サウナ好き俳優・黒羽麻璃央さんとサウナ施設をめぐる連載「翔ぶ瞬間」(過去の連載はこちらから!)。前回より連載スタート以来初となるゲストの本宮泰風さんをお招きしてお送りしていますが、第2回目となる今回は、いよいよサウナへ。
大の銭湯好きではあるものの、もっぱら「風呂専門」で「サウナの“ととのう”って眉唾なんだよね」と語る本宮さんは、人生で初めてのととのいを味わえるのでしょうか……?
銭湯大好きな本宮さんのオススメとは?
前回から引き続き、洗い場で背中をゴシゴシと流し合いながら……。
本宮「じゃあ背中流してやるよ」
黒羽「次、僕が流させてもらいます!!」
本宮「お、いいね~。じゃ、お願いしようかな」
――本宮さん、すでに背中が真っ赤なんですけど!
黒羽「さっき入ったスーパージェットバス(※激しいジェット水流によって身体をマッサージ。腰痛に効くと評判です)のせいじゃないですか?」
本宮「俺、代謝がいいのかな? すぐ赤くなっちゃう」
黒羽「勘弁してくださいよ~。画(写真)的に、僕がやったみたいになってるじゃないですか~(笑)」
――(笑)、本日の撮影にご協力いただいたのは、東京は墨田区の「押上温泉 大黒湯」さん。天然温泉の白湯をはじめ、東京とは思えない開放的な大露天風呂が地元住民を中心に愛されています。
本宮「いいお湯ですよね~。近所にあったら、しょっちゅう来るんだけどな」
黒羽「こちらは露天風呂もすごいですよね。やっちゃダメなんだけど、泳ぎたくなっちゃう」
本宮「浴槽が広い施設はテンション上がるよな?」
黒羽「先ほど本宮さんがおっしゃっていた(前回はこちら!)学芸大の『(サウナ&スポーツジム&カプセル)ミナミ』や高井戸の『美しの湯』のようなスーパー銭湯じゃないのに、これだけ広いとうれしいですよね。サウナも大好きですけど、僕の場合、いいお風呂あってのサウナなんで」
本宮「(露天風呂に浸かりながら)改めて、銭湯っていいよな。東京ではだんだん数が減ってきて、それが残念」
黒羽「どこかオススメの銭湯はありますか?」
本宮「京都で撮影のときによく行く『旭湯』が最高なんだよ。今でも地下水を汲み上げて、おがくずと薪で沸かしていて」
黒羽「えーーっ! 薪!? すごいですね」
本宮「とにかく、お湯がやさしい。芯から身体が温まるっていうか。あと昭和の風情が残る下町にあるから、まだ入れ墨の入った方々もよくいらっしゃって」
黒羽「そこで所作とか学ぶんですか?」
本宮「(笑)、みんながみんなそうじゃないから。でも立ち振る舞いが美しい方には自然と目がいくよね」
――第2回目からお読みの方に説明しますと、お二人は、4月12日より公開される「日本統一」の10周年を記念した映画「氷室蓮司」で共演を。本宮さんは2013年のスタート以来、シリーズ累計80作品を超える大ヒット任侠ドラマ「日本統一」で主人公の一人、氷室蓮司を演じ続けておられます。黒羽さんは、台湾を舞台にした今回の映画で、窮地に陥った氷室をサポートする篠原将人役。
黒羽「氷室さんに、昔お世話になったという役柄で出させていただいて」
――そのご縁で、子弟コンビ(?)による今回のサウナトークが実現しました。
黒羽「氷室さんは、静か~にお風呂に入りそうですよね」
本宮「そうね。だから『旭湯』でも静かに自分の流儀で身体を洗っている方とかを見ると、氷室ならこんな感じかな、とか想像したり」
――氷室の相棒、田村悠人(山口祥行)はカランでバシャバシャっと髪を洗うイメージが。
本宮「(笑)、そうですね。田村はガサツなので、周りにお湯をまき散らして」
黒羽「シリーズで、銭湯やサウナのシーンってありましたっけ?」
