川崎フロンターレ事業部長・天野春果「企画屋アマノ~アイデアのととのえかた~」(#3)

モイ~。
 
川崎フロンターレプロモーション部のアマノです。サウナ施設で日々オモロい企画をととのえています。

目次

パート1を超えるパート2とは

先日、6月11日のフロンターレホームゲームイベントで「FINLANDランド」を実施いたしました。
ちなみにイベントタイトルの「FINLANDランド」ですけど、映画「ラ・ラ・ランド」のノリで単純に「LANDランド」って響きが良いなぁってつけました(笑)。
 
そんな「FINLANDランド」ですけど、フィンランド大使館商務部全面協力による開催、今年で3年連続3回目となります。僕のポリシーとして同じタイトルで企画を継続して行う際、前回、前々回より内容が「盛り下がる」のは絶対イヤなんですよ。よく映画であるじゃないですか。パート1はめちゃくちゃ面白かったのにパート2、パート3になるとどんどん面白くなくなっていくのって。僕、アーノルドシュワルツネッガー主演の「プレデター」っていう映画が大好きなんですね。ストーリーは何回見ても変わらないのに100回は見ています。シュワちゃんのセリフなんかも作品を見ながら先に言えるくらい(笑)。けどこれ、パート2が劇的につまんなかった。泣けるぐらいつまんなかった。こういう映画続編を見るたびに「自分が手掛ける企画は受け取り側にそういう気持ちにさせないものにしたい」と毎回思うんですよね。


パート1よりパート2が面白かったものと言えば、映画「ホームアローン」です。ブルースウィルス主演の映画「ダイハード」も僕は「ダイハード2」のほうが好きです。映画以外だと古いシューティングゲームですけど「ギャラクシアン」より「ギャラガ」、音楽だとボーカルがコムアイから今の詩羽に代わった「水曜日のカンパネラ」が好きです。

主催者と出展者の関係をぼやかす


 
今年実施した「FINLANDランド」は間違いなく昨年、一昨年よりも内容充実できました。当日の天候が曇り時々雨でイベントにはディスアドバンテージでしたけど、参加者の人は今まで以上に楽しんでくれたと思います。
イベントが拡充できた要因は偶然ではないです。これは今回のイベントに限らず、どのイベントにもあてはまるので、企画をアップグレードしていく要因を教えます。

まず1つ目が「主催者意識を出展者が持つ」ということです。ひとことでいうと「みんなで楽しいお祭りをやろうぜ!」「そんでもってオレ達も楽しんじゃおうぜ!」「OH!ハッピーデイ!」みたいな感じです。
今回のイベントの主催は「川崎フロンターレ」で、フロンターレが多くの組織、団体に声がけして協力を仰ぎ進行しています。このイベント構成の段階で依頼する側、される側に分かれがちなんですが、ここを【ぼやかす】ことに僕は注力しています。「業務」ではなく「活動」の雰囲気に持っていくことがポイントです。

イメージとしては学生の時の「文化祭」の雰囲気ですね。文化祭って「やらされてる感」ゼロじゃないですか。みんなで「うちのクラス、出し物何にする?」みたいなところからスタートして、皆で考えて皆で夜なべして。準備の行程を「苦」と感じないあの雰囲気。汗をかくことが「楽しい」と感じるあの空気感。あの感覚を社会人でも生み出せれば自ずとイベントは楽しいものになり、「来年もっと楽しい事みんなでやりましょう!」ってなるんですね。

皆んなが主体的に「楽しいイベントにしたい」と思える雰囲気をつくる。始球式を務めたサバンナ高橋さんも良い表情です!

