パリ五輪前スパ ラクーアで”サ”話 なでしこジャパン池田監督×佐々木女子委員長

7月26日(金)からフランス・パリで開催される第33回オリンピック競技大会に臨む、サッカー日本女子代表(なでしこジャパン)。来る本番を前に、新旧監督が揃い踏み。両名ともお好きなサウナで、しばしの休息を楽しむ――。発売中のSAUNA BROS.vol.8で池田太監督、佐々木則夫JFA(日本サッカー協会)女子委員長が汗を流した東京は文京区、水道橋「東京ドーム天然温泉 Spa LaQua(スパ ラクーア)」の魅力とは? サウナが監督業に必要なワケとは? 本誌vol.8を再構成したロングバーョンでお届けします!

目次

実はご近所同士の新旧なでしこ監督

5月下旬、なでしこジャパンを率いる池田太監督と、同じく監督としてサッカー女子ワールドカップ2011ドイツ大会優勝、ロンドンオリンピック2012銀メダルという輝かしい戦績を残した佐々木則夫JFA女子委員長が向かったのは「東京ドーム天然温泉 Spa LaQua」(以下:スパ ラクーア)。東京メトロ丸の内線「後楽園駅」から徒歩1分、都営地下鉄大江戸線「春日駅」より徒歩2分、三田線「水道橋駅」より徒歩3分、JR水道橋駅から徒歩6分という好立地にある国内最大級の温浴施設で、「とにかく広くてキレイで清潔」と、老若男女から愛されています。

もちろんサウナも充実していて、超高温100℃のドライサウナをはじめ、4種類のサウナが楽しめる(女性用は3種類、ともにオートロウリュあり、男性はスタッフによるアウフグースサービス、女性はスタッフロウリュを実施、フィンランドサウナではセルフロウリュが可能)、男性の水風呂は17℃の強冷水で最高、都会にいながら空を眺められる外気浴が気持ちいいと、サウナ好きからの支持も高い、文句なしの施設なのであります。

JFAの事務所も水道橋駅近くに。待ち合わせ場所のスパ ラクーア前に現れた池田監督と佐々木女子委員長は、揃ってネイビーのスーツ姿。「DIFFERENCE」が提供する、なでしこジャパンのオフィシャルスーツに身を包んだ2人は、まさに「指揮官」と呼ぶにふさわしい威厳を放ち、思わず襟を正す、サッカー部出身、長男が元高校サッカー部、以前サッカー関連の仕事をしていたSAUNA BROS.のおじさんスタッフ3人。

そんな我々スタッフの緊張をよそに「ノリさん、おはようございます!」、「お~、イケ~」と呼び合い握手するお2人。アスリートを取材させていただくと毎回、思うことですが、スポーツマン同士のサバサバしたこの感じ、好きだな~。気さくな雰囲気に、一瞬で場が和みました。

聞けば、池田監督は、かつて浦和レッズ、佐々木女子委員長はNTT関東=現在の大宮アルディージャで選手としてプレー。同じ埼玉を拠点とするチームに縁がある上に、現在も自宅がご近所の間柄。さらには、

池田「サウナ仲間というほどではないですけど、よく行く施設は、同じところが多いですね」

佐々木「この間も偶然、会ったよな?」

池田「さいたま市にある『見沼天然温泉 小春日和』でバッタリ。2人とも埼玉に住んでいるので、上尾の『天然温泉 花咲の湯』とか、何かと遭遇率が高いんですよ」

佐々木「イケの家⇔ウチ(自宅)⇔『小春日和』がちょうど同じくらいの距離なんです」

池田「偶然会った時も、駐車場で“あれ? ノリさんの車があるな……”と思ったら“いた!”みたいな(笑)」

佐々木 「あと春日部の『春日部温泉 湯楽の里』とか。そのへんのトライアングルをぐるぐると回っていますね」

という、大のサウナ好き。池田監督はSAUNA BROS.vol.6「JFA夢フィールドのサウナに潜入」でもお世話になりましたが、佐々木女子委員長も相当なサウナ好きだとわかり、取材への期待が高まります。

サウナは1人になれる貴重な時間

そんなこんなで、いざ入館。ロッカーでSAUNA BROS.が用意したサウナハットをかぶって「どう、似合う?」、「こんな感じでいいかな?」と、本誌女性スタッフにスタイリングのアドバイスを聞く佐々木女子委員長。ワールドカップ2011ドイツ大会決勝。アメリカとのPK戦を前に笑顔で選手に語りかけていた女子委員長の姿を思い出します。場の雰囲気を和ませるのが、本当にお上手。こうしたさりげない気配りとコミュニケーションがあってこそ、日本を初のW杯優勝に導いたわけです。