本宮「風呂は最初の方で少しだけ出てきて…でも、サウナはないな。本当はヤクザがサウナにズラリと並んで密談とか交わす、みたいなシーンもやりたいんだけど、Vシネマはローバジェット(低予算)だからなかなかできないんだよね。キャスト全員の身体中に入れ墨の絵を描かなきゃいけないから」
黒羽「なるほど~」
本宮「昔より技術的に描きやすくはなったけど、それでも難しいかな」
黒羽「見てみたいですけどね、迫力のサウナシーン」
本宮「で、話は戻るんだけど、その『旭湯』はサウナもあってさ。いつも賑わってるんだよね。麻璃央も好きだと思うよ」
黒羽「行ってみたいです!」
――「旭湯」さんのサウナは6人ほどが入れるコンパクトな作りながら90~99℃で、水風呂は18℃とのこと。
黒羽「それはいい温度じゃないですか! 水風呂もちょうどいい。僕、最近流行りの冷たすぎる水風呂より18~20℃くらいが好きなので」
本宮「サウナって、水風呂のために入るんだろ?」
黒羽「そうですね。水風呂に入ると、身体のまわりにぽわ~んと温かい膜が張ったような感覚になって…でも、本宮さんはその『旭湯』さんのサウナには入らないんですよね?」
本宮「そう。俺は風呂専門だから。でもサウナに入ることもあるよ。ジムに行くとサウナに入って。で、汗をかき始めるとすぐに出て、またトレーニングをして、さらに汗をかいて。だから汗をかくためにサウナに入ってる感じ」
黒羽「サウナで汗を引き出すんですね。うーん…でも、もったいない気がする」
本宮「そうか? 俺的にはずっと半身浴をしてる感じで、それはそれで気持ちいいんだけど」
黒羽「じゃあ、サウナに入って、今日は水風呂も入りましょう。外気浴の気持ちよさも味わってもらって!」
サウナ、ワンターン目の結果はかに?
――「大黒湯」さんは、高温の遠赤外線サウナ(95℃)と、よもぎスチーム塩サウナがあり、こちらは50~60℃と低温ですが、湿度は90~100%。温熱が体内深く吸収されると評判です。
黒羽「楽しみだな~」
本宮「ご指南、よろしく」
――では、いってらっしゃ~い!
本宮「(サウナ→水風呂を終えて外気浴)うーん、確かに気持ちいいかな」
黒羽「“かな”(笑)?」
本宮「いや、気持ちいいね~。ここの外気浴スペース(※東京スカイツリーを望むウッドデッキが!)が素晴らしいのもあるけど」
黒羽「(風に吹かれつつ心地よさげな表情で)……ですよね~。銭湯価格でこのロケーションはなかなかないです」
本宮「さっき聞きたかったんだけどさ、麻璃央が思ういいサウナ……いい施設、銭湯の基準ってどんな感じなの?」
黒羽「広さにも関係するんでしょうけど…まずは空いているところ(笑)?」
本宮「(笑)、だよな。分かる。とはいえ、人気のところは混んでるから、曜日や時間帯を気にするよね。幸い俺らの仕事の場合、平日に休めたり、融通が利くからいいけど」
黒羽「空いているかどうか、駐車場の車を見て判断します」
本宮「わ、満車だ。違うところ行こうってなるよね」
黒羽「あとは浴槽ですね。最近はサウナと水風呂、シャワーだけという施設もあるので。でも、僕はやっぱりお風呂も好きなので……そうなると、総合的にスーパー銭湯が多くなります。お風呂を出て、休憩室でテレビ見て。だらんとして。で、また入って。サウナにも入って、出て、ご飯を食べて」
本宮「休みの日はそうなるよな。今回、麻璃央も『氷室蓮司』に初参加してくれてわかったと思うけど、めちゃくちゃ撮影がハードだからさ。何もしなくていいなら何もしたくない」
黒羽「ものすごいスピード感で撮りますもんね。おまけに1日で撮る量も多いし。その座組力と言いますか。『すげえ……』しか言葉が出なかったです」
