モイ~。
川崎フロンターレプロモーション部のアマノです。サウナ施設で日々オモロい企画をととのえています。
熊本親子男二人サウナクワガタ旅
先月、高校一年になる息子が夏休みに入ったタイミングで、親子男2人旅で「熊本」へ行ってきました。昨年は息子が受験生だったので行けなかったんですけど、2年前、3年前にも男2人旅を実施しています。しかも、行先はすべて“熊本”。迷いなく“熊本”一択。なぜに“熊本”? 別に親戚が”熊本”にいるわけでもないんですが、僕らが“熊本”へ行く旅の目的は「サウナ堪能」と「クワガタ採集」です。もう、男らしくこれ以外のことはキレイさっぱり一切しません。既に3回も“熊本”へ行っているにも関わらず、熊本城をまだ見ていません。馬刺しも食べていません。唯一、観光チックなことをしたのは、フロンターレに在籍する(した)車屋紳太郎選手と谷口彰悟選手(アル・ヤーランSC/カタール)の母校・熊本県立大津高校サッカー部の部室を知り合いの大津高校サッカー部OBに案内してもらったくらいですかね(笑)。
そんな感じなのでリュックの中身は、最小限の着替えとサウナハット、虫捕りセット、虫よけスプレーのみ! 今回は、3泊4日の行程でしたが朝7:00台の羽田発の飛行機に乗り込み、熊本入りして、朝から晩までクワガタ採集→サウナ→クワガタ採集→サウナを繰り返す、他人からしたらストイック&マニアックな旅ですね(笑)。
気温35℃を超える中、汗びっちょりのTシャツ姿で、クヌギ林をウロウロしていると現地の人に度々声を掛けられ、東京からクワガタとサウナの為だけに来たことを伝えると皆一様に「わざわざそれだけのためにこんなとこくるなんて変わり者だねえ」と言われます。
熊本の人にしてみたらクワガタなんてそこら辺にいる、なんなら店舗内の蛍光灯の光に吸い寄せられてコンビニへ行けば転がっている虫なのかもしれませんけど、僕らにとってみたら東京ではもう滅多に採集できないヒラタクワガタという神々しい昆虫がいる聖地ですからね。ちなみに東京へ帰る日含めて4日間クワガタ採集していましたけど、一度も採集している子どもたちと会いませんでした(笑)。ちなみに、ヒラタクワガタは計15匹採れました。
田迎サウナトークルーム
これはサウナにも言えることで、熊本はとにかく「水」がきれいで最高の水質を持つサウナ店が多いです。でも、そんな神の水質の中で生活していますから、その良さが日常であり普通ですからね。
今回、いくつもの熊本サウナを堪能したのですが、その中でも最高だったのが熊本市内にある「田迎サウナ」。サバンナ高橋さんのYouTube「しげおチャンネル」で紹介されていて、是非行ってみたいと思っていた地元に愛される超ローカルサウナです。
「えっ!?ここにホントにあるの?」って思うような雑居ビルの2階に「田迎サウナ」はあり、階段をあがって受付へ行くと店主さんはおらず、利用料の500円をBOXに入れていく無人システム。「ムム、ホントにしげおチャンネルで見た通り!」。500円玉がいくつもクリップで上から吊るされており、小銭を持ち合わせていないお客さんは1000円札をBOXに入れて、お釣りの500円を勝手に持っていくシステム。これも「しげおチャンネル」で確認済みでしたが、実際目の当たりにするとこの「超性善説」システムにまず心がととのいます。
シャワーで体を洗って、サウナ室に入るとそんな広くなく6~7人で満席になるくらい。地元の常連のおじさんが既に気持ちよさそうに汗をかいていて新参者の僕ら親子に積極的に話しかけてきます。サウナクワガタ旅であることを告げるとやはり「そんなことのためにわざわざ熊本来るなんて考えられん」と言われました。
いつもそうなのかは分からないんですけど、サウナ室内は常連さんたちの“トークルーム”になっていて、会話が飛び交っていました。「サウナ施設は皆で使っているのだから会話は控えて静かに入りましょう」「黙浴厳守」なんていうのが今のサウナのマナーというか常識なのかもしれないんですけど、それと真逆。最初は僕も会話が飛び交う室内に戸惑うというか、口数少なく遠慮していましたが、時には「あんたはどう思う?」みたいに、たまたま同じ時間、しかも10分程度一緒にサウナ室に入っていた僕にも意見をきいてくるような空間が居心地の良い場所に変わっていきましたね。ぶっちゃけ、大した内容の会話をしているわけじゃないんですよ。大谷翔平のホームラン数は今年最終何本だと思うか、とか(笑)。でも、そんなたわいもない話をサウナ室内でしたり、他の人同士のこれまたどうでもいい会話が耳に入ってくるのって全然煩わしくなくて、逆に温かいほのぼの空気に包まれて(実際室温は90℃くらいでしっかり温まっていますけど)、アルファ波出まくりました。いつもみたいに個室サウナで、ひとりで何もしゃべらずポケーっと入る気持ちよさとはまた別の気持ちよさがありましたね。