「ドイツ大会の宿泊先3カ所のうち2カ所にサウナがあったので、試合の前日~2日前に入っていましたね」(佐々木)と、W杯のサウナ裏話も聞かせてくれました。

着替えを済ませると、スパ ラクーアのメインサウナ「中高温サウナ ヴィルデンシュタイン」へ。「かけ湯はお湯派なんですよ。その方が水風呂が気持ちいいので」(池田)、「今度からそうしてみよう」(佐々木)と、和気あいあいのお2人。さすがは元選手、引き締まった身体はもちろんですが、ともに50代、60代とは思えないふくらはぎの筋肉に驚かされます。

「ヴィルデンシュタイン」の収容人数は20~30人ほど。温度は80℃となりますが、座面の位置によって温度がかなり異なる印象で、アウフグースの会場となっているため、ほのかに漂うアロマの香りが心地いい、リラックスできる空間です。

スケジュールの都合もあるため8分ほど短めに入った後は、約17℃と22℃、2つの浴槽がある水風呂に。池田監督は17℃、佐々木女子委員長は22℃でそれぞれ2分ほど。途中「冷たいのは、ちょっと苦手。イケもこっち来いよ~」(佐々木)、「(笑)、ハイハイわかりました、すぐ行きますから」(池田)などと、リアルおっさんずラブのようなやりとりに、スタッフ全員で思わず爆笑を。

17℃の水風呂は7人ほどが浸かれて、深さは110cmとわりと深め。22℃は3人ほど。バイブラが気持ちいい深さ60㎝の水風呂でした。

続いて向かったのは、こちらも80度ほどの「中高温サウナ ヴィレ」(収容人数は20名ほど)。サウナストーンが大量に積み上げられたロッキーサウナで、暗闇の中わずかに灯る青白いライトが、まるで映画館のような雰囲気!  じんわりとにじんでくる汗。オートロウリュによって熱さが増し、大量の汗が噴き出します。

佐々木「年齢も年齢ですので(笑)、心臓に負担がかからないよう、最近はサウナが80~90℃。水風呂は20℃くらい。だから、今日くらいの温度がちょうどよかった。水風呂も17℃と22℃、2つ選べたので、ありがたかったです」

ちなみに、普段はサウナで何か思考を巡らせるよりも「“無”になって入りたい。ただただ心身ともにスッキリしたくて入りたい」(本誌vol.6)タイプという池田監督。

佐々木「ただ、本来は無になりたいところだけど、監督をやっているとムリだよな?」

池田「今はパリ五輪も近いので、どうしてもサッカーのことを考えてしまいますね。遠征後に、サウナに向かうことが多いんですけど、汗をかいて頭を整理して……とやっているうちに、つい次のことを」

佐々木「今イケが言ったように、ドイツでも頭を整理するのにサウナが役立ちましたね。あと、選手、コーチ、スタッフのいない場所で1人になれるのが、サウナのいいところ」

池田「遠征では、常に誰かしらいますので、1人になれる時間は重要です」

ほのぼのとした取材の中、時折り見せる勝負師の目。同時に、監督としてのご苦労がしのばれます。ととのいスペースは、イス、デッキチェア、ベンチと数も十分。皮の編み込みがされているため、座り心地もよく、しばしの戦士の休息を楽しんでおられました。

パリでは2012年以来となるメダルを

サウナ2セットを終えると、2人も「大好き」という露天風呂へ。スパ ラクーアのお湯は、東京ドームシティの地下1,700mから湧き出るミネラル豊富な天然温泉を使用。湯温約38℃の浴槽と、約43℃の「あつ湯」。新陳代謝の促進や美肌効果があるとされる炭酸泉・酸素泉「ミルキーソーダ」で、来るパリ五輪に向けて抱負を語ります。

池田「パリ五輪は12チームしか出場できませんので、どのグループに入っても厳しいことには変わりない。我々は、そこでやるべきことをやるだけですね」

佐々木「イケとは12歳違いだから、私がロンドン五輪で監督をやった年齢と同じ。あれから12年も経ったのか……と思うのと同時に、(銀メダルだった)悔しさもよみがえります」

池田「もちろん、五輪という舞台で戦うからにはメダル獲得を目標に、頂点を目指したい。2012年以来となるメダルを、日本に持ち帰りたいですね」

佐々木「こうして裸の付き合いをする仲ですし、ともに埼玉を拠点にやってきた間柄でもありますので、できる限りバックアップしたいですし、パリでのなでしこジャパンの活躍をサポートしたいです」