本宮「それ、10年やってるからな」
黒羽「シリーズは、どれくらいペースで撮っているんですか?」
本宮「大体、隔月で新作1本のペースかな」
黒羽「す、すごい!」
本宮「ここ3年は厳しかったけどね。コロナ禍という状況の中でも作り続けなきゃ次(の新作)が出ないから、ロケの場所を貸してくれないとか、いろんな困難がありながらも何とかやってきたよ」
黒羽「ヒットを出し続けなきゃ次が出ない」
本宮「数字が悪ければ完結しようがしまいが打ち切りになる世界だからね」
黒羽「それをやり続けていることに感心するし、感動もするし、尊敬します」
本宮「世の中、また何が起こるかわからないからね、今は1年ぶんのストックが常にあるようやってはいるけど。あと、俺の身体がいつまで続くかわからないしな(笑)」
黒羽「そんなこと言わないでくださいよ~」
本宮「いやマジで、10年前と比べて、アクションやるとキツイんだから(笑)」
黒羽「泰風さんがずっと元気でいられるためにもサウナです! さ、ツーターン目行ましょう!!」
まだ、ととのうには至らない本宮さん。黒羽さんのサウナ指南の気になる結果、普段はあまりサウナに入らない本宮さんの感想は次回に! 「日本統一」シリーズ、映画「氷室蓮司」への熱い思いとこれからの展望についても子弟コンビが語り合います!!
黒羽麻璃央(くろば・まりお)
‘93年7月6日生まれ。宮城県出身。
俳優。映画、ドラマ、舞台など幅広く活動。ミュージカル・ピカレスク「LUPIN~カリオストロ伯爵夫人の秘密~」(ボマーニャン役)や、「ゆりあ先生の赤い糸」(テレビ朝日)、’24年1月26日公開「劇場版 君と世界が終わる日にFINAL」(加地裕也役)に出演。ミュージカル『刀剣乱舞』~陸奥一蓮~(三日月宗近役)、人気任侠シリーズ「日本統一」10周年記念作品第一弾『氷室蓮司』(篠原将人役)への出演が控えている。
本宮泰風(もとみや・やすかぜ)
‘72 年 2 月 7 日生まれ。東京都出身。
俳優。ドラマ、映画で活躍。’94 年に俳優デビュー。主な出演作ドラマは「S-最後の警官-」、「駐在刑事」、「麒麟がくる」、「警視庁ゼロ係 ~生活安全課なんでも相談室~SEASON5」、「ちむどんどん」など、映画では「アウトレイジ 最終章」、「ベイビーわるきゅーれ」、「バイプレイヤーズ~もしも 100 人の名脇役が映画を作ったら~」、「静かなるドン」、「など。2024 年は主演映画「氷室蓮司」のほか、「鬼平犯科帳 血闘」に出演。
『氷室蓮司』
4月12日(金)より東京・新宿バルト9ほか全国で順次公開
「弱きを助け、強きを挫く」をテーマに、不良少年だった氷室蓮司(本宮泰風)、田村悠人(山口祥行)が所属する侠和会で、日本から抗争をなくすべく極道界の頂点を目指すサクセスストーリー「日本統一」のシリーズ10周年記念作品第1弾。今まで描かれて来なかった、氷室の父親としての側面にフィーチャー。舞台を台湾に移し、誘拐された息子の行方を氷室が追う。
監督・脚本/辻裕之
出演/本宮泰風
黒羽麻璃央 劉致妤 吳昆達 大谷主水 應朗丰
松本若菜 本田広登 喜矢武豊 具志堅用高
山口祥行 ほか
(ⅽ)2024「氷室蓮司」制作委員会
撮影協力
押上温泉 大黒湯
住所:東京都墨田区横川3-12-14
営業:平日=後3:00~翌前10:00、土曜=後2:00~翌前10:00、日祝=後1:00~翌前10:00 定休=火曜
料金:大人=520円、中学生=420円、小学生=200円、幼児=100円、サウナ:平日+300円、土日祝+330円
撮影/カノウリョウマ
ヘアメーク/梅原麻衣子(GiGGLE)
取材・文/橋本達典