「あーこういう会話フリーの、あえてみんなしゃべっていいですよっていうサウナをフロンターレが中心になって企業や自治体と連携して作れれば、あらたな地域コミュニティーの場の創出ができるなー」って勝手にイメージ湧いちゃいました。銭湯も地域コミュニティ創出の場になっているんですけど男湯と女湯で分かれちゃいますからね。しかも、湯舟ってどちらかというと会話する時、”横並び”ですけど、サウナだと”向き合って”話せるし、水着着用なら男女で入れますから。
「サウナ室内でたわいもない会話をしている常連の皆さんから、まさか僕が新たなサウナ価値を感じて『おじさん達ありがとう』と思っているなんて思ってないだろうなぁ」って思いながらサウナを堪能していました(笑)。
極上の水風呂に溺れたい
「田迎サウナ」は”トークルーム”状態でサウナ室も最高だったんですが、地下水かけ流しの水風呂がこれまた最高でした。サウナの聖地と言われる静岡の「しきじ」と同様に地下水が次から次へと、ドバドバ放出されていて常にフレッシュウオーターで浴槽が満たされています。
常連のおじさんが「あんたたちサウナ出た後、かけ水して、体の汗流す必要ないよ。そのままドボンっと飛び込んじゃえばいいから」とマナー違反を推奨してきます。まぁ、僕はもちろん毎回かけ水をして入りましたよ。でも、常連のおじさんがそういうのも分かるくらい、浴槽から常に水があふれて循環している状況ですから。水温は18~19℃くらいですかね。僕は14℃くらいのもうちょっと低い水温が好みなんですけど、もうそんな僕の好みなんてフルシカトでOKな気持ちよさ! 今まで入った水風呂でNO.1! 水風呂に浸かった瞬間、体全身でその水質の良さを感じることができます。体全体で水をゴクゴク飲んでるって表現が一番近いかなー。熊本の水を体いっぱいに感じることができます。水風呂に注がれる地下水は、備え付けのコップで飲めるので水風呂に浸りながら、口からもゴクゴク注いでほとんど溺れている状態で水風呂入っていました(笑)。
田迎サウナの浴場内と水風呂。これも常連さんの話ですが、少し前まではこの田迎サウナのようなスタイルのローカルサウナがいくつもあったとのこと。パイプからジャブジャブ流れ落ちる地下水はそのまま飲むことができます。あーまた全身この水に包まれたい!
自分が持ち合わせているチカラを把握する
「田迎サウナ」の近所の方にとってはこのサウナは「あたりまえ」なんだよなー。ヒラタクワガタが採れるのも熊本の人にとっては「あたりまえ」。でも、僕にとっては時間とお金を費やしたとしても得たい「特別」な体験であり存在。これって自分自身にあてはめて考えると、自分自身では「あたりまえ」「そこまで価値があるのか」と思っている自分のチカラ、能力は他の人にとっては、持ち合わせていない「特別」なチカラ、能力だったりする。個人だけでなく会社、クラブでもそう。大事になってくるのは、強みと自覚していない潜在的な自分や組織の力、能力が何なのかを把握、理解することですね。過大評価はダメですけど冷静にそれらが見えていればもっともっとやれることはあるなと。
そんなことを感じた僕の夏旅のお話でした。
あっ、本話で昨年11月に訪れたサウナ大国・フィンランドについて話そうと思っていたのに、前書きだけで済ませようと思っていた熊本旅が長くなっちゃったので次号でお話しします。
それではモイモイ~。
天野春果(あまの・はるか)
東京都出身。1993年からワシントン大学でスポーツマネジメントを学ぶ。帰国後は富士通川崎フットボール(現川崎フロンターレ)に就職。以降、”J最強企画屋”としてサポーターに愛される。
※川崎フロンターレ事業部部長・天野春果「企画屋アマノ〜アイデアのととのえ方〜」今までの記事はこちらから!
田迎サウナ
■住所:熊本県熊本市南区良町1-17-12
■営業時間:月曜日〜日曜日=後12:00〜8:00 ※定休日なし
■料金:500円
※田迎サウナはSAUNA BROS.vol.1でもご紹介しています! ご購入はこちらから