内湯には、天然温泉、ミルキーソーダ、バブルピット(座湯)があります。女性用には、ハイドロフット(足湯)も。女性用サウナは中高温サウナ(約80℃)、ミストサウナ(約45℃)、フィンランドサウナ(約70℃)の3種類です。

男性用サウナには、もう2つ、100℃オーバーで、4種類あるサウナの中で最も熱い「高温サウナ オールドログ」と、セルフロウリュが可能な「フィンランドサウナ コメア」(約70℃)もアリ。「オールドログ」を覗き込んで、「いい雰囲気だな~。今度は入ってみたいな」と佐々木女子委員長。これに「(スパ ラクーアは)せっかくJFAの近くにあるんだし、パリ五輪を終えたら、せひまた2人で来ましょう!」と答える池田監督。日本が入るグループCは、スペイン、ブラジル、ナイジェリアと強敵、難敵が揃いますが、サウナパワー(!?)で、メダル獲得を期待しています!

「JFAサッカー文化創造拠点blue-ing!」でサ飯と……

「ラクーア」を出た後は、2023年12月に東京ドームシティ内にオープンした日本サッカー協会の「JFAサッカー文化創造拠点blue-ing!」で、サ飯(サウナご飯)。

館内はCAFE&BARとSHOPを併設した「PARK」と「DISCOVERY」(有料)にゾーニングされ、パブリックビューイングなども実施。「DISCOVERY」では、日本サッカーの歴史がわかる過去のボールやユニフォーム、戦術ボードなどを、10年ごとに区切って展示。各種アトラクションも楽しい施設です。

当日は、映画「劇場版ブルーロック-EPISODE凪-」とのコラボイベントを開催中(2024年6月30日で終了)。キャラクターのパネルと写真を撮る女性のお客さんが大勢。おそらくキャラ目当てで訪れた(であろう)1人の女性が、過去の日本代表の映像が映し出されるモニターを前に足を止めて見入る姿に、ほほえむ池田監督と佐々木女子委員長。こうした地道な努力がサッカーファン拡大につながっているんだな~と実感するひとコマでした。

しばらくすると、代表カラーを施したSAMURAI BLUEバーガー、なでしこエビ勝つバーガー(ともに990円)が到着。「色こそ奇抜ですけど、めちゃくちゃ美味しいですよ」(佐々木)。「ラクーアさんで汗をした後はblue-ing!ものぞいてみてください」(池田)。

“ツネさま”こと、宮本恒靖JFA会長も試食会に参加するなどこだわった食事やドリンクが楽しめる「blue-ing!」内の「CAFE&BAR」。現在は、JFA初の試みとなるビアガーデン「BEER PITCH(ビア ピッチ)を9月30日(月)まで開催。期間中はオリジナルデザインのリストバンドのほか、飲みすぎ注意にも使える(!?)イエローカード、レットカード、グリーンカードも配布中とのこと。7月26日(金)深夜0:00のキックオフ(スペイン戦)を前に、ビールで気分を盛り上げましょう!  もちろん試合の後は祝杯も!!(BEER PITCH 開催時間は後5:00〜10:00)

なお、グループDに入った男子代表は、女子よりひと足早い7月25日(木曜)深夜2:00キックオフ(パラグアイ戦)。「ともに掴もう、最高の瞬間を」。バモス!

オリンピック2024パリ なでしこジャパン スケジュール

vs スペイン 
7月25(木)NHK総合
後11:45〜深2:00

vs ブラジル
7月28日(日)フジテレビ系
深0:00〜2:00


vs ナイジェリア
7月31日(水) NHK Eテレ
後11:50〜深2:00

佐々木則夫(ささき・のりお)
1958年5月24日生まれ。山形県出身。NTT関東を経て07年なでしこジャパン監督に就任。11年ドイツW杯優勝などの結果を残す。JFA女子委員長

池田太(いけだ・ふとし)
1970年10月4日生まれ。東京都出身。青山学院大卒業後の’93年浦和レッズ入団。’96年引退。年代別監督などを経て’21年10月になでしこジャパンの監督に就任

JFAサッカー文化創造拠点blue-ing!

■住所:東京都文京区後楽1-3-61(東京ドームシティクリスタルアベニュー内)
■営業時間: 平日=前11:00~後9:00、金曜日・祝前日=後10:00閉館/土日祝=前10:00~後10:00※日・祝=後9:00閉館、LOはすべて閉館の30分前

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