それじゃどうやってそういう雰囲気を生み出していくかですけど、これは実は簡単で「会議、打合せと呼ばれるものを学校の教室で机をくっつけて皆でワイワイガヤガヤ、ジューズとかお菓子食べながら話し合う環境」をつくればいいです。会議やミーティングに出ていてよく感じるんですけど「雰囲気」がよくないんですよ。平気で「シーーン」となるし、沈黙があっても誰もそれを回収しようとしないし。真面目な会議=つまらない会議と勘違いしてるところがあるんですよね。大事なのは「真面目に楽しい事を突き詰めてアイデア、意見を出し合う」事なのに。とにかく楽しい事、面白い事を生み出せる環境づくりがなってないんですね。つまらない会議が好きな人なんていない。ただその雰囲気を楽しいものに変えるために「しゃしゃる」勇気は参加者にはないものです。主催者及びイベント統括の1番の役割ってこの「つまらない雰囲気」を作らせない音頭を取ることだと思っています。

客さえも主催者に巻き込む

企画を拡充していく2つ目の要因は「客さえも巻き込む」ことです。フロンターレで言えば「サポーター」です。

本来、サポーターの人たちは僕が手掛けるイベントの「参加者」「消費者」なんですけど、僕はこの人たちさえもイベントの「主催者」に取り込んでいます。今回、「FINLANDランド」内「FINLANDサウナヴィレッジ」でサウナフリーザー車や大型テントサウナを展開してくれた「ウェルビー」の皆さんは、僕が「Mくん」と読んでいるフロンターレのサポーターが話を持ってきてくれました。ウェルビーの皆さんとMくんと僕らクラブスタッフでLINEグループを組んで、今回どんなサウナ展開をしようかと何度も何度も協議してコンテンツを決めました。そしてイベント当日、Mくんはお客さんとして自分が仕込んだサウナ企画を楽しんでいるという。しかも、ちゃんとお金払って(笑)。

ついにアマノが熱波師デビュー!主催者なのに演者もこなす、これがよりイベントを盛り上げるコツ
板氷を3倍用意して今回はシングル5.8°をキープ。水温下げてサービス上昇!


ムーミン撮影会を取り仕切ってくれたムーミンバレーパークの森田さんはフロンターレのガチサポーター。いつもユニフォームを着てスタジアムに応援に来ているのに、この日は朝早くからFinlandランドを盛り上げるためムーミンブースを切り盛りしてくれました。

僕は「主催者」と「客」という絶対的な区分けをあまり持たないようにしています。楽しい空間をつくり、それを一緒に楽しむ「仲間」という感覚を常に意識しています。これを意識して行動しているとサポーターの方からイベントがもっと楽しくなる情報やアイデアを僕にどんどん持ってきて、サポーターなのに一緒にイベントづくりをしてくれるようになるんですね。
結局自分の頭と身体は「一つ」しかないから、他の人のいくつもある頭と身体を自分の実現したいことに使わせてもらうってことですね。

次回開催の目をもって今回を観察

3つ目は「次の実施の事を考えながら今のイベントを観察する」です。同じコンテンツのブースを出したとしても次回はどうしたら今回を超えられるか、という視点をもって状況を観察する事が大事です。イベントやってるとその場を仕切るのに追われたり、今回の企画に満足してしまいがちですけど、そこは自己満してはいけなくて改良点、改善点をその場で見つけて把握、インプットしておくこと。既にもう来年の開催している風景をイメージすることです。

まぁ他にも細々した「前回越え」のポイントはあるんですけど今日はこの辺で。

あっ第2話で次回では「思考の善玉菌」で満たされた時に、浮かんだアイデアを実際にどうやって実現させるところまで導いているか、そのために必要なチカラは何なのかをこの第3話で話すと言っていたのに違う話になっちゃいました……。


第4話で話します〜。モイモイ〜!

天野春果(あまの・はるか)
東京都出身。1993年からワシントン大学でスポーツマネジメントを学ぶ。帰国後は富士通川崎フットボール(現川崎フロンターレ)に就職。以降、”J最強企画屋”としてサポーターに愛される。
※川崎フロンターレ事業部部長・天野春果「企画屋アマノ〜アイデアのととのえ方〜」今までの記事はこちらから!
※FINLANDランドの様子はこちらから!

シェアお願いいたします
  • URLをコピーしました!
目次