。2014年に新人王。2016年に最優秀防御率のタイトルを獲得。ストレート、シンカー、カーブ、スライダー、フォーク等多彩な球種と精緻な制球力を武器に活躍。